井原巧の発言 (国の統治機構に関する調査会)
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○井原巧君 自民党の井原でございます。
国と地方の関係ということで、地方分権、権限、財源の話が先ほどもずっと出ておりますけれども、考えてみるとすごく言われて久しいなというのがこの地方分権論議でありまして、私も本当に直近の去年までは首長をさせていただいていたんですけれども、ちょうど青年市長会というのがあって、全国で五十歳以下の市長で七十人ぐらいの会があるんですけれども、私、会長をさせていただいたんですね。そうしたら、集まると国の悪口ばっかりすごく言っていた記憶があります。民主党のときの子ども手当のときなんかも、かなりみんなで抵抗しようと、こういうようなことで、下から見たときにはそういう不満を持っていたんですね。
今度、二十年ぶりに、昔は秘書をしていましたから、こちらに帰ってきて、今度は国政から見るとやはり少し見方が違って、地方に対しての不安感というのも払拭できないなと。こういうことを両方の目線で見ながら、今日ここ参加させていただいているんですけれども。誤解を恐れずに一言で言うと、心配性で過保護な親とまだまだ未熟だけど自立に自信を持った息子がそれぞれ意見を言い合っているような、そんなところが国と地方の関係の中であるのかなというふうに思います。
そういう目線で少しお話をさせていただいたらと思いますけれども、基本的に皆さん方と同じような意見で、ナショナルミニマムというか、ほとんど国の端々まで社会資本等、サービス等が均一に整備された現状でありますから、それ以上にその住民の満足度とかあるいは幸福度というのは、物で、数字でなかなか測れませんが、ただ、例えばブータン王国なんかがすごく幸福度が高いと言います。それはただ単に豊かという数字だけじゃなくて、やっぱり行政との関わりとか地域住民との関わりとか、そういう総合的なところで幸福度というのが増すわけですけれども、ほぼサービスが整った上では、やっぱり住民に最も近い行政がそのニーズを把握して、やはりきめ細やかな行政サービスを付加していくという、そういう時代に今の日本は成熟期を迎えているのだろうというふうに思うんですね。
もう一点、しかし、課題もあると思うんです。これはもちろん自民党政権も反省しなきゃならないけれども、諸外国と比べて、やっぱり東京への一極集中は他のパリとかロンドンに比べると一〇%ぐらい高いと。それは、やはり今回、地方創生という議論もしていますけれども、やっぱりこれまでの中央集権体制で反省すべきものの検証がなかったら、なぜこう起こったかということはなかなか見えてこないんだろうというふうに思うんです。例えば、国税収入の四割が東京だし、GDPの二割がそうだし、若い学生の三割は東京に集中しているという現状の中で、その辺をどうやって国と地方の関係の中で考えていくんだろう、地方分権を考えていくんだろうということがすごく求められていると思うんです。
片や、今度、地方についての心配をこれは私の体験でお話しさせていただくと、市町村合併を誘導されたわけですね。そのときのキャッチフレーズというのは、サービスは高く負担は安くという、こういうことが一つと、もう一つは、地方分権の受皿としてもっと高次機能の市町村じゃないと、小さい何でもやるような市町村じゃ無理だよと、専門性を持たなきゃ駄目ですよと、こういう呼びかけで市町村合併を進めたわけですね。
しかし、振り返ってみると、当時、ちょうど三位一体の改革がありましたから、非常に財政は悪化したわけです。あと、駆け込み事業ありましたから、私の町なんかはひどいときは経常収支比率九七%まで行きましたから、政策的予算というのは三パーしかなかったわけですね。そういう中で、しかしみんなが行政改革して、人を減らしながら今ここにやっとたどり着いているというのが今の現状だと思うんです。
ただ、その中で、じゃ、地方が育ったのかというと、ちょっと残念ながら私自身も不安感があります。それは、例えば住民というのはサービスっていっぱい求めてくるわけです。満足はないわけですね。その中で、予算の優先順位決めるときに市とか町はどういう優先順位しているかと。できるだけ住民の満足を満たそうということになると、補助金がある事業か、あるいは交付税措置がある事業かということで、優先順位がいつの間にか国の補助の制度によって決められているというようなことになっています。
ですから、私は、今回、国と地方の関係を考える上でいうと、国の側も、やっぱりお金を出して口も出していた時代から、少し勇気を持って、お金を出して、そして、地方という、今は子供ですけど、将来大人にならなきゃなりませんが、地方の方はしっかりとそのお金を受けた中で自分たちで考えて自立できる行政にどうすればいいかということを考えていかなきゃならないし、もし市町村に限界があるのであれば、今日議論があった広域的自治体でありますけれども、私は道州制にはちょっと慎重派です。なぜかというと、地方がそこまで育っていないから。だから……