山下貴司の発言 (憲法審査会)
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○山下委員 自由民主党の山下貴司でございます。
会長の御指名に感謝いたします。
まず、私は、手続面と内容面に分けてお話ししたいと思います。
現行憲法の手続面につきましては、GHQが十日間で草案を作成した、この歴史的事実は憲法学の泰斗である芦部先生の教科書にも書いてある憲法学のイロハでございます。この事実を指摘すること自体が不当だということはあり得ないわけでございます。
ただ、私はさらに申し上げたいのは、今の日本国憲法は、これまで、戦後七十年を迎えようとする中で、帝国議会以外手を触れていないということでございます。戦後七十年を迎えようとする日本国民の経験、英知が条項に反映されていないわけであります。私は、戦後日本の自由主義や民主主義、そして平和主義の確立に果たした日本国憲法の意義は十分認めておりますし、評価しておるものでございますけれども、やはり、今こそ現代に生きる日本国民の意思を憲法に反映させるべきではないかと考えております。
また、手続に絡みまして、憲法解釈の変更と憲法の改正は分けて考えるべきであろうと考えております。
憲法解釈の変更につきましては、私は、憲法条項の許す範囲内で、国民の負託を受けた議会に立脚した内閣が、直面する諸課題に対応するため憲法解釈の変更を行うことは、むしろ立憲主義にかなうものであると考えております。むしろ、憲法上規定されていない行政権による憲法解釈の拘束力を認め、憲法解釈の変更を許さないことこそ、私は立憲主義に反するというふうに考えております。
次に、内容面でございますが、まず、いろいろ言われております緊急事態条項、これは私はどうしても必要であると思っております。
例えば、昨今、ネパールの首都カトマンズにおいて大地震がございました。我が日本も首都直下型地震を経験しております。こうした大災害あるいは戦乱の中で、あるいは人命が保護される可能性が極端に低くなると言われる七十二時間を超える範囲内で、国会で審議するいとまがない、そういった事態にやはり対応する条項が必要であると考えております。
また、今回、財政であるとか自衛権の問題、これも討議させていただきたいわけでございますが、今回は自由討議ということで、初めから論点を絞るのではなく、日本憲法制定後の、戦後七十年の国民の英知を反映すべきだということから、幅広い議論を望むものでございます。
そういった観点から、私は、今まで議論になっていないものとして、例えば被害者の権利。国の役割というものは、国民の生命、身体、財産、そして幸福追求の権利を守ることでございます。しかし、これが害された場合に回復を図るのも、やはり一定程度国の義務ではないかと考えております。憲法上、加害者である犯罪被疑者の権利は十カ条ございます。しかしながら、被害者の権利はゼロでございます。こうした中で、我が党は、改正案の中で被害者の権利を盛り込むことにしております。
もう一つは、佐藤委員御指摘の知的財産権でございます。戦後、特に我が国においても知的財産権の保護は重要になりました。営業秘密の保護あるいは特許権、著作権、そういったものの保護も必要になってきております。
実は、アメリカ合衆国憲法では、二百年前に、この一条八節八項ではございますが、議会の権限として知的財産権の保護を明らかにしております。我が国においても、おくればせながら、知的財産権の保護をしっかりと憲法に明記すべきであろうというふうに考えております。
また、自衛権の問題につきましては、まず、九条の限界、解釈の限界としてどこまで許されるのかということ、これを私は国会で徹底討議すべきであろうと思います。これは、必ずしも憲法審査会ではなくて、今後開かれます安保法制にかかわる特別委員会において徹底討論をすべきであろうと思っております。その姿を国民に見せるのが我々議員の義務であり、したがって、審議拒否などなさらずに、徹底的に、とにかく時間をかけて議論すべきであろうと私は思っております。
私は、戦後日本の日本人の英知を信じておるものでございます。その日本人が、改正について、七十年の英知を反映させるという趣旨から議論する、そして必要があれば改正する、このことをぜひ当審査会で会長のリードのもと実現していただきたいと思っております。
ありがとうございました。