松田学の発言 (本会議)
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○松田学君 日本維新の会の松田学です。
私は、日本維新の会を代表して、国家戦略特区法案及び同修正案に対して、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
本法案について、当初、私たちは、このままでは賛成できないと考えておりました。アベノミクスの決定打として次は何が出てくるかと国民は期待していたにもかかわらず、この法案自体は、中身に乏しいものであり、これが第三の矢として期待された成長戦略の柱なのかと思わざるを得なかったからであります。
総理が今国会を成長戦略実行国会と位置づけた割には、本法案の内容は、単に、事業者などからの要望のうち、着手できる項目を並べ、しかも、手続の円滑化や検討としたものが多く、骨太の国家戦略が見えるものとは言えません。アベノミクスとはこんなものだったのか、結局は、既得権益や官僚の決めた枠組みから出られないのが安倍政権だったのか、そのような印象を禁じ得ませんでした。
もちろん、各分野で、いわゆる岩盤規制に穴をあける実験を行い、社会の課題解決モデルの構築で成功事例を生み出す、そういうプロジェクトを推進することが経済成長の起爆剤になるという本特区構想の考え方そのものは、我が党としても、その方向性を同じくするところであります。
しかし、規制改革によってこの趣旨を実現するためには、各分野の岩盤規制を大きく組みかえる、制度の再設計が必要です。それを実験する特区が国家戦略なのであれば、そうした再設計の姿を示す、思い切った内容を期待するのが当然であります。
今国会では、政府提出法案には、問題や不足は多いけれども、ないよりはましだろうという、法案としての完成度が必ずしも高くない法案が目立つように思われます。最低限のラインだけを描き、その趣旨には国会も野党も反対できないだろうとするやり方は、議会制民主主義の精神にもそぐわないのではないでしょうか。
ただ、内閣委員会での本法案の審議を通じて、次のことが確認されました。
第一に、本法案は、政府の今後の取り組みの枠組みをつくるものであって、改革措置の中身は、これから拡充していく性格のものであるということであります。
第二に、その際に、他の改革措置との合わせわざで、本法案には盛り込まれていない政策理念との結合が図られるという発展可能性を有しているということであります。
第三に、その点についての、担当大臣や総理の決意と覚悟が示されたということであります。
日本維新の会の発祥の地である大阪府と大阪市は、共同で、国家戦略特区の提案募集に応じ、岩盤規制に風穴をあけ、民によるイノベーションを創出するという観点から、提案を行っています。
それは、御堂筋エリアを対象に高度な人材や企業を集めるチャレンジ特区、外国人医療スタッフにも門戸を開放して混合診療の実施など最先端の医療サービスを提供する国際メディカル特区、先進医療の保険診療併用特区、人が集積し楽しい街を実現する大阪高度集密都市特区であります。
これを実現し、大阪都構想を確かなものとすることが、日本の将来につながるのであり、その意味で大阪は、まさに国家戦略特区のモデルになるものと考えております。
そして、本法案の足らざる部分として、大阪は、具体的に次の点を要望しております。
第一に、医療分野については、本特区内で実施される先進医療や予防医療に関する保険外併用診療の範囲を拡大することであります。また、国際的な医療拠点の形成を図るため、試験研究の体制の整備などの措置を講じることです。
第二に、雇用分野については、有期雇用の特例について、優秀な人材の活躍の機会が十分に確保されるよう、資格制限などをできるだけかけないようにするなど、特区制度が実効あるものとすることであります。
また、労働規制の緩和につきまして、成果主義を踏まえた、自由な働き方を保障するような制度を盛り込むことを検討することであります。
第三に、都市インフラの競争力強化について、空港や港湾、道路などの機能強化に必要な、規制の特例その他の措置を講じることであります。
第四に、税制であります。
大阪府、市では、既に国際戦略特区で地方税をゼロにし、地方として大胆に汗をかいております。頑張っている地域に対しては国も本気度を示すべきであり、地方税ゼロのエリアには国も法人税で特例措置を講じることなどを要望しております。
内閣委員会の質疑では、日本維新の会は、法案に不足している点をるる指摘し、よりインパクトのある大胆な規制改革の実行を政府に迫りましたが、特に、以上の大阪の要望については、その多くについて政府側より前向きの答弁が得られたと考えております。
特に私たちが重視したのは、税制であります。
税制については、年末の税制改正で検討されるものであり、今回の法案は、とりあえず規制改革措置に関してまとめたものということでありますが、そもそも特区といえば、税制の特例措置がポイントになるものであり、それが欠落した特区であっては、十分な実効性が確保されないものと考えます。
中でも、私たちが本法案に賛成する条件と考えたのが、地方公共団体が地方税を減免した場合の、法人税の特例措置であります。
例えば、地方が、地域活性化のためにみずから身を削って地方法人事業税を減免しても、国税の側では、その分、損金算入額が減り、法人税負担がふえてしまいます。国の制度が地方の努力を無にするように働くというのでは、地方の自立や地域活性化を促進しようとする政策に逆行します。常識から考えても、いかにもおかしいと思います。これは、明らかに、政治がイニシアチブをとって是正すべきものではないでしょうか。
残念ながら、この点についての私たちの提案は、法案の修正には至りませんでしたが、昨日の内閣委員会の締めくくり質疑におきまして、担当大臣である新藤大臣から、年末の税調プログラムで全力で取り組むとともに、必要な成果が得られるように取り組んでいくとするなど、要望を最大限に尊重する旨の御答弁があり、また、安倍総理からも、年末の税制大綱に向けて、地方の努力を踏まえて国の対応を考えていくという趣旨の御答弁をいただいたところであります。
肝心なことは、これを実際に実行することであり、一連の審議を通じて、我が党としては、それが担保されたものと判断したところであります。
このことを含め、国家戦略特区が我が党の要望を的確に反映した内容となる道が開かれているものとして、本案に賛成することとしたものであります。
本法案は、アベノミクスの中に位置づけられているものであり、アベノミクスは、いわゆる三本の矢が整合的に組み合わさってこそ真に持続的な効果を発揮するものであって、これまでの二本の矢では、明らかに不足であります。
一本目の金融政策は、日銀による国債購入で、それに相当する銀行からの日銀当座預金が積み上がっているだけでは、マネーはふえません。それが銀行の信用創造に回るためには、実体経済での実需の増大が必要であります。
二本目の財政政策は、いわばカンフル剤であり、持続可能な政策ではなく、公共事業から民間需要へとお金が回っていかなければなりませんが、本年七—九月期のGDPを見ますと、伸びているのは、公共投資と、消費増税前の駆け込み需要で伸びている住宅投資ぐらいでありまして、本年初めには好調だった個人消費は、失速している状況であります。
今のところ、三本目の矢がないまま、アベノミクスは、お金を積んだだけのものとなっているのではないでしょうか。
しかし、日本には、もともと十分なお金があります。それは、日本が世界断トツ一位の対外純資産国であり続けていることが示すとおりであります。
大事なことは、積まれたお金が、国内で有効な使い道や魅力的な投資先に回っていくことであり、そのためには、既存の戦後システムを大胆に組みかえるぐらいの大改革が必要でありますが、それは、強固な既得権益と正面からぶつかることを免れ得ないものであります。
政府におかれましては、本法案が成立した後は、日本経済の生産性を底上げしていくための戦略的な道筋を提示し、文字どおり骨太の国家戦略を示していただけることを期待しております。
そして、安倍総理が、今後の政策運営において、既得権益と闘う断固たる姿勢をお示しいただき、日本経済復活の道筋を力強く打ち出されることを、私どもは見守っております。
安倍政権にはできないのであれば、私たち日本維新の会がその役割を担うことを宣言して、党を代表しての討論といたします。
ありがとうございました。(拍手)