武田勝彦の発言 (国際・地球環境・食糧問題に関する調査会)

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○参考人(武田勝彦君) ケアの武田です。
 小田会長のパフォーマンスの後なんで、非常に話しにくいんですけれども、大分違うお話をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 私が今日、先生方にお話ししたい焦点としては、お配りしているA4の紙ですね、ここに全部集約されていますので、もうここを押さえていただければ本当に有り難いなというところであります。
 水と衛生の現状としましては、責任が水にあるわけではなくて、やはり人にあるのかなというところが最終的なところだと思っております。課題としては、アクセスですね、井戸、それからトイレ、このアクセスがまず大きな問題ですというところ。もう一つは、衛生に関する習慣ですね、そこに非常に大きな問題があるんですよと。そこを変えていかないとこの全体的な水と衛生の問題は解決できませんというのがお話ししたいところになってきます。
 我々、世界中八十四か国で活動しているんですけれども、その中でも、どこの国に行ってもやはり問題となるのがこの点ですね、水と衛生に関しては。ここを変えていかない限りは、根本的な問題は解決できないと思っています。また、アクセスの問題に関しては、水というのはやっぱり生活上非常に大切なので、それをやっぱり日々使うわけですけれども、近場にやっぱり水がないということで、その水をくみに行くというのが日々の生活の時間を取られているわけですけれども、それを行くのはやはり女性と女の子というのが圧倒的に多いのが途上国の問題ですね。
 お母さんが子供を連れて水をくみに行く、それも六キロ、八キロ、やっぱり毎日歩いていくわけですね。そういったことで、お母さんはやはり時間が取れない、あるいはもう子供が生まれるとかいうことがあってもその前後で病院に行くこともやっぱりできないとか、女の子に関しては教育を受けることができないというのが貧困の根本的な問題につながっていくと。そこにやはり水の衛生の問題があるということなんで、水がきれい、汚いとか、そういうお話ではちょっとないというのが我々の主張になっています。
 具体的なお話なんですけれども、お手元の資料の方ですね、二つ用意してございます。一つ目のはコンパクトにまとめた方で、もう一個の方は映像で説明したものですね。
 ここで御説明したいのは、先ほどもアフリカの中でありました南スーダンですね、二〇一一年に独立しましたけれども、そこのお話を少しさせていただきたいと思います。そうすると、具体的なところが少し分かるのではないかということで、なっていますが。
 南スーダン、ここの、我々活動していますのがジョングレイ州トィッチイースト郡というところです。これは首都のジュバからかなり離れたところにありまして、支援団体も余り来ていないということで、我々ケアとしては活動をしているところです。
 ここの南スーダンに関しては乾季と雨季が大きく分かれておりまして、乾季だと本当に殺伐としたところですが、雨季になると、本当に水たまりがあって、逆に今度は車でのアクセスができないというようなところになっております。
 日々の生活としては、このようなおうちに皆さんが住んでいるんですね。
 我々の活動しましたのは、水と衛生の改善事業ということで、三年間にわたって、ジャパン・プラットフォームさん、その他民間の資金をもらいまして支援をいたしました。我々の活動の中心となるのは、水のアクセスをいかに向上するのか、そしてもう一つは衛生施設、トイレへのアクセスを向上させること、それから衛生習慣の向上という三つの活動、ここに集約した事業を三年間行いました。
 ちょっと映像をお見せした方がいいと思うので。(資料映写)
 三つの活動をしていますということなんですけど、まず井戸ですね。井戸に関しては、幸いにして、南スーダンのこの土壌が比較的軟らかいので、この簡易のドリルで井戸を掘ることができるというのがございます。井戸を設置する、これも住民の方々が参加してやっていただくと。やはり、我々が全部やってしまうと皆さん依存してしまうので、皆さんも貢献して、参加していただいて、自分たちの井戸だよということを徹底しています。
 また、水質に関しても、ここで取った水というのが使えるのかどうか、それは我々の現場の方で検査室を持っていて、そこで検査し、さらに政府の方の承認を得て、それで井戸を使っていくということになります。
 また、ハンドポンプを設置するんですけど、これも皆さんにやっぱり習得していただいて、住民の方、我々が去った後も引き続き使っていただかなければいけないので、ハンドポンプの修理ができるようにトレーニングをしたり、あるいは永続的にやっぱりそのハンドポンプ、井戸を管理していただかなければいけないので、水管理委員会というのを村で設置してもらいます。村のリーダーさんを中心に十名前後の方を集めて、こういった委員会が管理をしていくということにしています。
 井戸の利用状況を調査したり、あるいは、家畜をやっぱり皆さん使うのが主な糧になっておりますので、やっぱり家畜が周りにいると水を飲みに来てしまうんですね。それをやっぱり防がなきゃいけないということで、皆さん、その水委員会の方々を中心に、どういうふうに防いでいくのか、それも委員会ごとに考えながらやっています。
 また、次はトイレですね。トイレを学校を中心に、あと公共施設に設置をしております。学校、こういうような学校なんですけれども、こういったためを掘って、深い、三メートル、五メートルぐらいですね、たしか。穴、このぽたんと落ちるトイレを造っています。上もトタンを中心にした、というのは、トタンにするというのは、穴が全部埋まってしまった場合にやっぱり移動しなければいけないということで、この辺、簡易にしたりしています。また、トイレの近くには必ず手を洗うところ、それも設置しています。
 学校なんですけれども、やっぱりよくあるのは男の子しか使えないトイレが多かったりするんですね。途上国、これはいろんなところ、特にイスラム圏とかそうなんですけれども、やっぱり女の子も使えるようにということで、必ず二つ以上は設置しましょうということで奨励してやっています。
 また、先ほど三つの活動と言った、一番問題はここなんですけれども、衛生習慣を変えなきゃいけないんですね。そのために、いろいろ我々も地元の人あるいは政府の方と頭を悩ませていつもやっているんですが、衛生教育促進員という人を村の方々、ボランティアで結成していただいて、その方が衛生教育をしていくという仕組みをつくっています。
 また、もう一つは、非常に効果的なのはやはり子供さんですね。お子さんを学校なりで衛生クラブ、日本で言う部活みたいな形で衛生クラブというのを結成してもらって、子供たちが衛生の啓発を学校でもやるし、おうちでもやるし、あるいはそのほかの村の集会等でもやるということで、我々は子供から子供、チャイルド・ツー・チャイルドとよく言いますけれども、そのやっぱりメッセージというのは非常に大人に響くんですね。そういったことをやったりしています。
 途上国でよくあるのは、やっぱり文字の読めない方とかいらっしゃいますし、まだ、ほかにもよくあるのは、劇を通じてメッセージを伝えるということがよくあるんですね。これもその風景なんですけれども、いかに衛生問題があるか、それから、それをどう正していくのかというのを劇の中でパフォーマンスをしてやることによって住民の方々が理解し、頭に入り、それを行動に移していくということがあります。これとか、右の方に校長先生がいて諭す役をしていたりします。
 そういった衛生啓発を学校でも行いますし、またこれも、トイレの横にあった、トイレの後には手を洗いましょうねということで実演をしたり、そういったこともやりながら皆さんに衛生の習慣をやっぱり徹底していくと。
 ほかにも教材を幾つか政府と協力しながら作っていまして、やはり絵で訴えるというのが一番いいので、ポスター等、そういったもので衛生のことを周知していく。
 途上国、よくあるんですけれども、特にアフリカですね、皆さん水をどういうふうに運ぶかって、頭に載せて運ぶんですね。このようにして運びます。そのときもやはりごみとか入らないように蓋をしながら持っていきましょうねとか、そういったこともお話ししたり、あるいはトイレですね、こういったトイレの絵をちょっと作って、その中でトイレをするんです、トイレの後には手を洗いましょうねというのを絵で示す。
 やっぱり洗濯をしましょうねと、そういうことで清潔にすることが衛生の中でも大事ですよと。あるいは、トイレの仕方、中にはトイレを使ったことがない人が本当に多いので、野原ですることが普通だということになっているので、なかなかトイレで入ってすることがない。子供とかが嫌がって入らない姿をちょっとこれ表しているんですけれども、いや、そうじゃなくて、こういうトイレでするんですよと、そうすることが衛生につながるんですというのをお話ししたりします。
 また、皆さん、よく村の集会というのがありますので、その中で啓発活動、いわゆる劇をやったりあるいは何か歌を歌ったり踊りをしたり、その中に衛生に関してのお話を入れていくということを徹底してきています。
 こういった活動をしているんですが、やはり課題はありますし、それに対してどう向かっていくのかと。我々が行ったこの三年間の事業に関してですけれども、課題としては、やっぱり衛生習慣、これは本当に行動変容に時間が掛かる。本当に、我々三年間もやってきたんですけれども、なかなか皆さんの衛生習慣自体は変わりにくかったのかなと。やはり皆さん頭では分かっているんですね。これは、食事の前には手を洗いましょうとか、あるいは料理をするときにはちゃんと手を洗いましょうとか、その辺分かるんですけれども、実際に行動にはなかなか結び付かない場合があったりします。まだまだ時間が掛かるんではないかというところですね。
 それから、持続性が非常に難しいと。我々、先ほどお話しした、子供を通じて衛生啓発を行う、あとは促進員というものを使いながらやるんですけれども、やはりまだまだ、これが継続していくというシステムにはまだ時間が掛かるのかなと。政府の協力もなかなか難しい。政府自体もやはりまだ整備が進んでいない、人がいない、予算がないというところで、いつもこの辺が弱い。学校にしても先生がよく替わっていくとか、なかなかそこが定まらないというのがありまして、そこはまだ問題なのかなと。
 そこから見えてくるのは、やはり提言として長期的にコミットメントをする必要があるんじゃないですかと。やはり三年間、それなりに長いんですけれども、もっと時間を掛けなきゃいけないのかなと。特に、こういった南スーダンのように紛争を経験したところというのは、やっぱり依存体質がすごい、援助に対する依存体質がすごく強いんですよね。その中で、自分たちでやるということにまだまだ慣れがないのかなと。それなりにやっぱりここは時間を掛けて、住民の方、人が変わらないとやっぱり状況は変わらないので、そこに時間を掛けた方がいいんじゃないかなと思っています。
 また、包括的にシステムをつくらないと、行政側、それから学校とか、あるいはいろいろな公共施設の人たち、住民と、みんなが一緒になってやっぱりこの衛生に関しての体制をつくっていかなきゃいけない、それもやはり考えなきゃいけないのかなと。
 あとは、村のボランティアの方々、この能力強化というのが非常に重要なんですけれども、まだまだ何かこの辺足りないのかなというのがございます。
 この中で一番重要なのは長期的なコミットメントですし、これは日本の人たち、支援する側としてはやっぱりここは考えていただきたいんですね。三年、五年で終わらないものというのが非常にございますので、そこでやっぱり変えていかなきゃいけない。政府の方に言うんでしたら、まずはODAですよね。ODAをやっぱり長期的にコミットする、しかも使い勝手のいいように変えていただかないと非常に難しいのかなと。
 特にJICAさんも使い勝手は良くしていただきたいですし、企業さん、特に中小企業の方もやっぱり手軽に使えるスキームというのが本当に必要かなと思います。また、NGOに関しても、現状では非常にやっぱり使いにくいんですね、もらっていてなんなんですけれども。
 日本のODAの非常に良くないところは、NGO側に対する資金に対して非常にお金の面が妙に細かいんですね、この中にも会計に詳しい先生方もいらっしゃるかと思うんですが。やっぱりそこですね。領収書と現金主義に基づいた会計報告というのは、ほかのやっぱり政府ドナーからすると圧倒的に何か遅れているんじゃないかと。最たるところは会計検査院の方のところに行き着いてしまうんですが。
 我々は、JICAさんあるいは外務省さんから資金をいただきますけれども、いつも本当にそこで困るところですね。事業をしているのか、会計のために何か事業をやっているのか、よく分からないというのがありますので、ODAの使い方というのを本当に変えていただければ、皆さん、JICAさんも外務省さん、それから企業さん、NGOもやっぱり非常にやりやすくできると思うんですね。長期的なコミットメントができるはずなんです。そこを是非変えていただくと、皆さん、もっともっと水と衛生のところに貢献できると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 武田勝彦

speaker_id: 33203

日付: 2013-02-27

院: 参議院

会議名: 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会