森本真治の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○森本真治君 民主党・新緑風会の森本真治です。
 ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律案につきまして、会派を代表して質問いたします。
 田村大臣、冒頭まずお聞きしなければならないことがあります。
 先ほど大臣から陳謝がありました地域医療・介護確保法案の趣旨説明、議員に配付された文書に、昨年の社会保障プログラム法案の内容を一部加えて提出されました。単純ミスとも聞いていますが、昨年、我々はプログラム法案の審議ができませんでしたから、実はもう一度審議し直してほしいという意味だったのではないでしょうか。どちらにしても、この度の事態が国会の審議日程に大きな影響を与えたことは間違いありません。
 会期末も迫っており、厚生労働委員会だけで十一本もの法案を審議しなければならず、国会を空転させるわけにはいきませんので、異例の措置ではありますが、国民年金法改正案を先に審議することとなりました。与党の皆さんもさぞかし苦渋の御決断だと思いますが、このような事態を招いたこと、単に職員の気の緩みで見過ごされる話ではありません。
 そもそも、地域医療・介護確保法案は関連する法案が十九本もあり、それを一つの法案にして通すことに無理があります。職員のオーバーワークが原因ではないのですか。全く中身が固まっていない中で提案された、要支援者に対するサービスの自治体への移管など、ガイドラインの作成、国会への説明、自治体への説明など、同時並行で幾つもの作業を行わなければならない状況に職員が悲鳴を上げているのが目に浮かびます。
 法案提出の在り方がそもそも今回の原因をつくったと考えますが、田村大臣の認識と反省の言葉を求めます。
 さらに、今国会では、労働者派遣法改正案での条文の間違い、短期集中特別訓練事業における不正入札問題と、国民の信頼を失墜する問題が続発しています。
 田村大臣、御自身の監督責任をどのようにお考えか、自らへの処分をどのように下されるのか、併せてお答えください。
 それでは、本題に入らせていただきます。
 現在、我が国の年金制度につきましては、急速な少子化や高齢化を受けて年金財政は持続可能であるのか。ライフスタイルや働き方の変化、非正規労働者の増加などへの対応が十分なのか。さらに、先進国中、中の下に位置する我が国の標準的な給付水準が今後更に低下することが予想されるなど、適切な給付水準の確保がなされるのか。そして、これまでの消えた年金問題などによって年金制度に対する国民の不安が頂点に達している中で信頼を回復させることができるのか等、多くの課題が山積しています。
 我が党はこれまで、年金制度改革として、年金の一元化と最低保障年金を柱に議論を重ねてまいりましたが、現行制度から理想とする制度へどのように移行するのか、その具体的道筋を示していく必要があると、党の社会保障総合調査会の下に年金制度ワーキングチームを設置し、私もそのメンバーとして再度検討を開始したところであります。
 そんな中、この度の本法律案の提案がなされているわけでございますが、どちらかというと、喫緊の課題に対応していくということが主たる目的ではなかろうかと思います。しかしながら、年金制度の信頼構築に向けて地道に取り組まなければならない点も多く含まれていると思いますので、以下質問を行います。
 まずは、財政検証についてお伺いします。
 本年は、五年に一度の年金財政の現況及び見通しについて、いわゆる財政検証を公表する年に当たっています。現在の検討状況と財政検証の結果の公表はいつになるのか、さらには、この結果に基づいた年金制度改革の議論をどのように進めていくのか、まず田村大臣にお伺いします。
 次に、年金積立金の運用についてお伺いします。
 現在、年金積立金管理運用独立行政法人、GPIFでございますけれども、その運用については気になる動きが出ています。財政検証の結果が出る前から運用対象の多様化が着々と進められ、公的年金の投資先としてふさわしいのかどうか、リスクが増大していくのではと疑問を抱かざるを得ないものが含まれているのではないでしょうか。
 特に、安倍総理自ら、ダボス会議やロンドン・シティーにおける晩さん会において、GPIFについては成長への投資に貢献することとなるでしょうと発言されていることなど、本来の目的を逸脱しているのではないかと危惧します。
 財政検証の結果を待たずに運用対象の見直しを先行して進める理由は何なのか、また、厚生年金保険法の、専ら厚生年金保険の被保険者の利益のために、長期的な観点から安全かつ効率的に行うとの整合性は取れているのか、併せて田村大臣の見解を求めます。
 次に、国民年金保険料の納付率の現状についてお伺いします。
 第一号被保険者の保険料納付率を見てみると、かつて八〇%台を維持していたものが、この二十年近く低下傾向にあり、現在では六〇%前後の水準が続いています。このように、保険料の納付が法的には義務とされながらも納付率が伸び悩んでいるという現状について、田村大臣の認識をまずはお伺いします。
 次に、納付率の向上策について、納付猶予制度の対象拡大と保険料の全額免除制度の見直しについてお伺いします。
 納付猶予制度は、平成十六年改正において導入され、対象は三十歳未満の者ですが、本法律案では、対象者を五十歳未満まで拡大することとされております。その背景には、若年者のみならず中高年の非正規労働者が増加していることが挙げられます。こうした中高年の低所得者が増加している現状についての田村大臣の認識、あわせて、納付率の低下が非正規労働者の増加が一因であるならば、現在安倍政権が進める労働者保護ルールの改悪により、非正規労働者を増やす政策を進めることは年金制度にとってもマイナスの影響を与えることになりますが、田村大臣の御所見をお伺いします。
 また、保険料の全額免除制度の見直しについては、この度、その手続上の負担を軽減し、全額免除等の申請の機会を拡充することを目指すとされています。
 納付猶予の拡大や免除対象者を増やすことによって、見かけの納付率は向上し、年金財政維持には貢献するかもしれませんが、健全な年金制度の構築、適切な無年金・低年金対策とはならないと考えますが、田村大臣の御所見をお伺いします。
 これからマクロ経済スライドの発動も見込まれ、結果的には年金額が低下する中で、どうしたら低年金者は一定の年金額を確保できるのかという課題に直面し続けます。この点では、本法律案で、事務処理誤り等に関する特例保険料の納付を可能とする制度や、付加年金制度についても特例を設けることとしておりますが、抜本的な低年金対策となるかは疑問です。
 どちらにしても、無年金・低年金者対策は、小手先の対応ではなく、抜本的な制度改正の中で考えていく必要がありますが、政府の認識と今後の支援の在り方についてどのようにお考えか、田村大臣にお伺いします。
 無年金・低年金対策に関連して、短時間労働者の厚生年金適用拡大についてお伺いします。
 平成二十四年の社会保障と税の一体改革における年金機能強化法の成立以来、短時間労働者への被用者年金の適用拡大の方向性が打ち出されております。政府の現在の検討状況はどうなっているのでしょうか、田村大臣にお伺いします。
 続いて、年金制度の信頼確保と悪質な未納者に対する徴収強化についてお伺いします。
 厚生労働省は、一定の所得を有する年金保険料滞納者への強制徴収の取組を強化する方向性が示されておりますが、このほかに、従来、国税庁に強制徴収を委任するスキームなども実施されております。こうした政府における取組について、これまでの実績と今後の取組強化策について田村大臣にお伺いします。
 また、徴収を強化しようとすると、どうしても一定のコストが必要であると考えます。昨年の年金保険料の徴収体制強化等のための検討チームにおける議論では、強制徴収するのに保険料百円当たり約九十円掛かるとされました。そういう意味では、強制徴収に至らないうちに年金保険料を納付してもらえるような取組の重要性は高いと言えるわけですが、一方で、こうした徴収のコスト削減に向けた努力も求められると考えます。この点について、政府としていかなる取組がなされているのか、田村大臣にお伺いします。
 次に、年金記録の訂正手続の創設についてお伺いします。
 本法律案では、新たに被保険者による訂正請求を可能とし、民間有識者から成る新たな合議体により訂正の審査がなされることとされます。一方で、これまでそうした審査を行ってきた総務省の年金記録確認第三者委員会は廃止されることになりますが、両組織における訂正の手続や審査基準について整合性はしっかり確保されているのでしょうか。
 国民の側からすると、言わば年金記録の訂正という同じ一つの行為について、それを実施する主体が引き継がれるような格好に見えますが、請求者に不利益があるようでは年金制度の信頼性が損なわれます。例えば、審査の処理に掛かる所要期間などはもちろんのこと、第三者委員会においては訂正が認められたものが認められなくなったりと、不公平がないような制度設計が求められますが、田村大臣の御所見をお伺いします。
 次に、年金記録問題との関係をお伺いします。
 総務省の第三者委員会は、そもそも、消えた年金問題を受けて、当事者である厚生労働省以外に設置されたものでありまして、本法律案により、国民に年金記録問題への取組の幕引きと受け取られかねない懸念を感じるところがあります。また、同じく総務省の年金業務監視委員会も三月末になくなり、年金制度の具体的な運用状況については、従来の行政評価制度で見ることとされました。
 これらにより、言わば年金記録問題以前の状態に戻った格好となりますが、今後十分なチェック機能を果たしていけるのでしょうか。国民からの理解、納得を得ることが重要だと考えます。この点について田村大臣の御所見を伺います。
 こうした質問をしてしまうのも、民主党政権以前の第一次安倍政権においては、安倍総理は、最後の一人まで解決する固い決意を持って臨むと述べられておりましたが、昨年、我が党の長妻議員が衆議院本会議において、現在も同様に最後の一人までという決意かとただしましたところ、安倍総理は、「さらに、一人でも多くの方の記録の回復につなげていきたい」との御答弁をされておりまして、意気込みがトーンダウンしたのかなとも感じているからであります。
 厚生労働省の年金関連の予算を見ても、正確な年金記録の管理と年金記録問題への取組については、昨年度五百九十二億円だったものが今年度百四十六億円となっています。今後の年金記録問題への取組が十分になされていくのかどうか、安倍総理が決意した、最後の一人まで解決するという約束は守られるのか、田村大臣にお伺いします。
 以上、数点にわたり質問しましたが、大臣の明瞭な御答弁をお願いし、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇〕

発言情報

speech_id: 118615254X02520140528_020

発言者: 森本真治

speaker_id: 18201

日付: 2014-05-28

院: 参議院

会議名: 本会議