牧山ひろえの発言 (本会議)
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○牧山ひろえ君 私、牧山ひろえは、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました平成二十六年度予算三案に対し、反対の立場から討論を行います。
以下、本予算と、本予算を作成された安倍内閣の政治姿勢に反対する主な理由を申し述べます。
安倍内閣の根本的な政治姿勢を示すものとして、安倍流人事の問題があります。
皆さん御存じのNHKの籾井会長や経営委員の問題、小松内閣法制局長官の問題だけでなく、日銀人事、日本郵政人事など、政権からの中立性や独立性が求められるはずのポストにおいて、個人的関係や思想の共通性を重視した強引な政治任用人事を行っています。
この方々の不適切な言動などは、これまでであれば即刻辞任でしたし、首相の任命責任も厳しく問われました。ですが、現政権では、これだけ国政に混乱を巻き起こし、国民の信頼を損ねたにもかかわらず、一人として辞任などの形で責任を取った人がいないのです。
このように、日本にとって何が最善かということを真摯に検討することなく、自らの方針を絶対視する安倍内閣の誤った基本姿勢は、国会軽視の極みともいうべき今国会での審議にも表れています。
まず、政府は、重要政策について、極力国会での審議を避け、閣議決定などにより進めようとしています。
集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈の変更や、閣議の議事録作成、公開だけではなく、特定秘密保護法をめぐる第三者機関の設置、策定中のエネルギー基本計画、それに現在交渉中のTPPに関しても、本来は国会で十分審議を行い、その大多数については法律として決定すべき内容であるにもかかわらず、それを避けているのです。
さらに、政府は、懇談会や審議会を悪用して、国会で実のある議論が展開されることを妨害しています。
集団的自衛権の問題に関しては、安保法制懇の報告待ちということで議論が棚上げされ、教育再生実行会議の提言なども極めて重視されています。これらは首相の私的諮問機関であり、設置は法令に基づかず、人選や運用も国会とは無関係に決められます。そもそも、このような私的諮問機関が国権の最高機関である国会の審議に大きな影響を持っていること自体、適切ではありません。
そのメンバーも、安保法制懇については全員が集団的自衛権容認派で占められ、特定秘密保護法の情報保全諮問会議においても多数が賛成派だと言われています。
このように、まず議論や検討の前に結論があり、そしてその予定された結論に同調してくれるメンバーを選び、そして自らに都合のいい報告や提言を出させ、それを大義名分に御自分のお考えを押し通すというのが現政権の常套手段となっています。
意見の異なる人との議論を通じて国民にとって最適な結論を導き出すのが本来の民主主義の在り方のはずです。ですが、総理を始め安倍内閣の閣僚からは、真摯に私たちの意見に耳を傾け、建設的な議論を行おうとする謙虚な姿勢はかけらも見えません。
国会が国権の最高機関と憲法で規定されているのは、国会が主権者である国民の意思を最も直接に代表するものであるからです。国会の軽視は、国民全体への軽視そのものです。
政府は、今国会を好循環実現国会と名付けていますが、肝腎の審議がこの有様では、異論、反論を拒否する結論ありき国会と言うほかありません。
国民の軽視は、選挙時の公約の軽視にも表れています。聖域も守り切れていないTPPの交渉経過しかり、特定秘密保護法にしても、直近の選挙時では主要な争点とされていませんでした。
選挙に勝てば何でもできるかのように、選挙時に主要な争点にしなかった政策を次から次に持ち出す。やるべきことをやらず、やらなくてもいいことばかりやる。参議院選挙での与党の勝利は、悪夢のパンドラの箱を開けたかのようなもので、そこから生じた様々な災いに、そんなつもりで与党を支持したのではなかったと、多くの国民は驚き、悔やんでいます。
今回の予算においても、家計より企業を、中小企業よりも大企業を優遇し、大企業を中心とした減税や公共事業のばらまきに大盤振る舞いをする一方で、社会保障の充実など、国民生活への配慮は不十分です。本来、消費税の増収分は社会保障以外には使わないとの約束だったはず。それが、消費増税に伴う国の増収分約四・三兆円のうち、社会保障の充実分に充てるのは二千二百億円にすぎず、国民の期待に反する結果となっています。
また、安倍内閣は、復興特別法人税の前倒しでの廃止を決定しました。復興特別所得税は被災者でさえ引き続き負担しているにもかかわらず、黒字の法人だけが負担を軽減されるのは、震災復興を国全体で支えるというきずなと連帯の精神を損なうものであり、個人いじめの最たるものです。
また、消費増税対策にしても、消費増税の影響が深刻な世帯に対する一回限りの給付金という、ほとんど効果が期待できない対応しか取っておりません。さらに、医療や介護など社会保障の負担増、非正規の増加を容認するような労働法制の改悪など、まさに国民いじめの内容となっています。
また、教育の面でも、教育の機会均等を後退させ、格差を拡大させる予算となっています。デフレが続く中、日本においても所得格差が広がり、それがますます子供の教育格差につながってきています。親の経済力によって教育の機会が奪われることは、一番あってはならない格差の一つです。
ですが、本予算においては、高校無償化に所得制限を加えただけでなく、育英事業費を百三十億円も減額しております。また、いじめ、不登校や先生方の負担増の問題が深刻化する中、一人一人の子供に、より目が行き届きやすくするという観点から、民主党政権では少人数学級を進めてきたわけですが、安倍政権になってからその流れはばっさり断ち切られてしまいました。
日本の未来を担う若者の教育を軽視する政府の姿勢には、深い失望を感じるとともに、私も一人の母親として声を大にして異議を申し立てたいと思います。
また、私は、二〇一二年度の補正予算審議で反対討論に立った際にも、母親としての立場から、将来世代への負担先送りは断じて許せないと訴えました。ですが、今回の予算は、人からコンクリートへの逆回転、完全にかつての自民党政権に先祖返りしています。国土強靱化の名の下に、公共事業が偏重されたばらまき予算なのです。
もちろん、防災・減災の重要性は十分認識しております。ですが、防災・減災がイコール公共事業というのでは、時間も費用も無限に必要となってしまいます。財政が困難な今、まずは知恵を使い、ソフト面での対策も重視し、かつ全体最適を考慮した最優先順位付けにより対策は行われるべきなのです。今必要なのは、いかに限られた予算の中で賢く命を守っていくかという視点ではないでしょうか。
まとめますと、今回の予算案とその審議姿勢は、国会での熟議を避け、国民生活に重大なダメージを与える国会パッシング、国民バッシングとしか言いようがありません。
以上の理由により、平成二十六年度予算に反対を申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手)