長妻昭の発言 (憲法審査会)

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○長妻委員 会長、発言の機会をいただいて、どうもありがとうございます。
 非常にいい議論ができていると思います。つまり、憲法は、この解釈、どこまで許されるのかというような議論だと思います。
 その中で、高村先生が退席されてもう帰ってこられないというのは大変残念でございますが、高村先生がおっしゃった砂川判決についてであります。
 私がこの判決文をどこをどう読んでも、この砂川判決の中に、法的効力のある部分として、我が国が集団的自衛権の行使を認める、そういうような記述というのがどこにも書いていないわけでございまして、北側先生はおられるので、北側先生に、一体どこの部分に、我が国が集団的自衛権の行使容認、これはしていいよというのが砂川判決の法的拘束力のあるどの部分に書いてあるのかということを、具体的に何行目にあるのかというのをお尋ねしたいところでもございます。
 そして、長谷部先生でございますが、長谷部先生は、新聞記事を見ますと、この砂川判決に関しても触れておられます。こういうふうにおっしゃっております。素直に読めば個別的自衛権の話だ、判決で集団的自衛権の行使が基礎づけられるという学者は私が知る限りはいないというふうにもおっしゃっておられます。別の新聞でも、長谷部教授は、砂川判決から憲法上、集団的自衛権が行使できるとする結論は無理がある、判決で認められるなら今までの政府見解に反映されたはずだが、そうなっていないともおっしゃっておられます。与党が推薦した教授でも、こういうふうにおっしゃっておられるわけであります。
 そして、昨日、法制局長官に共産党の委員が尋ねたところ、法制局長官も、集団的自衛権について砂川判決では触れているわけではございませんと明確に答弁がなされたわけでございます。
 そしてもう一点、高村先生から、憲法学者は自衛隊も否定しているんだというようなお話がございましたが、与党推薦の長谷部教授は、私が文献等を見る限り、自衛隊を違憲とおっしゃってはおられません。
 そしてもう一つ、高村先生から、すぐ近くで攻撃を受けている米艦船、これを何もできない、これでいいのかというお話がございました。私は、これは非常に誤解を受ける発言だと思います。何もできないわけではなくて、我が国には、周辺事態法という法律もございます、あるいは着手という概念もございます。
 先ほど北側先生から若干触れていただきましたが、着手といいますのは、例えば、平成十五年五月十六日、秋山法制局長官答弁がございます。日本を防護する米艦船についてでございますが、「我が国を防衛するために出動して公海上にある米国の軍艦に対する攻撃が、状況によっては、」「我が国に対する武力攻撃の端緒といいますか、着手といいますか、そういう状況として判断されることがあり得る」、こういうふうにもおっしゃっておられるわけでありまして、今回の集団的自衛権、限定的とおっしゃっております、守るべき利益は、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態、これを守るための行使ということであれば、限りなくというか、個別的自衛権の着手と重なるというふうに私は考えるのであります。
 それは国際法上許されない、個別的自衛権の拡大解釈ととられかねないというお話もございましたが、これはもう御存じのように、アメリカ、イギリス初め、個別的自衛権は我が国よりもさらに幅広く考えている国もございます。海外にあるアメリカ大使館に対する攻撃をもって、米国の個別的自衛権というふうに考える国もあるわけであります。
 そして、最後に、四十七年見解をおっしゃられました。この四十七年見解を全て読みますと、第二段落目、まずしょっぱなのところに結論があって、我が国は集団的自衛権を行使し得ない、それについては次のような考え方に基づくものであるということで、第三段落目が一ブロック、二ブロック、三ブロックと分かれております。
 政府は、すぐ、結論の下にある理由づけのところからお話を始めるわけでありますし、第三段落目の一ブロック、二ブロックは基本的規範で、これは変えないんだ、これに基づいて三ブロック目が導き出されるとおっしゃいましたが、しかし、私も質疑をいたしまして法制局長官も認めましたが、この規範であるところの「外国の武力攻撃」という文言が、当時は我が国に対する武力攻撃であったものが、今度は、密接に関係する他国も含まれるということで、規範の部分も変えているわけでございまして、これは到底許される憲法解釈ではないのではないか、説得力が非常にないのではないかということを憲法学者の方も心配していると私は考えております。
 以上です。

発言情報

speech_id: 118904183X00420150611_016

発言者: 長妻昭

speaker_id: 4645

日付: 2015-06-11

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会