津村啓介の発言 (本会議)
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○津村啓介君 民主党の津村啓介です。
まず、冒頭、昨日最高裁判所大法廷で示された、二〇一二年衆議院選挙を違憲状態とする判決につきまして、同僚議員の皆様とともに、これを真摯に受けとめ、一日も早く、与野党がともに歩み寄り、日本国憲法に基づく司法府の判断に立法府として応えていくことを誓いたいと思います。
以下、ただいま議題となりました国家戦略特別区域法案について、民主党・無所属クラブを代表し、賛成の立場から討論をいたします。(拍手)
私も、日本経済の力強い再生を願う一人であります。その意味で、約二年で二%のインフレ目標を達成し、デフレ脱却を実現するとされる、いわゆるアベノミクスに期待をし、必ず成果を上げていただきたいと思っております。
私たち野党の役割は、与党が進める政策を、国会審議を通じ、三百六十度、あらゆる角度から評価を行い、副作用があれば早期に発見をし、注意を喚起し、次なる処方箋を用意することであり、その成果を邪魔したり、足を引っ張ることではありません。
安倍総理、いわゆる異次元緩和、財政出動に続く第三の矢、成長戦略を、ぜひ成功させてください。建設的な議論と提案によって、しっかり応援させていただきます。
今回の国家戦略特区法案に関連し、内閣委員会では、二十二時間二十五分の議論が行われました。その間、新藤大臣初め答弁者の皆さんは、しばしばノー原稿で、丁寧な御答弁に努められました。
また、我が党の後藤祐一議員を初め、各党の質問者からは、中身の濃い質問が数多く出され、議論の成果は、先ほど御紹介された法案修正という形で実を結びました。
既存の特区制度との連携強化は、地方自治体の負担を大きく軽減し、さらにチャンスを大きく広げる、意義深い修正であります。いわゆる雇用ガイドラインの策定については、厚生労働大臣の関与を可能とする修正が行われました。いずれも、高く評価されるべきものであります。
私たち民主党・無所属クラブは、柴山委員長を初め、委員各位のこの間の御努力を多とし、重要な修正がなされた本法案に賛成することを決めました。
一方、議論の中で、課題も多く明らかになりました。
私は、今後の政策実行に当たっての最大の課題は、内閣に入られた七十名余りの政治家の方々の政治的リーダーシップのあり方、いわゆる政と官の関係だと考えております。
私は、四年前、二〇〇九年の政権交代直後、国家戦略室を担当する内閣府大臣政務官として、今回内閣委員会の筆頭理事として本法案の修正協議に大変な汗をかかれた近藤洋介議員、当時の経産大臣政務官とともに、新成長戦略の取りまとめに当たった経験がございます。
新成長戦略は、当時、一定の評価を得、大きく報道されました。掲げた政策の中には、安倍政権の成長戦略において引き続き取り上げていただいている政策も少なくありません。
しかし、私たちの政治主導は未熟であったと思います。一定の成果を上げはしましたが、長く続きませんでした。最終的な審判は歴史家の手に委ねたいと思いますが、当事者として得た大きな教訓の一つは、ロジスティクスにおける戦略性の欠如であります。
それは、特に、縦割りになりがちな各省庁に対して、総合調整機能、いわゆる横串の役割を期待されているはずの内閣官房、内閣府において顕著であります。
私の尊敬する郷土の先輩、橋本龍太郎総理が強い政治的リーダーシップを発揮して実現された二〇〇一年の省庁再編の目玉の一つは、内閣府の設置による縦割りの打破、内閣全体の総合調整機能の強化だったはずですが、実態は、その理想からかけ離れております。
アベノミクスと国家戦略特区の目標達成のために、三点御提言いたします。
一つ目は、大臣、副大臣、政務官の複雑過ぎる所掌を整理し、サポートをする政務のスタッフをふやし、他省庁との兼務を解消することであります。
大臣、副大臣、政務官がそれぞれ一人当たりで担当する範囲が広過ぎます。また、科学技術、IT、知財、宇宙、海洋など共通項の多い関連部局が、それぞれ別の建物に置かれ、それぞれ内部に複数の会議体を持っている現状では、政務三役の会議出席がままならない一方で、同じ有識者から同じ内容のヒアリングを別組織が行っている光景も日常茶飯事であります。それぞれの本部や会議や委員会が、実質的に文科省、総務省、経産省、国交省などの事実上の出先機関になっているとの指摘もあります。
今回の国家戦略特区の事務方の実動部隊である内閣官房地域活性化統合事務局も、官邸や内閣府本府から遠い永田町合同庁舎に位置し、大臣以下の政務三役は、総務省の大臣、副大臣、政務官がそのまま丸々兼務をしています。これでは、わざわざ内閣官房に設置している意味が半減であります。
二つ目は、極度に分散している庁舎、建物を統合整理することであります。
今、内閣官房は八カ所、内閣府は、都内だけで十三カ所のビルに分散しています。大臣が何か確認をしようとしても、事務方は、同じ建物には、ほんのわずかしかいません。国会周辺は一方通行や右折禁止などが多く、車を飛ばして駆けつけるのに、十分以上かかるケースもしょっちゅうあります。申しわけなくて、余り気軽に呼ぶことができません。内閣に入られたことのある方には、御経験がおありだと思います。
皆さん、今、総理官邸の斜め下、内閣府下交差点の一角に新しいオフィスビルが完成しつつあるのをお気づきでしょうか。合同庁舎第八号館であります。内閣府の新しい建物です。隣接する内閣府本府庁舎とともに、総理官邸のすぐ目の前、お膝元に施設が整います。
その八号館がいよいよ来年四月から供用開始となりますが、内閣委員会の質疑によれば、大臣、副大臣は八号館の活用に余り関心をお持ちでなく、レイアウトの議論に必ずしも積極的には参画されていないようであります。ロジは大変重要であります。総合調整機能を強化する大きなチャンスです。ぜひ、政治的意思を持って、リーダーシップを発揮してください。
三つ目は、大臣、副大臣、政務官が一堂に会する政務三役会議を頻繁に開催することであります。
内閣府には、事務次官と官房長はそれぞれ一人しかいませんが、大臣は八名、副大臣は六名、大臣政務官は七名いらっしゃいます。ラインが、とても複雑になっております。
先ほどのレイアウトの問題もあり、大臣と副大臣が別の庁舎で執務されているケースも多くあります。その結果、日程調整がつきにくく、大臣レクの後に副大臣レクや政務官レクがセットされることもあるやに聞いております。指揮命令系統を中抜きされているんです。上司が決裁した後に部下が報告を聞くんです。それでは副大臣と政務官は、単なる名誉職になってしまいます。ぜひここは、よくお考えになるべきところだと思います。
ぜひ、政務三役会議を少なくとも週一回開催し、政治家が、しっかりと、目的意識と優先順位を共有して、部下たる官僚の皆さんに明確な指示出しを行ってください。国会でどんなに立派な演説をしても、単なるかけ声だけでは、実務の現場は動きません。ぜひ、政務三役が一体となって、政治的リーダーシップを発揮してください。
法案の個別規制項目についても、今後、参議院の審議でさらに深く論点が整理されることを望みます。とりわけ、雇用規制の緩和、有期雇用の特例については、根本的な問題が残っています。
以上、るる課題を挙げさせていただきましたが、安倍総理、そして新藤大臣、大切なことは、前に進むことであります。
昨日の委員会採決の終了後、内閣委員会の委員の皆さんから、自然と拍手が沸き起こりました。与党も野党もなく、大勢の委員の皆さんが法案の修正可決を喜び、大団円を迎えたわけであります。
あとは、実行であります。
安倍総理、頑張ってください。大臣、頑張ってください。自民党の皆さんも、公明党の皆さんも、頑張ってください。与党には、国を変える大きな力があるんです。
私たちも、責任政党として、国会を舞台に、しっかりと建設的な議論を尽くしてまいります。日本のため、世界のため、ともに頑張りましょう。
終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)