福島みずほの発言 (憲法審査会)
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○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。社民党を代表して発言をいたします。
憲法審査会において今最も議論し共有しなければならないことは立憲主義であり、立憲主義の危機の問題です。立憲主義とは、およそ権力保持者の恣意によってではなく、法に従って権力が行使されるべきであるという原則です。また、立憲主義とは、個人の自由、権利を守るために憲法で権力者を拘束するという考え方です。
私たち国会議員や国務大臣は、憲法九十九条によって憲法尊重擁護義務を持っています。安倍内閣は、七月一日、集団的自衛権の行使を認める閣議決定をしました。戦後、自民党政権も、集団的自衛権の行使は違憲であり、集団的自衛権の行使を認めるためには明文改憲をしなければならず、解釈改憲で認めることは憲法の規範性を侵害すると国会で答弁をしてきました。そのことに真っ向から反しています。
また、十月八日に公表された日米ガイドラインの中間報告は、これまでの周辺事態という概念も後方地域という概念もなくし、切れ目のない日米同盟の強化を宣言をしています。閣議決定をした後に国会審議を一切やらずに、周辺事態法を始め様々な法律や日米安保条約にすら反する日米ガイドラインの中間報告を発表したことは、国会をなきものにしようとしたものです。まさに立憲主義を踏みにじり、憲法を踏みにじるものです。
憲法審査会は、憲法を前提に議論を深めるものです。憲法の規範性は極めて重要です。憲法は最高法規であり、憲法の規範性が機能しない中での憲法審査会の議論はあり得ないものです。したがって、憲法審査会の議論を、国会の審議を、憲法規範を遵守し、立憲主義の立場からやり直す必要があると考えます。その意味では、違憲の閣議決定は憲法九十八条により無効であり、違憲の日米ガイドラインの中間報告も無効だということを確認すべきではないでしょうか。
更に言えば、政府は来年の五月に自衛隊法の改悪法案、周辺事態法改悪法案、PKO法改悪法案、船舶検査法改悪法案等の十幾つもの法案を出すと言われています。アメリカ戦争支援法という一般法、通則法も出てくるかもしれません。それは国会の事前あるいは事後承認すらなくして、新たな立法なくして自衛隊を海外に出すことを可能にするかもしれません。
それらの立法は、集団的自衛権の行使を認め、かつ後方支援という名の下に、大森政輔内閣法制局長官の四原則を踏みにじり、戦場のすぐそばでアメリカに対して弾薬などの武器を提供し、一体となって戦争することになる可能性があります。これらは日本国憲法に反する違憲の立法です。よって、憲法九十八条により無効です。
憲法審査会は、憲法の規範性を十分に理解し、憲法に照らしてどうかということについて論議を深めていくところです。しかし、安倍内閣は憲法解釈を超えた決定をしています。
立憲主義の危機ということを言いました。立憲主義は、政党にかかわらず、また立場を超えて共有できる価値観だと考えます。この参議院の憲法審査会の大きな役割は、踏みにじられた立憲主義を回復することにまず主眼が置かれるべきです。憲法を踏みにじった行き着く先はナチス・ドイツの暴虐でしかありません。
参議院の役割について申し上げます。
社民党は二院制の廃止には明確に反対です。そのための明文改憲にも反対です。現憲法の下での二院制は堅持すべきです。国会の重要な役割、今の政治の大きな役割は行政権の肥大化をどうチェックするかということです。三権分立の中で内閣に対するチェックをどうしていくのか、立憲主義の強化が極めて大事です。国会の権能の強化が必要です。一院制よりも二院制、つまり、参議院が内閣と衆議院の両方をチェックしていく、参議院が肥大化する行政権に対してしっかり国会の立場からチェックをしていく、そのことは極めて大事です。
このように社民党は、参議院は議院内閣制の弱点を補完して衆議院及び内閣に対してチェック・アンド・バランスを発揮するところだと考えています。さらに、異なる制度、異なる時期による選挙によって国民の多元的な意思をより良く国会に反映することから、議会の任務である行政の抑止の点で、日本の参議院は、連邦国家における二院制や貴族院型の二院制と異なり、民主主義を、立憲主義を強化する二院制の先駆的制度であり、良識の府にふさわしい参議院の機能の強化こそ必要であるとの立場です。
よって、二院制の廃止には反対であり、明文改憲にも反対です。
以上で意見表明を終わります。