薬師寺みちよの発言 (本会議)

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○薬師寺みちよ君 みんなの党の薬師寺みちよでございます。
 私は、みんなの党を代表いたしまして、ただいま議題となりました政府管掌年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案について質問させていただきます。
 まず冒頭、厚生労働大臣に申し上げます。
 五月二十一日の本会議が、厚生労働省の資料配付ミスによって流会となりました。議院運営委員会で開会を決定した本会議を一省庁のミスによって流会したこと自体、前代未聞であります。加えて、既に国会に提出していた労働者派遣法一部改正案においては、記載の内容に誤りがあるなど、官僚の体質そのものが問われているのではないでしょうか。
 本国会では、医療事故に係る調査の仕組みについて審議いたしますが、まさに厚生労働省は、原因を究明し、国民への説明責任を果たすとともに、再発防止に取り組むべきであると強く抗議いたします。厚生労働大臣の再発防止に向けての決意をお聞かせください。
 本法案の内容について質疑を行う前に確認をさせていただきます。
 二〇〇六年、全国各地の社会保険事務所において、本人からの申請がないにもかかわらず、約二十二万件の国民年金保険料の免除が行われ、関与した職員千七百五十二名が処分された国民年金の不正免除問題は、皆様も記憶に残っていることと思います。
 本法案は、年金保険料の納付率向上に向けた施策が大きな柱となっておりますが、納付率向上を目標に掲げただけでは、安易な方策へ帰着するおそれもございます。二〇〇六年の国民年金の不正免除問題での教訓が本法案にどのように生かされているのか、お聞かせください。
 近年、無年金者、低年金者の問題が深刻化いたしております。現時点で無年金者の正確な数値は把握されておりませんが、厚生労働省によれば、平成十九年度で、将来無年金に陥る人は百十八万人に上ると推計されております。また、低年金のため年金と生活保護を併給している高齢者も増加しており、十三年前と比較してその数は倍増いたしております。
 生活保護予算は二十六年度事業費ベースで三・八兆円、この二十年で約三倍に膨れ上がる急速な増加傾向を示しております。その中でも、高齢者世帯が占める割合は四五%と高く、今後もその割合が増加することが懸念されております。現行の年金制度のままでは、無年金、低年金の高齢者が生活保護に流れ、国民皆年金の大前提が崩れ始める危険性もございます。公的年金の役割を生活保護が事実上肩代わりしている実態や、将来の年金給付額の水準が生活保護よりも低い場合には納付意欲に影響を与えかねません。このようなモラルハザードを防ぐために、厚生労働省はどのような取組をお考えでしょうか。厚生労働大臣の御答弁を求めます。
 皆様は覚えていらっしゃいますでしょうか、二〇一〇年七月、足立区に住む百十一歳男性が白骨化した状態で発見され、解剖の結果、三十年以上も前に死亡していたことが明らかになった事件のことを。この事件を契機として、公的記録上では生きているけれども、実際の生死や住所などの確認が取れなくなっている消えた高齢者の存在が社会的な問題となりました。
 しかし、これらの事件にはもっと深い闇が隠されておりました。子が親の死を隠し、親の年金を不正に受け取り続ける年金の不正受給問題、そして、親の年金に依存する中年の子供、年金パラサイト問題です。厚生労働省は、サンプル調査で、八十五歳以上の年金受給者のうち三%に不正受給の疑いがあることを公表いたしました。年金の不正受給の是正は重要な課題でありますが、厚生労働省の対策についてお伺いいたします。
 では、年金保険料の納付率向上について質問させていただきます。
 平成二十三年の国民年金被保険者実態調査によれば、未納者の比率が低所得世帯で高い一方、年収一千万以上の世帯では一〇%、五百万円以上の世帯でも一七%にも及んでいることが分かっております。また、未納者の五割は生命保険や個人年金に加入しており、決して低所得だけが未納の主たる要因とは考えられません。
 本来、国民年金は給付費の半分は税金で賄われるお得な年金商品であり、税制上も極めて優遇されております。にもかかわらず、納付率が低下傾向にあるのは何が原因だとお考えでしょうか。厚生労働大臣にお伺いいたします。
 次に、年金財政についてお尋ねいたします。
 老後の所得保障の支柱である公的年金制度の信頼性が揺らぎ、将来世代へも不安を与えております。政府・与党は、平成十六年の年金改正法を百年安心プランと名付け、給付と負担の見直しにおける抜本的な改革だと国民に太鼓判を押しました。しかし、現実は、少子高齢化の進展で前提条件は既に崩れ、年金財政は危機に瀕していると言わざるを得ません。
 本年は、五年に一度の財政検証が行われます。現制度では持続可能性がどの程度困難なのか、政府が公表する見通しがどの程度的確な仮定に立っているのか、また、その仮定が変更されるとどのように影響を受けるのか、今こそ国民に説明責任を果たすべきではないでしょうか。厚生労働大臣の率直なお考えをお聞かせください。
 また、年金財政を語る上で忘れてはならないのが、年金積立金管理運用独立行政法人の存在です。このGPIFは、厚生年金と国民年金の積立金約百三十兆円を運用しており、年金において世界最大の運用機関です。しかし、このGPIFの資産運用の在り方をめぐっては、今までも国内外から様々な問題点が指摘されておりました。OECDは、GPIFのガバナンス及び資産運用方針改善案の中で、ガバナンス上問題点があり、その運用方針に明確な正当性はなく、OECD諸国の準備基金の中でも特異であると、極めて低リスク資産に偏重しているその運用スタイルを批判的に指摘しました。
 GPIFの職員は、専門家に乏しく、運用の大半は外部委託に頼っているため、七十名足らずしかおりません。運用資産規模がGPIFの約八分の一のカナダでさえ約八百名の職員を抱えていることからも、専門人材を適切に確保し、高度なリスク管理が可能となるガバナンスの構築が急務ではないでしょうか。
 現在、GPIF改革の議論が進められておりますが、検討状況について教えてください。
 最後に、歳入庁設置について質問させていただきます。
 みんなの党は、増税の前にやるべきことがあると一貫して主張してまいりました。そのやるべきことの一つが、社会保険料徴収の不公平是正であります。そのためには、歳入庁を設置し、国税庁や厚生労働省、日本年金機構に分散されている税や保険料の徴収業務を一元的に管理することが必要です。歳入庁設置により、国民の利便性を向上させるとともに、年金保険料の徴収漏れの防止、社会保険未加入事業所の解決など実現できます。
 本法案のような小手先の改正ではなく、歳入庁の設置など抜本的な改革が必要かと思われますが、厚生労働大臣の御見解を伺います。
 「人の為」と書けば「偽」となります。「不正」と書けば「歪」となります。公的年金制度は、なれ合いやもたれ合いではなく、それぞれの立場、考えを自覚し尊重する共同の精神から発したものです。持続可能な公的年金制度の確立のため、もう一度原点に立ち戻り、今後の議論も進めていただけることを願い、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 薬師寺みちよ

speaker_id: 18989

日付: 2014-05-28

院: 参議院

会議名: 本会議