岸田文雄の発言 (安全保障委員会)
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○岸田国務大臣 安全保障委員会の開催に当たり、委員各位に謹んで御挨拶を申し上げ、安全保障政策について、所信を申し述べます。
まず、先般の邦人殺害テロ事件は痛恨のきわみであり、暴挙を断固非難します。お二人に哀悼の誠をささげ、御家族にお悔やみを申し上げます。この間の政府の対応に関連し、議員各位の御理解と御協力に深く感謝いたします。
先般の事件を受けて、テロ対策の強化、中東の安定と繁栄に向けた外交の強化、過激主義を生み出さない社会構築への支援を進めます。また、海外における日本人の安全確保にも万全を期します。
日本を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、国際協調主義に基づく積極的平和主義の旗を高く掲げ、日本の安全保障を確実なものにし、世界の平和と繁栄のために国際社会の一員としての責務を果たす外交をこれまで以上に強力に推進してまいります。そして、切れ目のない安全保障法制の整備を、引き続き丁寧に説明を行いつつ、進めてまいります。
日本の安全保障を確保する上で、日本外交、安全保障政策の基軸である日米同盟の強化と域内外のパートナーとの協力関係の強化が不可欠です。日米同盟については、引き続き、日米防衛協力のための指針の見直しを初め、幅広い分野での日米の安保、防衛協力を推進し、その抑止力及び対処力を一層強化していきます。
在日米軍再編については、現行の日米合意に従って進めながら、沖縄の負担軽減に全力で取り組みます。特に、普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければなりません。また、昨年十月に実質合意した日米地位協定の環境補足協定の署名に向けて、引き続き必要な作業を進めてまいります。
最も重要な隣国である韓国とは、安全保障分野を含め、大局的な観点から、未来志向で重層的な協力関係を双方の努力により構築します。日本固有の領土である竹島については、日本の主張をしっかりと伝え、粘り強く対応します。
また、オーストラリアやインドなどとも、安全保障分野を含め協力を強化します。
日中関係は、最も重要な二国間関係の一つであり、大局的な観点から戦略的互恵関係を推進していきます。他方、中国の不透明な軍事力の強化、海空域における活動の活発化は、地域共通の懸念事項となっています。尖閣諸島をめぐる情勢については、日本の領土、領海、領空は断固として守り抜くとの決意で、毅然かつ冷静に対応していく考えです。
日ロ関係については、政治対話を重ねつつ、国益に資するよう進めます。その中で、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結すべく、交渉に取り組んでいきます。また、ウクライナ情勢の平和的解決に向けロシアが建設的役割を果たすよう働きかけてまいります。ウクライナの改革努力を引き続き支援していきます。
北朝鮮に関しては、対話と圧力の方針のもと、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決を目指します。北朝鮮による核・ミサイル開発の継続は重大な脅威であり、非核化等に向けた具体的行動を引き続き強く求めます。拉致問題については、北朝鮮による調査が全ての拉致被害者の帰国という具体的な成果につながるよう、全力を尽くします。
また、南シナ海を含む海洋、宇宙空間、サイバー空間といった国際公共財における法の支配の実現強化にも尽力してまいります。
さらに、本年は被爆七十年であり、核兵器不拡散条約運用検討会議が開かれます。唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界に向けて、積極的に国際社会をリードしていきます。
以上のような諸課題の対処に当たり、私は、外務大臣として全力を尽くす決意です。
北村委員長を初め委員各位の御指導と御鞭撻を心からお願い申し上げます。(拍手)