渡辺周の発言 (本会議)
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○渡辺周君 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました二法案につきまして、関連を含めて質問をいたします。(拍手)
まず、冒頭、十八号、十九号と相次いで来襲した台風、また御嶽山の噴火によって犠牲となられた方々と被害を受けた皆様方にお悔やみとお見舞いを申し上げ、全力で復旧復興に取り組んでいくことをお約束申し上げます。
本日の安全保障委員会における与党の強引な運営に強く抗議をいたします。
与党側は、江渡防衛大臣の政治資金問題に関する領収書を提出するという約束を一方的にほごにしたばかりか、疑惑にふたをするかのように質疑を進めました。まさに言語道断であります。与党に猛省を求め、質問に入ります。
安倍内閣が発足して一年十カ月になろうとしています。異次元の金融緩和、財政出動、そして成長戦略という安倍総理の三本の矢経済政策は、最新の経済統計等を見ますと、その副作用と先行き不安が顕著になってまいりました。
今国会における論戦で我が党は、悪い円安、コストプッシュ型インフレ、家計と実質賃金の問題、若者のワーキングプア、女性と子供の貧困、中小企業の経営難、財政ばらまきなど、多くの問題点を指摘してまいりました。
一部には恩恵が与えられたものの、この国の屋台骨を支えている国民生活、中小企業にその恩恵は遠く、地方創生のかなめ、担い手に景気回復の実感はありません。
ここで改めて、実質賃金、可処分所得の低下、円安による急激な物価上昇を踏まえ、アベノミクスは成功しているのか、また、その先行きについて、総理の説明を求めます。
そのような状況下、新たに強調され出したのが、女性の登用と地方創生であります。
全国八百九十六の自治体が消滅すると試算されたショッキングな日本創成会議のデータによれば、その要因は東京一極集中と若年女性の減少であります。二〇四〇年における二十から三十九歳の若年女性とは今十三歳以下の女性ということになりますが、不安なく郷土に住むことができる雇用、生活の場、子育ての環境をつくり上げていくことが急務であります。
地方創生には、若者、女性が活気づき、世代を超えて全ての人たちに出番と居場所がある地域社会をつくることが必須であります。
二〇二〇年の東京オリンピックに向けて東京のインフラ整備は加速し、熱を帯びてまいります。六年後に迫った東京オリンピックに近未来を夢見ますが、東京が再び脚光を浴び、一極集中が加速していくことが考えられます。都市機能を高めてオリンピックを成功させ、世界から訪れる訪日外国人のニーズに応えながらも、地方の人口をどう維持し、バランスよく地方を発展させていくかの視点を欠いてはなりません。
東京がクローズアップされる中で、少子化に歯どめをかけ、地方の疲弊と地域社会の崩壊をどう改善していくのか、総理のビジョンをお聞かせください。
続いて、地方分権についてお聞きします。
石破地方創生担当大臣は、九月十八日の地方分権改革有識者会議の席で、東京一極集中に歯どめをかけ、人口減少を克服するという課題に、地域の特性に応じた解決法を見出していかなければならないと述べ、そのためには、地方分権改革を地方創生とともに推進することが不可欠である、今回の地方創生とは、国の形を変えるものであり、地方分権改革はその中核をなすものの一つであると述べています。
しかし、現実には、政府の地方分権推進本部は、地方公共団体への事務、権限の移譲や地方に対する規制緩和について、地方自治体から募集した自主的な千六十件の提案に対し、各府省が実施するとしたのはわずか十件であり、全体提案の八割に当たる八百十七件は対応不可としました。その実態は、やはり中央主導で、地方からの提案に冷たい水をぶっかけるノーを突きつけ、地方の創意工夫への熱意をしぼませています。
相も変わらず、中央の抵抗がそのまま放置され、遅々として進まぬ、このような状況の中で、国の形を変える地方創生、国が選ぶのではなく、地方が選ぶ地方分権は本当に実現できるのでしょうか。御答弁ください。
民主党政権のもとで、我々は大胆かつ積極的に地域主権改革に取り組みました。地域のさまざまな資源や歴史、文化、伝統等を最大限に活用し、それぞれの地域において富を生み出すという考え方に基づいて、依存と分配から自立と創造の仕組みに転換することを目指しました。その成果として、ひもつき補助金の一括交付金化、義務づけ、枠づけの大きな見直し、国と地方の協議の場の法定化を構築しました。
ところが、安倍政権になって、民主党政権の実績を抹消したかったのでしょうか、一括交付金を廃止し、ひもつき補助金を復活させてしまいました。今になって石破大臣が、地方から一括交付金の要請もあり、政府で真剣に検討すると述べています。つまり、民主党政権で断行したことは、地方自治体から歓迎され、的を得ていたということではないでしょうか。
地方の声を率直に受けとめ、一括交付金を復活させるのでしょうか。復活した場合、その形はどのようなものになるのでしょうか。答えを求めます。
次に、電力会社の再生可能エネルギーの買い取り保留問題についてお尋ねします。
民主党政権が一括交付金と並んで地方活性化の切り札にしたのは、緑の分権改革、エネルギーの地産地消でありました。太陽光、バイオマス、地熱など、地域の資源を活用したエネルギーの地産地消は、地域地域の創意工夫を高め、新たな雇用の創出につながります。
民間事業者で組織する一般社団法人太陽光発電協会の資料によれば、太陽光発電市場は、二〇一〇年の売上金額五千四百五十五億円から二〇一二年度には一兆二百億円、二〇一三年度には二兆五千億円、白物家電市場と同等のマーケットを創出しました。
直接雇用人員数でも、二〇一〇年の二万一千八百二十人から二〇一二年には四万八百人に、二〇一三年度には九万人となりました。周辺産業従事者を加えた総雇用人員では、二〇一〇年から七倍の二十一万人となったとのことであります。
ところが、ここへ来て、再生可能エネルギーの新規受け入れの中断、保留が各地で持ち上がり、自治体や事業者、個人の間に不安が広がっています。
買い取り制度を前提として、地方再生の切り札、救世主として、自治体や事業者、個人が決断し、投資しましたが、このまま中断、保留となれば、エネルギーの地産地消に伴う雇用創出、過疎地域の転換施策は断念せざるを得ず、地域創生のチャンスはついえてしまいます。
保留、中断の理由は、買い取り制度に伴う増加のスピードが予想以上に速く、送電容量を超えるおそれとされており、他社への融通や蓄電池、揚水発電による需給調整力の増強といった対応が急務であります。
安倍総理も、今国会の所信表明の中で、徹底した省エネルギーの実施と再生可能エネルギーの最大限の導入により、できる限り原発依存度を低減させてまいりますと述べました。
地域創生のために、エネルギーの地産地消の導入、確立は柱となるものと考えますが、今回の中断、保留を受けて、政府はこれからどうしていくのか、方針を安倍総理に伺います。
続いて、岩盤規制への取り組みについて伺います。
総理はさきの所信表明演説で、農業、雇用、医療、エネルギーなど、岩盤のようにかたい規制にこれからも果敢に挑戦していくと述べました。しかし、規制は中央主導のお上によってつくられたものであり、そのトップである総理が果敢に挑戦すると言うのであれば、実現に疑問符がつきます。
岩盤規制に挑戦するのではなく、ぶっ壊すという強いリーダーシップで、各省庁に指示を出して具体的成果を出すべきですが、いかがですか。総理にお聞きします。
今回の地方創生の目玉施策の一つに、中央省庁からの官僚の派遣があります。これまでも地方自治体には各省庁から職員が出向しており、何ら目新しいことはありません。
先ほど申し上げたとおり、地方からの権限移譲や規制緩和の要望の八割を対応不可とした中央官庁から職員を地方自治体に派遣することが、地方創生にどうつながるのでしょうか。地方の自主性を発揮するならば、地方の職員を大学やシンクタンクなどに派遣して、先進例を学ぶチャンスをつくり、視野と人脈を広げる方が地方創生のリーダーづくり、人づくりになるのではないでしょうか。
中央省庁の職員を地方自治体に派遣することが地方創生にどういうメリットをもたらすのか、お答えください。
民主党政権は、地方が個性を発揮して、その町、その村に見合った魅力づくりをするその担い手は、官民だけでなく、新しい公共、NPOであると位置づけ、一定条件をクリアした認定NPOへの寄附に対する税額控除を導入しました。NPO法人は現在全国に四万九千団体、寄附税制の対象となる団体はおよそ七百です。介護や介助、子育て、まちづくり、防災など、地域の住民ニーズに沿う形で活動をしなくてはならない、今やなくてはならない存在であります。
しかし、昨年末の税制改正大綱では寄附に伴う税額控除が見直し項目に掲げられ、今春には政府税調が企業や法人に対する租税特別措置の廃止、縮小方針を打ち出しており、今後NPO税制も見直されるのではという懸念の声が高まっています。
地方創生の担い手であるNPOの活動については、自民党も二〇一三政策集で、「地域コミュニティの再生」や「過疎地域対策の充実」の項目でNPO支援をさんざんうたっており、地域創生の担い手であるNPOの活動を税制見直しによって立ち枯れさせるようなことはよもやないとは信じますが、総理の認定NPOへの寄附税制に対してのお考えを伺います。
法案の細部について伺います。
まち・ひと・しごと創生法案では、基本理念を定め、国、地方の責務、事業者や国民への努力を課しています。基本理念に書かれている各項目はごもっともなことが書かれていますが、本法案はいわゆる理念法であり、具体策はありません。国、地方はもちろん、特に事業者や国民がこの法律に沿って行動するために、どのような誘導政策やメニューをお考えでしょうか。
また、国の総合政策を勘案し、地方にも戦略策定の努力義務を課していますが、どのような観点で策定していくのか、お伺いをいたします。
さらには、現実問題として、二カ月後に迫った予算編成にどう対処するおつもりですか。
各省は、概算要求において、特別枠目当てに縦割り、ばらまき、水膨れとも言える予算要求を行っています。各省、各大臣の納得のもとに精査をし、整理統合、一元化できるのでしょうか。
二カ月後に迫った予算編成に向けてどのようなお考えか、答弁を求めます。
地方創生法案の実施法として提案されているのは、地方再生法の改正だけであります。これは、主として、国土交通、農水、経済産業の三省の所管事業を限定的に対象にしたものであります。これでは、過去の失敗した地方分散計画と同様の結果になります。
他の法案はいつ提案されるのか、とりわけ地方交付税制度や社会保障制度改革は、どのような内容でいつまでに提案されるのか、総理に伺います。
最後に、地域の自主性、自立性を高めるための改革の推進の観点から、塩崎厚生労働大臣にお尋ねします。
一部週刊誌で、塩崎厚生労働大臣が、御自身の所管である地元の老人ホーム事業に口ききしたのではないかという報道があります。詳細はまた関係委員会でお尋ねしますが、御地元松山市の決定を覆すという、地方の自主性、自立性を無視するような出来事に口ききをしていたという報道が事実であるとすれば、この問題は看過できません。この報道にあります地元老人ホーム事業に口ききしたという記事の真偽のほどはいかがでしょうか。説明を求めます。
私どもは、三年三カ月の政権を担った経験をもとに、地方の自由度を高めて、真の地域主権を進め、地方の自立と覚悟のもと、個性豊かな地域創生のため、建設的な提言を行い、実現していくことを約束して、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕