青木一彦の発言 (国際・地球環境・食糧問題に関する調査会)
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○青木一彦君 自民党の青木一彦です。
これまで、本調査会では、藤原会長のイニシアティブの下で、いろいろな専門家の方や関係省庁から意見や説明を聴取するなど、活発に調査を行ってまいりましたが、人がやはり生きていく上で欠かすことのできない重要な資源である水は、食料やエネルギーと密接な関係にあるなど、水問題は非常に幅広く、かつ奥が深いものであり、国として真剣に取り組む必要のあることがよく分かりました。特に、本調査会の調査テーマである「世界の水問題と日本の対外戦略」については、日本が優れた技術や経験を生かして世界の水問題解決のために取り組むことが力強い日本を取り戻すためにも大変重要であると感じました。これまでの日本の取組は、水と衛生分野での世界のトップドナーとして各国から高い評価を得ています。
しかし、一方で、昨今の厳しい財政状況などに鑑み、ODAの財源だけでは世界の水問題解決に取り組むことは困難になっているのではないでしょうか。せっかくODAで水道などの施設を造っても、設置後の維持管理を現地に委ねているためにうまくいっていない事例も多く見受けられ、改善を図ることが必要であると思います。日本にある多くの水関連企業は非常に高い水処理の技術を持っていますが、それによって日本では優れた上下水道施設と上水道の高い水質などを維持することができています。
しかしながら、日本では上下水道事業を地方自治体が担っており、業務の民間委託も進んでいないため、企業に水道施設の維持管理の経験に乏しく、どんなに優れた技術を持っていても単独では海外の水ビジネス市場に参入することは容易ではありません。栗原参考人も指摘していましたが、海外での水市場は年々競争が激しくなっており、シンガポールや韓国などで、幾つかの国では国による明確な水戦略を持って海外での水市場に乗り出しています。日本と同様に、海外でも上下水道を始め水市場の多くが公営であることなどもあり、企業と地方自治体が連携しただけでは、国家戦略を持って海外での水市場に乗り出していこうとした国々にはとても太刀打ちできません。
そこで、政府による明確な海外水戦略と基本方針の策定が不可欠であると思います。例えば、内閣官房に水問題担当大臣など司令塔を置くことも検討に値すると思います。また、単に海外展開インフラパッケージの中に上下水道等を位置付けるだけではなく、アジアの新興国を中心に、今後高度経済成長が予想される国々でのスマートシティーづくりの中核に上下水道施設等を位置付けて、それに国の戦略として取り組むことが重要ではないかと思います。
このように、世界の水問題に取り組むには、政府、企業、自治体だけではなく、大学やNGO、さらには一般国民も含めて、オールジャパンでの取組が必要であると思います。是非、政府には国民への啓発も含めてその旗振り役をお願いしたいと思います。
以上です。