石川博崇の発言 (本会議)
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○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。
私は、ただいま議題となりました国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画に関して、公明党を代表して、安倍総理大臣及び小野寺防衛大臣に質問させていただきます。
ウクライナ情勢をめぐる激動の国際社会、北朝鮮情勢を始めとする我が国を取り巻く厳しい国際環境の中、我が国は、自公連立政権が積極的平和主義を掲げて、各国との友好と我が国の国益増進のために日々奮闘していることを国民の一人として評価申し上げたいと思います。
豊かで平和な日本社会を今後とも維持発展させ、同時に、地域及び世界の平和と安定にこれまで以上に貢献するために、我が国として初めて国家安全保障戦略を取りまとめることができたことは大変に意義あることです。特に、我が国を取り巻く諸課題に対する戦略的アプローチの第一に、国家安全保障の要諦として外交力の強化を掲げていることに、我が意を得たりとの思いであります。
その意味で、まず、今月下旬に予定されている米国オバマ大統領の訪日について伺います。
十八年ぶりとなる国賓待遇での米国大統領の訪日は、我が国の国家安全保障の基軸である日米同盟を一層深化させるとともに、自由と民主主義、基本的人権の尊重、法の支配といった普遍的価値や戦略的利益を共有する両国が、北朝鮮問題など安全保障上の課題、サイバー、気候変動、経済連携などに一層緊密に連携して取り組む姿勢を国際社会に示す好機としていかなければなりません。この来るオバマ米国大統領の訪日についての総理の御所見をまずお伺いいたします。
最近の北朝鮮によるミサイル発射、韓国との南北軍事境界線上での射撃の応酬などを踏まえれば、我が国は、中国、韓国とも一層緊密に連携して取り組む必要があり、現在必ずしも順調ではない両国との関係改善は、我が国の国家安全保障にとって最優先課題の一つと言えます。
この点、去る三月二十五日、オランダのハーグにおける核セキュリティ・サミットにて日米韓の首脳会議が開催され、私ども公明党が従来から主張してきた安倍総理と朴槿恵韓国大統領との直接的な対話が初めて実現したことを高く評価いたします。今月末の米国大統領のアジア訪問は、日韓両国共に歴訪することとなることから、日米韓の連携を一層強化する好機であり、最大限生かすべきと考えます。
今後、日韓関係を進めていく政府の方針と、また懸案である日韓両国の首脳会談を早期に実現すべきと考えますが、併せて総理の御所見を伺います。
核兵器のない世界を提唱してノーベル平和賞を受賞したオバマ米国大統領の訪日に際しては、日米両国で核軍縮・不拡散に一層積極的に取り組むことを主要な訪日成果の一つとして位置付け、また核兵器の非人道性に関する米国の理解も深めるべきと考えます。明年は、広島、長崎に原爆が投下されてから七十年の節目を迎えます。我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器の非人道性について世界のどの国よりも強く訴えていく責任があります。
従来より、私ども公明党は、原爆投下七十年の明年に核保有国を含む核廃絶サミットを広島、長崎で実施することを提案しておりますが、来週広島で開催される第八回軍縮・不拡散イニシアチブ、NPDI外相会合やオバマ米国大統領の訪日などを通じ、国家安全保障戦略に掲げる核兵器のない世界の実現と核兵器の非人道性に関する国際社会の理解促進を積極的に進めるべきではないでしょうか。総理の御決意を伺います。
次に、政府開発援助、ODAについて伺います。
我が国は、これまで、ODAを活用して、世界各地の貧困削減、保健、教育、水など、人間の安全保障分野に積極的に取り組み、国際社会から高い評価を得るとともに、日本に対する信頼と確固たる地位を築き上げてまいりました。本年は我が国がODA事業を開始してから六十年の佳節を迎えます。
先週、ODA大綱の見直しが発表されましたが、ここで申し上げておきたいことは、見直し後のODA大綱におきましても人間の安全保障を我が国のODA政策の柱として掲げるとともに、軍事的用途と国際紛争助長への使用を回避するとしてきたこれまでの原則は、今後とも引き続き堅持すべきと考えます。総理の見解を求めます。
今回策定された新防衛大綱では、これまでの「節度ある防衛力を整備する」という表現がなくなったことで、際限なく我が国の防衛力が増強され、地域がより不安定になるのではないかと懸念する声があります。しかしながら、今回の新防衛大綱においても、格段に厳しさを増す財政状況を勘案し、防衛力整備の一層の効率化、合理化を図るとされており、これまで節度ある防衛力と表現されてきた精神は堅持されていると考えます。
また、これまでの防衛大綱は、特定の国を仮想敵国や脅威とみなして、軍事的に対抗するいわゆる脅威対抗に基づく所要防衛力整備の考え方には立ってきませんでしたが、今回規定された統合機動防衛力の概念でもこの点は堅持されているのかにつき、併せて防衛大臣の御所見を伺います。
最後に、防衛装備品の移転に関する新原則について伺います。
これまでの武器輸出三原則等は、東西冷戦構造時の共産国圏が禁輸対象とされるなど、今日の国際環境にはそぐわないこと、また、これまで場当たり的に計二十一回にもわたる官房長官談話による例外化がなされてきておりますが、無原則に例外を増やすというこれまでのやり方を改め、移転を禁止する場合を明確化するとともに、厳格な審査を行う新たな体制を定める必要がありました。
これまで政府と自民、公明両党の間で精力的に議論を積み重ね、去る一日、新たな防衛装備品の移転原則が閣議決定される運びとなりました。折しも、この閣議決定が我が国憲政史上初めてとなる議事録作成対象となったことも、国民への情報開示を徹底する姿勢を示したものとして歓迎したいと思います。
この新たな移転原則においては、公明党の主張も踏まえ、これまでの武器輸出三原則等が果たしてきた役割に十分配慮するとともに、これまで以上に厳格な審査体制と情報公開の体制を新たに構築することができたと考えます。
今後、この新たな原則に基づく厳格かつ慎重な移転の運用を求めたいと思います。この点につき総理の御所見を伺い、以上で私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕