山本幸三の発言 (予算委員会)
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○山本(幸)委員 全くおっしゃるとおりで、金融政策だけでデフレ脱却できないということを突き詰めていったら、日本は無税国家になることができるということを言っているんですよ。つまり、国債を買ってどんどんお金を出しても物価は上がらないと言っているんですから。そうであれば、市中にある国債を全部買い占めればいいんですよ、日本銀行が。それで国債の累積問題は一瞬にして解決します。そして、将来、増税をして国債を償還する必要がなくなる。日本は無税国家になるんですよ。だけれども、そんなことがありますか。あり得ない。必ずどこかの段階でインフレになるんですよ。
だから、金融政策だけではデフレが脱却できないという質問者がこの後から出てきたら、その答えをしたらもう一発で終わりますから。
そこで、貨幣現象ということなんですけれども、余り数式とか出したくないんだけれども、言葉だけで言っているとちょっとわかりにくいところも逆にあるので、一回出た数式を使って言いたいと思いますが、これは資料でお配りしていると思います。
私が言いたいのは、全部じゃなくて、三番目のところが一番大事なところであります。
一番目の、MVイコールPT、貨幣数量方程式、これは基本的な方程式ですが、これには短期的には成り立たないというケインジアンの批判もありますが、長期的にはケインジアンも名目賃金が調整されて成り立つと。だから、どの経済学の立場に立っても、長期的にはこの式は成り立つということで理解されています。その間の条件が長期的な間に落ちついてくるということですね。
ところが、この式だけで考えているとよくわからない。よくわかるためには、変化率をとって、三の式にしないとよくわからない。
その前に、一の普通の式だけで、名目GDPの比率で各国と比べて日本は金融が緩和していますよという議論を日本銀行が行って、それをいろいろな人がやっています。恐らく前原さんが同じようなことを後から言うんじゃないかと思いますけれども、しかし、それは余り意味がない。
なぜ意味がないかというと、日本人は現金が好きなんですね。海外では現金なんか余り持ちません、危ないから。だから、日本ではもともと比率が高い。
それから、分母の名目GDPというのは、日本は二十年前と同じだけれども、その間にアメリカは二・五倍、イギリスは二倍と変わっているわけで、その変わっているベースをもとに比べて日本の方が高いから金融緩和しているという議論をしたってしようがない。大事なのは、物価がちゃんと二%になっているかということが実現できるかどうかということであって、ほかの国のやり方を言ったってしようがない。
そこで、三のところで、ここはちょっと問題なので議論をしたいんですが、要するに、デルタP、物価上昇率というのは、貨幣供給の増加率プラス貨幣流通速度の上昇率マイナス実質経済成長率です。こういう式になる。
問題は、この一番最後のところの実質経済成長率というのは、マイナスの影響がある。よく、この予算委員会でも財務金融委員会でもいろいろな人が議論しました。デフレ脱却するためには実質経済成長率は高くなきゃいけないんだ、あるいは白川さんも、成長力強化が一番大事だと。逆ですよ、この式から見ると。
つまり、そこでちょっと気になるのが、成長戦略との関係です。成長戦略、成長力強化というのは、生産性を高めて潜在成長力を上げるという政策です。それは供給力をふやすんですね。だけれども、需要が整わなければ、逆に需給ギャップが開いて、デフレ要因です。それがこの式で示してある。
その意味では、第三の矢の成長戦略というのは、これはほかの点からも非常に大事なんだけれども、日本の長期的なあり方から考えて、成長をさせるというのは大事なんだけれども、金融政策という全面的なバックアップがなければ、逆にデフレ要因になるんです。このことが非常に大事なので、この点について、甘利大臣の御見解をお聞きしたいと思います。