田村智子の発言 (本会議)
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○田村智子君 私は、日本共産党を代表し、二〇一四年度政府予算三案に反対の討論を行います。
第一に、四月一日からの消費税増税を断じて認めるわけにはいきません。
消費税率八%への引上げを発表した際、安倍総理は、アベノミクスの効果が現れている、経済対策を進めれば景気は低迷しないと、とうとうと述べられました。実態はどうか。労働者の現金給与総額の平均は、昨年、過去最低を更新、実質経済成長率も昨年夏以降一%を割り込み、増税前の駆け込み需要さえも低調であることが明らかとなりました。収入は増えず、物価は上がり、消費は伸びない、被災地の復興再生はまだこれから、このようなときに庶民を直撃する増税はやるべきではありません。今からでも緊急に消費税増税中止を宣言すべきです。
一方で、大企業向けには、復興法人税の前倒し廃止など、新たな減税のメニューが並んでいます。富裕層に対しては、証券優遇税制の税率を二〇%に戻したとはいえ、超高額所得者ほど税負担の割合が低くなるという所得税の問題は全く解決されていません。
その結果、来年度の国の税収は、初めて消費税が、法人税はもちろん所得税の税収をも上回ることになります。所得の低い人ほど負担が重い消費税が我が国の最大の基幹税となってしまうのです。税金とは、所得や利益に応じて納めるものです。ゆがんだ税制の在り方を抜本的に改めることこそ求められています。
第二に、雇用の多様化の名の下に、不安定雇用を一層広げようとしていることです。
これまでの我が党の論戦でも、賃上げが景気回復の鍵だと政府は認めています。この十年来、平均賃金が下がった大きな要因は、非正規雇用の労働者が増えたためです。今、一部の大企業のベースアップが言われていますが、非正規雇用を増やして賃金全体が上がるはずはありません。
ところが、安倍内閣の政策は真逆です。
予算案では、労働移動支援助成金を前年度比百五十八倍に増額しました。この助成金は、中小企業が人材ビジネス会社に委託して労働者の再就職を進めた場合に支払われるものでしたが、これを大企業も対象とし、さらには、再就職が決まらなくとも助成金を払う制度へと大転換させました。
電機リストラなどを進める大企業では、労働者から仕事を取り上げ、次の就職先を探すのがあなたの業務だと、追い出し部屋で人材ビジネス会社との面談を強要することを常套手段としてきました。追い出し部屋に助成金を出すなど、あってはなりません。
さらには、派遣労働者の派遣期間の制限も取り払う、常用代替も可能とするなど、派遣労働法の改悪案も提出されました。このような規制緩和が行われれば、コストパフォーマンスを追求する企業が、正社員をリストラし、派遣労働者への置き換えを一層進めることになります。
これまで自民党政治の下で、大企業の競争力を口実に、人件費抑制を後押しするリストラ支援策が繰り返し行われてきました。この政策が日本社会に何をもたらしたのかを直視すべきです。大企業は不況の下でも利益を上げ、内部留保は年々膨れ上がり、二百七十兆円にも達している。しかし、物づくり産業は衰退、技術の継承さえ危ぶまれる、若者の半数は非正規雇用、貯蓄ゼロ世帯は過去最多、経済的な苦しさが少子化に拍車を掛ける、まさに亡国の道ではありませんか。
目先の利益を追求し、労働者の犠牲を当然としてきた財界、大企業に、国家百年の計の立場で物を言う、それこそが政府の役割です。派遣法改悪案の撤回、正規雇用を原則とする労働法制の再構築を強く求めるものです。
また、原発事故が今も多くの国民を苦しめているのに、経済界の要求のまま原発の再稼働と輸出に突き進むことも断じて許すわけにはいきません。
第三に、消費税増税と社会保障費の抑制を一体に進める自民、公明、民主の三党合意によって、社会保障制度のかつてない改悪が始まることです。
年金受給額の減額、七十から七十四歳の高齢者医療費窓口負担の段階的引上げは、耐え難い痛みを高齢者にもたらします。介護保険では、要支援の方からデイサービスやホームヘルプサービスを取り上げる、特養ホームへの入所申込みを要介護三以上に限定するなど、制度始まって以来の大改悪が狙われています。介護の負担を社会全体で担うとした制度の趣旨はどこに行ったのでしょう。
高齢者だけではありません。昨年八月に始まった生活保護費の削減は、とりわけ母子世帯を追い詰めています。子供の多い世帯ほど引下げ幅が大きく、これでは生きていかれないという声は全国に広がっています。
政府・与党は、社会保障制度改革は制度を持続させるためと開き直っています。しかし、医療も介護も、今やお金がなければ受けられないものになり始めています。制度は持続しても、それが使えなければ、一体何のための社会保障制度なのか。国家による自立自助の押し付けはやめるべきです。
消費税増税と一体の社会保障改悪では、国民生活は底なし沼のように負担増に引き込まれてしまいます。我が党は、対案として、応能負担の原則を徹底した税制、不要不急の大型開発など歳出の抜本的な見直しで社会保障を支えることを提案してきました。立場の違いを超え、建設的な議論を全ての政党に、また国民の皆さんに呼びかけるものです。
第四に、海外での武力行使に道を開く予算案には断固反対です。
新防衛大綱の下、来年度から始まる中期防衛力整備計画は、軍事費を五年間で二十四兆円規模としており、財政難が深刻な中で異常な聖域扱いと言わなければなりません。その内容も、専守防衛の建前さえ投げ捨て、海外での作戦を迅速かつ継続的に行うため、水陸機動団の新設などが打ち出されたことは重大です。
予算案では、海からの上陸作戦に必要な水陸両用車の配備、この車両を搭載するための大型輸送艦の改修、最新鋭ステルス戦闘機F35の配備、オスプレイや無人偵察機の導入まで検討されています。また、沖縄辺野古への新基地建設では、名護市長選挙を始め、何度も示される沖縄県民の意思を踏みにじり、あめとむちで米軍基地建設に突き進もうとしています。
安倍総理は、集団的自衛権の行使を可能とする憲法解釈を無理やりに進めようとしており、これらの施策は海外で戦争する国づくりを進めるものと言わなければなりません。
さらに、武器輸出国家への変貌も狙われています。安倍総理の十五回に及ぶ外遊には、軍需企業延べ三十二社が同行し、原発のみならず、武器輸出まで視野に入れた外交が官民一体となって繰り広げられてきました。今や安倍内閣は、武器輸出三原則の全面的な撤廃にまで言及しています。
日本政府は、国際紛争等を助長することを回避するためとして、一九七六年に武器輸出の全面的禁止を決定し、衆参両院は、一九八一年に、日本国憲法の平和理念である平和国家としての立場を踏まえ、武器輸出三原則を厳守するため実効ある措置を講ずるよう求める国会決議を上げています。一内閣の判断でこれらを覆すことは断じて認められません。
安倍内閣のこうした軍事力一辺倒の政策は、北東アジアの緊張を強めるばかりです。憲法九条を持つ国として、紛争を戦争にしない外交にあらゆる努力を注ぐべきです。
日本共産党は、日本と世界の平和と民主主義の前進のために全力を尽くす、この決意を述べ、反対討論を終わります。(拍手)