斉藤鉄夫の発言 (本会議)

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○斉藤鉄夫君 公明党の斉藤鉄夫です。
 初めに、平成二十六年八月豪雨に伴う土砂災害、御嶽山の噴火、相次ぐ台風被害により亡くなられた方々、御遺族に対して、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に対して、心よりお見舞いを申し上げます。
 私は、公明党を代表し、土砂災害防止法改正案について質問をいたします。(拍手)
 この土砂災害防止法は、今から十五年前、平成十一年の広島豪雨による大規模災害を踏まえて制定されました。しかし、今般の八月豪雨では、再び近隣地域において大規模な土砂災害が発生し、死者七十四名という、前回を大きく上回る甚大な被害となりました。せっかくの法律が役立たなかったと言われてもいたし方ない。
 これまでの法律や運用のどこに不備があり、何が足りなかったのか、また、それを本改正案ではどのように転換しようとしているのか、国土交通大臣にまず基本的認識をお伺いします。
 さて、土砂災害防止を考える上で、初めに確認しておかなければならないことがあります。気候変動です。雨の降り方がこれからどこまで激甚化するのか、局地集中化するのか。
 国連のIPCC、気候変動に関する政府間パネルでの科学的知見に基づいて主要国が合意した二度C目標という目標があります。国際的枠組みでCO2排出抑制を行って、その濃度を一定値以下に抑え、地球上の大気の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて二度C以内に抑えようというものです。これは、今後、厳しい温暖化対策をとったとしても、地球上の大気の平均気温の上昇は今や避けられないとの前提に立っています。
 それを認めた上で、産業革命以前に比べて、現時点で平均気温はどれだけ上昇しているのか、二度C上昇するのはいつごろか、二度C上昇すればどのような気象となるのか、雨の降り方、局地集中化はどうなるのかについて、現在の科学的知見を環境大臣にお伺いします。
 また、このような気候変動に伴い、現状でも雨の降り方が変化してきていると感じますが、国土交通大臣に対し、その取り組みについてお尋ねします。
 では、改正案について質問します。
 土砂災害警戒区域を指定する手続の順番は、一、地図上で危険箇所を決める、二、その危険箇所の基礎調査を行う、三、基礎調査の結果をもとにして警戒区域を定める、四、警戒区域の中から特別警戒区域を指定するという四段階になります。
 まず、第一段階の危険箇所ですが、これまで、この危険箇所を地域住民に知らせる、周知するという仕組みになっていなかったところに大きな問題があったのではないでしょうか。
 地域住民の方々に対して、基礎調査を終えていない危険箇所についても、まず公表した上で、きめ細かく周知徹底を図ることは、土砂災害の被害を最小限に抑えることにもつながると考えます。危険箇所の緊急周知を九月から実施していると伺っていますが、その取り組み状況について、現状はどのようになっているか、国土交通大臣にお伺いします。
 次に、第二段階の基礎調査についてです。
 危険箇所のうち、基礎調査が終了していないところが全国に約二十万カ所あります。目標を明確に決めて、一日でも早く基礎調査を完了させなければなりません。
 その際、実施主体である都道府県が、速やかに基礎調査を行い、土砂災害警戒区域の指定ができるように、国による財政的、技術的、人的支援を行う必要があると考えます。法律にどのように規定し、どのように支援するのか、お尋ねします。
 この基礎調査の公表についても、これまで義務づけられておりませんでした。地域イメージが傷つくとの地域住民の心配があったことがその一つの要因であったことも確かです。
 今回、基礎調査の結果の公表を都道府県に義務づけましたが、地域住民の理解を得ることも大切です。このバランスについての国土交通大臣のお考えをお聞かせください。
 次に、土砂災害警戒情報について伺います。
 今回の改正案では、降雨量に基づく土砂災害警戒情報が法律に位置づけられました。市町村による的確な避難勧告の発令の直接的な基準とするとされています。
 一方で、実際に避難勧告を発令する市町村長にとっては、豪雨の中での発令に大きな責任を担わなくてはなりません。また、避難勧告を解除する際の発令にも大きな責任が伴います。
 市町村長の避難勧告及び解除発令の判断に当たっては、国や都道府県がきめ細かな情報提供や助言を行うなど、技術面で十分な支援が必要と考えますが、国土交通大臣の見解を求めます。
 今回の広島の災害で私が痛感したのは、砂防堰堤、砂防ダムの有用性です。
 森林整備が目的の治山ダムとよく混同されますが、砂防ダムの土石流災害防止効果は、今回の広島でも明らかになりました。安佐南区八木地区に建設途上のものでしたが、土石流と土砂をしっかりと食いとめておりました。残念なことに、未完成の部分のすき間から土砂が流れ、多くの家屋に押し寄せましたが、大きな石はこの砂防ダムで食いとめられ、その下に広がる住宅地で死者が出るような大きな破壊はなかったのです。
 今後、人命を守る観点から、優先順位を決めて砂防ダムの整備を着実に行うことが重要と考えますが、国土交通大臣のお考えをお聞きします。
 次に、今回の改正案では、土砂災害に対する避難場所、避難経路などを地域防災計画に定めることとしていますが、実際に、市町村の現場では、防災担当者の人数も少なく、土砂災害に対する知識も不十分なケースも少なくありません。国や都道府県が積極的に技術的支援などを行うべきと考えます。
 また、災害が発生した際、自助、共助、公助が機動的にうまくかみ合うことが非常に重要です。地域の特性に合わせた対策を行うためには、地域防災計画のみならず、より細かに、町内会、マンション組合、社会福祉施設、学校、病院、そして事業者など、地域コミュニティーが自発的に防災活動に参加する地区防災計画制度の普及促進も非常に重要です。防災担当大臣の見解を求めます。
 公明党の土砂災害防止法改正検討プロジェクトチームは、九月二十六日に、土砂災害に関する未然防止策についての提言を政府に提出しました。今回の改正案は、我々の提言を十分踏まえたものと評価しています。
 しかしながら、大規模土砂災害を未然に防止するためには、今回の改正案の円滑な成立と実施だけでなく、国、都道府県、市町村、地域住民がより一層緊密に連携しつつ、ハード、ソフト両面による総合的な防止策が必要と考えます。
 国土交通大臣に見解と決意を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣太田昭宏君登壇〕

発言情報

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発言者: 斉藤鉄夫

speaker_id: 16806

日付: 2014-10-23

院: 衆議院

会議名: 本会議