愛知治郎の発言 (憲法審査会)

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○愛知治郎君 自民党の愛知治郎でございます。
 本日は、憲法と参議院というテーマで意見交換を行い、我々参議院憲法審査会の委員がまさに参議院議員として憲法問題についてどう考え、参議院憲法審査会がどう取り組むべきか、より具体的な議論を展開していただきたいということで御要望を申し上げたところ、そのように開催をしていただいたところでございます。
 この「憲法と参議院について」でありますが、我々は平成二十四年に日本国憲法改正案を策定、提案をしております。今回は、この中からの国会の中から、参議院に関係する内容を中心に憲法草案の主要な規定のポイント及び今後の憲法議論の方向性について述べ、今後の議論の参考にしていただきたいと存じます。
 まず、二院制についてでありますが、自民党としての意見表明は、二院制を維持するとともに、衆議院の優越についても現行の立場を踏襲するというものであります。この理由としては以下のものがあると考えます。
 二つの院の相互抑制、均衡により慎重審議を実現する、第二に第一院の審議の不十分さや欠陥を補うことができる、第三には議院内閣制の下で国会の行政監視機能を高めるためには二院制が必要である、第四に国民の多様な意見や多元的な価値をきめ細かに反映することができる、第五に長期的視野に立った安定的な議論ができるなど、参議院には衆議院と異なる役割があるということであります。
 なお、一院制を採用すべきか否かについては、党内議論では一院制を採用すべきとの意見が多く出されたところであります。しかしながら、今回の草案は、サンフランシスコ平和条約発効六十周年を機に、自主憲法に値する憲法草案を策定することを目的に、あくまでも平成十七年の新憲法草案を土台としてその見直しを行うものであり、一院制導入の具体化には詳細な制度設計を踏まえた慎重な議論が必要でありますが、今回の作業の中ではそれを行うことは困難であり、党内での合意形成の手続がなお必要と考えたところであります。このため、今回の草案では、平成十七年の新憲法草案を引き継ぎ二院制を維持しておりますが、今後、二院制の在り方を検討する中で一院制についても検討することといたしました。
 参議院自民党としては、我が国のように両院とも公選の場合、両院の機能に優劣を付けるよりも、機能のすみ分けを目指すのが妥当な選択と思われます。現行憲法を前提としつつ、憲法の許容範囲内で参議院独自の機能を付与することが適当と考えているところであります。
 その参議院の機能、特に独自性を目指すべき分野については、参議院が補完、抑制、多様な民意の反映といった本来の役割、機能を果たすためには、衆参両院の構成、機能等の相違を明確にするとともに、役割や機能の分担を考えるに当たって、参議院は六年間と任期も長く、しかも解散がなく安定していること、全国単位の比例区と都道府県単位の地方区という選挙制度の下で何十万を得て議員になっていることなどの参議院の性質を生かすことが重要であると考えております。
 参議院が独自性を発揮すべき具体的分野と果たすべき役割、機能については以下のとおり考えております。
 まず、立法機能の強化については、第一に議員立法の推進、第二に特定法律案の参議院の先議、第三に条約の先議等であります。次に、行財政の監督強化について考えております。まずは、第一に決算審査の充実、第二に人事案件の先議等であります。
 次に、衆議院で法律案を再議決するのに必要な三分の二の緩和についてであります。
 五十九条二項では、参議院で否決された法律案を衆議院で再議決する場合には、出席議員の三分の二以上の賛成が必要としております。この再議決の要件を緩和するべきかどうか党内で議論がありましたが、最終的には変更いたしませんでした。議論の中では、三分の二以上の賛成から引き下げて、ねじれ現象ができるだけ起きないようにするべきではないかという意見や、要件を過半数とするという意見もございました。他方で、それでは参議院の存在を否定するものだという意見も多くございました。間を取って十分の六とする意見もありましたが、法令上、議決権の規定で十分の六というものは前例がなく、この部分の変更はいたしませんでした。
 次に、国会議員の選挙制度に関する規定についてでありますが、四十七条に後段を設け、この場合においては、各選挙区は、人口を基本とし、行政区画、地勢等を総合的に勘案して定めなければならないと規定をいたしました。これは最近、一票の格差について違憲状態にあるとの最高裁の判決が続いていることに鑑み、選挙区は単に人口のみによって決められるものではないことを明示をしたものであります。ただし、この規定もあくまでも人口を基本とすることとし、一票の格差の是正をする必要がないとしたものではありません。選挙区を置けば必ず格差は生じるので、それには一定の許容範囲があることを念のために規定したにすぎないという考え方でございます。
 この選挙制度改革について、公職選挙法は、参議院議員については、衆議院議員と選出方法を異ならせることによってその国民代表の実質的内容と機能と独自性を持たせるため、参議院議員を全国選出議員と地方選出議員とに分かち、前者によって事実上ある程度職能代表的な色彩が反映されることを図るとともに、後者については都道府県を構成する住民の意思を集約的に国会に反映させるという意義、機能を加味しております。
 これは昭和五十八年の最高裁の判決でありますが、参議院自民党としては、このような参議院が担ってきた地域代表的な使命を尊重する観点から、とりわけ地方での人口減少が著しい今日、現存の広域地方自治体である都道府県を単位とする選挙区を尊重したいと考えております。このことから、平成二十八年度参議院選挙に向けては現行憲法で対応しつつ、近い将来の憲法改正を掲げ、全ての都道府県が三年改選ごとに少なくとも定数一を確保し、全国比例代表とともに参議院を構成するよう明記することを目指しております。
 時間が来ましたので、以上でございます。

発言情報

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発言者: 愛知治郎

speaker_id: 22851

日付: 2014-11-12

院: 参議院

会議名: 憲法審査会