泉健太の発言 (本会議)

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○泉健太君 民主党の泉健太でございます。
 私は、民主党・無所属クラブを代表して、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
 まず初めに、広島市や礼文島の土砂災害、また御嶽山でお亡くなりになった方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、各種災害で被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 まず、本題に入る前に、同僚国会議員である今般の閣僚の不祥事事案に言及しなければなりません。
 安倍内閣の看板人事であった小渕経済産業大臣と松島法務大臣の二閣僚が、政治と金や公職選挙法の問題で同時に辞任するという前代未聞の事態が起きました。しかも、両氏は、政治資金規正法や公職選挙法違反の可能性が指摘される中、いまだ国会には十分な説明がなされていないままの状態であります。
 小渕氏は、観劇会をめぐる後援会の収支の食い違いについて、先日の経済産業委員会で、大きな疑念があると言わざるを得ない、理由はわからないとし、そしてある意味潔く、知らなかったでは済まされない、調査してお示ししたいと答弁されました。
 一方、松島氏は、通常は選挙管理委員会の見解に基づいた製作物をつくるのが政治の世界の常識であるところ、その常識を逸脱し、明らかなうちわを配布、あるいは街頭配布のできない討議資料を街頭配布するという問題行為を行ったにもかかわらず、いまだ、あくまで討議資料と反省の色を見せておりません。
 このような中での両大臣の辞任ですが、この問題は、我々政治家の日常活動への警鐘でもあります。このことを辞任のみで済ませたり、問題の本質の先送りをしてはなりません。
 総理をして、任命責任があると言わせたこの問題に対し、今こそ国会議員は、国会の委員会の場でこれらの事実を確かめ、再発防止に資する実質的な議論を行うことが必要ではないでしょうか。
 また、大臣の任命に当たり当然行われるはずのいわゆる身体検査は、安倍政権で機能しているのでしょうか。疑問を持たざるを得ません。
 両氏の問題は就任以前に起きている問題であります。なぜこのような任命を行ったのか、安倍政権の身体検査には大いに疑問が残ります。もし今後も不祥事が出るようならば、それは安倍政権内の構造的な問題と言え、総理の任命責任はおわびでは済まされません。
 国会審議に影響を与えたことに猛省を求めるとともに、我々民主党はこれからも、政治の透明化と生活者からの政策論争に積極的に臨んでまいります。
 さて、本法は、平成十一年の広島市、呉市の豪雨災害を機に制定され、土砂災害のおそれのある地域の指定、避難体制の整備等の対策を講じたものです。平成二十二年の馬淵大臣時代にも、国による緊急調査等のスキームを盛り込む改正がなされるなど、本法の重要性は常に認識されてきました。今次改正案が機能をさらに発揮し、土砂災害による被害防止に資するよう質問いたします。
 七十四名ものとうとい命を奪った今回の広島市の土砂災害における問題点は、二つであります。一つは、本法に基づく土砂災害警戒区域等の指定が不十分であったこと、二つ目は、自治体による避難指示、勧告がおくれたことです。
 まず、土砂災害警戒区域等の指定について伺います。
 平成十四年の調査による全国の土砂災害危険箇所は約五十二万カ所。その後、土砂災害防止法に基づき行われた基礎調査で警戒区域に指定されたのは、ことし八月末現在で約三十五万カ所。うち、特別警戒区域に指定されたのは二十万カ所となっております。
 実は、実態はより深刻で、既に指定が終了した栃木、福井、山口を例にとると、当初の土砂災害危険箇所数より、指定した警戒区域数が約一・三倍程度多くなっております。ここから推計しますと、全国の災害警戒区域数は六十万から七十万カ所程度になる。となれば、現在の指定の進捗状況は、総数の半分程度にすぎないとも言えます。
 この点について、土砂災害警戒区域の最終的な総数の推計、それに対する現在の区域指定の進捗状況について、大臣の答弁を求めます。
 法制定から十年以上がたった現在でも、基礎調査が終了している都道府県は十三県にとどまります。基礎調査後の区域指定にも長時間を要しているケースが多く、今回の広島でも、被害の大きかった安佐南区の八木、緑井両地区は、平成二十五年度までに完了した基礎調査の結果、警戒区域相当が百三十カ所、うち約百二十カ所が特別警戒区域相当だったことが判明しておりますが、区域指定の住民説明会の準備段階で今回の被災となってしまいました。
 なぜ、各地で基礎調査と区域指定がおくれてきたのか。国交省の説明では、都道府県の予算、人員不足、そして、指定に伴う不動産価値低下への住民の不安が理由として挙がっています。
 まず、予算です。
 区域指定等に係る予算は防災・安全交付金で手当てされています。これは交付金のため、地方公共団体は、みずからが策定する整備計画に基づき、砂防などのハード事業や避難対策などのソフト事業の中から裁量で予算を充当します。国は、県の提出する計画を受け取るだけで、基礎調査にどれぐらい予算を投じているかは把握をしていないとのことでした。
 地域主権とは、地方と国が対等の立場で、ともに協力して住民のために行政執行に当たることであります。改正案三十六条には地方公共団体への援助が明記され、地方公共団体に対する助言、情報提供、その他援助を行うよう努めなければならないとされました。地方の裁量を尊重しながらも、地方による計画策定の段階で、予算面での必要な助言、情報提供等の協力を行うべきと考えます。
 大臣に改めて、基礎調査、区域指定に関する予算上の国の関与のあり方について見解を伺います。
 なお、本法案は、基礎調査が適切に行われていない場合の是正要求を定め、進捗管理に国がかかわるとしています。予算と進捗管理は車の両輪です。国は、予算に関する事前の計画、そして、事後チェックである進捗管理の双方において、地方公共団体との連携を図るべきです。事後と事前の国の関与の必要性及び考えられる方策についてお答えください。
 次に、人員不足への対応について伺います。
 青森県、山梨県、福岡県の三県では、既に警戒・特別警戒区域の指定が完了しています。福岡県では、平成二十一年七月の中国・九州北部豪雨での土砂災害をきっかけに、人員と予算を重点的に措置し、平成二十五年度までの五年間で県内全域の区域指定を完了いたしました。また、山梨県では、早い段階から市町村との連携を図り、区域指定に先立つ住民への説明についても県と市町村が連携したと伺っております。
 これら先進県の人員確保への対応、予算確保の方策などから、区域指定が完了した成功要因が何なのか、これらの成功要因を他の都道府県に広げるにはどのような取り組みが必要か、都道府県と市町村のより早い段階での連携を促すために何が必要と考えているのか、大臣の御認識を伺います。
 次に、不動産価値低下への住民の懸念に関する問題について伺います。
 まず、不動産が危険な箇所に存在することは、あくまで客観的事実であり、災害の危険性に関しては、住民に早期かつ丁寧に説明が行われるべきなのは明白です。重要なのは、少なくとも今後は、住民が新たに不動産を購入する際に土砂災害の危険性について事前説明がなされ、十分な情報のもとに購入するか否かの判断を行える環境を整えることではないでしょうか。
 今回の改正案では、都道府県に基礎調査の結果の公表を義務づけるとされていますが、住宅購入時に直接、購入者へ情報提供を行い、購入検討時にその危険性を認識してもらう仕組みが必要ではないでしょうか。
 宅地建物取引業法及び省令によれば、土地建物の売買に際して、警戒区域か否かは重要事項説明書に記載し、対面での説明を義務づけられております。しかし、今回の広島市のように、区域指定前の段階では、説明は義務づけられておりません。
 私は、省令を改正し、基礎調査の対象区域であること、調査が実施されたかの有無、そして調査結果、土砂災害危険箇所であるかどうかについても重要事項説明の対象にするなど、住宅の売買契約に際し、土砂災害の潜在的危険性を伝える仕組みを提案したいと思いますが、大臣の御認識を伺います。
 次に、円滑な避難勧告等の発令について伺います。
 改正案では、避難勧告等の発令に資するため、都道府県に対して、市町村等への土砂災害警戒情報の提供を義務づけました。しかし、土砂災害警戒情報は、市町村が避難勧告を出すに当たっての参考情報にすぎないと指摘されています。
 市町村が避難勧告を出す基準が、総合的に判断といった曖昧な表現では、現場の混乱を招くままです。気象情報や土砂災害警戒情報を人的被害防止に資するようにするために、事前の予想雨量などの気象情報や、早目の土砂災害警戒情報に重点を置いた予防的避難として機能するよう、避難勧告を行っていくべきと考えますが、これについて、大臣の御認識を伺います。
 今回の広島市の土砂災害は、平穏な日々を過ごしていた多くの方々のとうとい命を奪いました。今回の教訓をしっかりと胸に、そして法律に刻み、民主党自身も、各党とともに、このような悲惨な土砂災害が繰り返されぬよう対策に当たることをお誓い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
    〔国務大臣太田昭宏君登壇〕

発言情報

speech_id: 118705254X00720141023_010

発言者: 泉健太

speaker_id: 34622

日付: 2014-10-23

院: 衆議院

会議名: 本会議