難波奨二の発言 (本会議)

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○難波奨二君 民主党・新緑風会の難波奨二でございます。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました平成二十四年度決算について、安倍総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 安倍政権は、民主党政権が苦心惨たんして維持してきた財政規律を緩め、国土強靱化の名の下に公共事業依存の巨額な予算編成を行っております。好調に見えるアベノミクスですが、二十五年度の貿易収支は三年連続の赤字であり、赤字幅は過去最大となる見通しです。また、残念ながら、円安でも輸出は伸びず、反面、海外設備投資は伸び続けております。安倍総理の日頃の勇ましい言動とは裏腹に、アベノミクスにも陰りが見えてきたことを指摘して、以下質問いたします。
 安倍政権は、アベノミクスに代表されるように、経済対策に軸足を置いているにもかかわらず、我が国の財政状況は悪化の一途をたどっております。
 平成二十四年度一般会計決算は、二十三年度比で新規国債発行額がおよそ四兆円減となりましたが、二十四年度の新規国債発行額は依然として五十兆円を超える水準にあり、一般会計のプライマリーバランスは二十八兆円の赤字となっております。
 昨年八月に閣議了解された中期財政計画によると、三十二年度までに国と地方のプライマリーバランスの対GDP比を黒字化することが目標に掲げられております。しかし、本年一月に内閣府が公表した試算によると、三十二年度のプライマリーバランスの対GDP比の黒字化は見込めず、更なる収支改善努力が必要であるとされております。
 一方、国の債務残高は、二十三年度末から二年連続で一千兆円を超えており、OECDによりますと、我が国の一般政府債務残高の対GDP比は、公表国の中で唯一、二〇〇%を超え、財政破綻を経験したアイスランドや財政破綻の一歩手前の状況に陥ったギリシャ以上の極めて高い水準となっております。
 我が国の財政が主要国中最悪の状況となっていること、多額の国債発行が将来世代に財政的な負担を強いていることについて、安倍総理のお考えをお伺いします。
 また、財政健全化に向けた歳出削減と経済成長維持のための追加的な取組について、甘利経済財政政策担当大臣にお尋ねいたします。
 さらに、債務残高の具体的な抑制方策、利払い費の増加への対応について、麻生財務大臣にお伺いします。
 次に、地方公共団体の監査委員制度について質問いたします。
 平成二十四年度の地方公共団体普通会計決算によれば、負担すべき借入金残高の合計額が二百一兆六百九十一億円となっているほか、二十五年十二月までにいわゆる三セク債を八千四百五十億円許可するなど、地方財政の厳しさは深刻度を増しています。
 こうした地方公共団体の実情をチェックするための制度として、監査委員制度があります。しかし、地方公共団体に対する独立性が高く、かつ専門知識を有する公認会計士や税理士等の監査委員が少ないことや統一監査基準がないこと、事務局の専門性、独立性の担保が不十分なことなどの課題が指摘されています。
 そこで、国と同様に厳しさを増している地方財政の現状と健全化に向けた支援策について、安倍総理に御所見をお伺いします。
 また、地方財政をチェックする立場にある監査委員の在り方や権限の強化、監査委員事務局の専門性、独立性の向上策について、新藤総務大臣に御所見をお伺いします。
 次に、決算書の在り方に関してお尋ねします。
 予算書が国会に提出される際には、予算決算及び会計令に基づき、各目明細書が併せて提出されており、予算の積算根拠を確認することができます。一方、決算書については、法令上の規定がなく、各目明細書は提出されておりません。本件に関しては、民主党政権も安倍政権も共に検討中である旨の答弁を行っているところでございます。
 充実した決算の審査を行うため、決算書の各目明細書を国会に提出することについて、安倍総理の御見解をお聞かせください。
 また、決算の各目明細書の国会への提出に関しての現在の検討状況とその提出の可能性について、麻生財務大臣に御答弁を求めます。
 続いて、財政の肥大化に伴う国債依存体質の常態化について質問いたします。
 アベノミクスの大きな柱として、国土強靱化が掲げられております。予算規模は、平成二十五年度当初予算二兆九千二百八十二億円、二十五年度補正予算七千七百十三億円、二十六年度当初予算三兆三千二百八十二億円と多額に上っております。
 一方、民主党政権時代に改善されつつあった国債依存度は、安倍政権で補正予算が編成された二十四年度の決算では四八・九%に悪化し、二十五年度決算の見通しでも四三・七%と、我が党が政権を担当していた二十三年度決算の国債依存度より悪化しています。その背景には、大規模な財政支出による国土強靱化政策があると考えられます。
   〔議長退席、副議長着席〕
 高規格道路の整備やスーパー堤防整備事業等に代表される、全国的な国土強靱化に名を借りた公共事業が国債依存体質をより強めているのではありませんか。安倍総理の御見解をお聞かせください。あわせて、国債依存体質からの脱却についても総理の御所見をお伺いします。
 また、国土強靱化に関する各事業の必要性の判断基準、事業箇所の優先順位の決定方法について、太田国土交通大臣にお伺いします。
 次に、社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成に関してお尋ねいたします。
 民主党政権は、平成二十四年度予算を社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成に向けた第一歩となる予算と位置付けて編成いたしました。また、二十四年六月には、社会保障の拡充と安定化、財政健全化目標の達成、この二つの問題を解決し、現行の社会保障制度の維持を図ることを目標として、我が党、自民党及び公明党の三党は社会保障・税の一体改革に関する確認書を交わしたところでございます。
 平成二十四年度決算を見ると、一般会計における社会保障関係費の一般会計歳出額に占める割合は初めて三割に達し、二十五年度及び二十六年度当初予算でも三割を超えております。今後も給付の増大が見込まれ、給付の重点化、効率化や安定財源の確保による持続可能な制度の構築が求められています。政府は、国と地方を合わせた消費税率を今後一〇%まで引き上げて安定財源を確保することにしていますが、それでは賄い切れないのが実情でございます。
 そこで、三党協議の目標は現時点でどの程度達成されているのか、今後の政権運営に当たり、三党協議の考え方を踏襲していくのか、社会保障制度の具体的改革をどのように進めようとしているのか、安倍総理の認識をお聞かせください。
 また、増大する社会保障に対応した安定財源の確保状況と見通しについて、麻生財務大臣にお尋ねします。
 次に、補正予算の常態化と総合予算主義についてお尋ねします。
 補正予算を編成することができるのは、財政法第二十九条に規定してある場合のみでございます。しかるに、二十五年度補正予算の内容を確認すると、行政事業レビューにより四千八百億円削減された事業のうち三千六百四十六億円分が復活したほか、基金事業が多く盛り込まれました。これらを見る限り、二十五年度補正予算は財政法第二十九条の趣旨を逸脱していると言わざるを得ません。
 そこで、予算編成の基本原則である総合予算主義について、安倍総理のお考えをお聞かせください。
 また、補正予算の提出が常態化すると、結果として当初予算から数値が大きく異なる決算額となり、国民の事業実施等に関する理解が難しくなると考えますが、麻生財務大臣の見解をお聞かせください。
 申し上げるまでもなく、本院は決算重視の院であります。決算の審査は、国会の財政監督権の根幹であり、政府が編成した予算が適正に執行されているかを監視し、財政民主主義を推し進めるものであります。
 政府におかれましても、決算書の早期提出に努められ、本院における決算審査を速やかなものとすること、また、その指摘を来年度の予算編成に反映させることへの安倍総理の御所見を求め、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 118615254X01120140328_007

発言者: 難波奨二

speaker_id: 22260

日付: 2014-03-28

院: 参議院

会議名: 本会議