石原伸晃の発言 (環境委員会)
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○国務大臣(石原伸晃君) 環境大臣及び原子力防災を担当する内閣府特命担当大臣の石原伸晃です。
第百八十三回国会における参議院環境委員会の御審議に先立ち、環境政策及び原子力防災に関する私の考えを申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いいたします。
今、環境政策は、東日本大震災からの復旧復興、低炭素社会の創出、安全、安心な生活環境の確保という三つの課題を抱えています。この三つの課題に、どのように現実的な答えを見出し、現場で着実に実行に移していくか。この平成二十五年は、環境省の真価が問われるまさに正念場の年と考えています。
まず、一つ目の柱、震災からの復旧復興について申し上げます。
大臣に就任して以来、できる限り現場に足を運び、福島県の佐藤知事を始め首長の皆さんと直接お会いし、お話を伺うよう心掛けてまいりました。そこで感じましたことは、多くの方々が住み慣れたふるさとに対する強い思いを持ちながら、今なお様々に思い悩んでおられることであります。環境省としては、こうした福島を始めとした被災地の皆様の思いにこたえられるよう、全力で政府における役割を果たしていく所存です。
除染は福島の復興の大前提です。復興全体の司令塔としての復興庁、現場を預かる環境省、この連携を密にしつつ、現場主義を徹底して、除染の取組を本格化します。また、除染を進めるために必要不可欠な中間貯蔵施設についても、平成二十七年一月を目途として供用を開始できるよう、最大限の努力をしてまいります。
災害廃棄物の処理については、被災自治体の懸命な御努力や広域処理により、本年一月末時点での進捗状況は、岩手県と宮城県の二県についてはおよそ四八%となっており、来年三月末までに処理を完了という目標に向けて、更なる加速化を図ります。
福島県では、住民の方々が避難している地域を中心に、処理体制の復旧に時間を要していることから、処理が遅れている状況にありますが、今後は住民の方々の帰還の妨げにならないよう、災害廃棄物等の撤去、処理を着実に進めます。
また、放射性物質で汚染された廃棄物の処理、原子力事故に伴う住民の健康管理や健康不安対策についても着実に進めます。さらに、三陸復興国立公園を五月に創設し、観光資源として整備を進めます。
二つ目の柱が、低炭素社会の創出です。
原発事故の後、残念ながら地球温暖化の話題は埋没し、環境外交での日本の発言力も著しく低下しています。これを取り戻すために、前政権が立てた二五%削減目標をゼロベースで見直した上で、京都議定書目標達成計画に代わる新たな地球温暖化対策計画と、我が国の優れた環境技術を生かした攻めの地球温暖化外交戦略を十一月のCOP19までに作ってまいります。
その具体策の一つは、低炭素社会を創出するためのファイナンスイニシアティブ、つまり、ファンドの創設など金融メカニズムを活用して民間資金を環境投資に呼び込む仕組みづくりです。
その中でも特に、建物の低炭素化、町づくり、二国間オフセット・クレジット制度、低炭素技術の四つの分野に重点を置いて投資の促進を図ります。
もう一つの策は、再生可能エネルギーの導入加速化です。これは、単に量を増やすばかりでなく、中長期的に再生可能エネルギーを中核とした自立分散型のエネルギー社会の構築を目指します。
具体的には、蓄電池による風力発電等の出力の安定化、浮体式洋上風力発電の実証事業、地熱開発の基盤整備などに重点を置いてまいります。
また、新たな地球温暖化対策計画に関し、その法的根拠となる地球温暖化対策推進法の改正法案を今国会に提出します。さらに、フロン類の一層の排出抑制のため、フロン回収破壊法の改正法案を今国会に提出します。
環境ビジネスは裾野の広がりが大きく、我が国にとって新たな富を創造するための大きな成長分野の一つです。低炭素社会を創出することで経済再生も同時に実現する、そういう考え方に立って政策を進めます。また、その基盤となる税制全体のグリーン化、環境教育の促進等に取り組みます。
地球温暖化については、もはやある程度の影響は避けることができず、これに適応することも重要です。そのため、地球温暖化による影響に適応するための政府レベルの計画の策定に向け、検討を進めます。
三つ目の柱は、環境行政の原点である安心、安全な生活環境の確保や、循環型社会、自然共生社会の実現です。
水、土壌などの生活環境の保全や、化学物質の製造から廃棄に至るライフサイクル全体を通じた環境リスクの低減に取り組みます。
今、PM二・五による大気汚染の問題に多くの国民が不安を感じています。地方自治体と協力して常時監視体制の強化、日本の環境技術を生かした中国に対する技術協力などの取組を進めます。また、大気汚染はアジア地域各国の共通の課題であり、その解決に向けて地域協力の強化にも取り組みます。
さらに、放射性物質による環境汚染に係る適用除外規定を削除するための法律案、建築物の解体等におけるアスベストの飛散防止対策を強化するための大気汚染防止法の改正法案を今国会に提出します。
十月に我が国で採択、署名のための外交会議が開催される水銀に関する水俣条約の早期発効に向け、国内対応の検討、各国への支援や働きかけを行います。また、水俣病を始めとする公害健康被害対策、石綿健康被害者の救済について引き続き真摯に取り組みます。
国内外で循環型社会を実現するための取組も積極的に推進します。
今年四月から施行される使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律、いわゆる小型家電リサイクル法の効果的な運用には多くの市町村の参加と国民一人一人の取組が不可欠であり、そのための支援を行います。
また、災害に強い廃棄物処理システムの推進や、PCB廃棄物の早期処理に向けた体制の確保を図ります。
人と自然が共生する社会の実現に向け、生物多様性国家戦略に基づき、国内外の取組を進めます。
我が国を代表する傑出した自然の風景地である国立公園について、そのすばらしい自然を未来に引き継いでいくとともに、より多くの方に楽しんでいただけるよう、自然保護の推進や利用サービスの向上に地域と協力して取り組みます。
佐渡島では、トキの野生復帰が順調に進んでいますが、これ以上、我が国の野生生物が絶滅することのないよう、絶滅危惧種の保全の取組を進めます。また、鹿などによる鳥獣被害への対策を推進します。
さらに、希少な野生生物の違法取引の防止や、より一層の外来生物対策を進めるため、種の保存法及び外来生物法の改正法案を今国会に提出します。
内閣府特命担当大臣として、原子力防災にも取り組みます。
原子力発電所の安全については、防災対策の前に、まずは事故の防止が大前提です。原子力規制委員会が、科学的、技術的見地から、公正中立な立場で安全規制を進めることが重要であり、環境大臣としては、原子力規制委員会が職務を全うできるよう、しっかりとサポートをしてまいります。
一方で、どのような厳格な安全規制を行うとしても、安全神話に陥ることなく、万一の事故にも機能する地域の防災体制を日ごろから整備しておくことが重要であり、そうした観点から原子力防災に取り組みます。
事故の教訓を踏まえ、原子力規制委員会において、原子力災害対策指針の大幅な見直しが行われています。防災対策を行う区域は半径三十キロメートル圏へと大きく広がり、緊急時の多くの住民の避難、安定沃素剤の事前配布など、これまでに類を見ない広範な対策も求められています。
この指針に沿って、地方自治体において、新しい地域防災計画を策定していただくことになります。地方自治体に対し、計画策定に対する助言、防災施設や資機材への財政支援などきめ細かな支援を行い、万全な防災体制の構築を図ります。
以上、環境大臣として、また、原子力防災担当の内閣府特命担当大臣として、当面の取組の一端を申し上げました。
川口委員長を始め、理事、委員各位におかれましては、今後とも、環境行政及び原子力防災の一層の推進のため、御支援、御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
ありがとうございました。