土倉啓介の発言 (憲法審査会)

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土倉啓介君 皆さん、こんにちは。
 発言の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 時間が限られていますので、始めます。時間内に発言できない内容は、資料として配付しました文書に掲載しましたので、ごらんいただければ幸いです。
 平成二十七年五月十四日に、自衛隊の活動範囲を広げる安全保障関連法案が閣議決定されました。事実上の海外派兵と同様となりますから、命の危険にさらされる場面がふえるでしょう。紛争地域の平和の維持を図るPKOの警護でも、危険なところは他国の軍隊にお願いするのでは、迷惑になるだけでなく、邪魔になるので、他国の軍隊と同様の武器使用は認めるべきです。
 また、いわゆるグレーゾーン事態での必要最低限の自衛権の行使が曖昧なままでは、危険性が増します。イラク特措法と同様の安全が確保されている非戦闘地域だけしか行わないというのでは、机上の空論です。非戦闘地域にもロケット砲が飛んでくるものと考えるのは、普通のことです。
 国家非常事態や緊急事態でなくても、重要影響事態で後方支援をすれば、武力行使をする敵国とみなされて攻撃対象になりますし、限定的な武力行使では、その脆弱性をつかれ、被害を受けるだけでなく、撤退も余儀なくされることになります。自衛隊だけ一時中止するとか撤退するのでは、法に規定しているとしてアピールしても、逃げ腰だと誤認され、国際社会の信頼は得られないと思います。
 自衛隊のリスクを最小化するとか、極小化する、安全対策をとる、安全確保をすると一方的に言っても、相手は敵です。非戦闘地域を狙わないことはあり得ないです。武力行使できない自衛隊は狙いやすいです。楽観的な見直しである憲法解釈の変更は、迂遠な手法でびほう策を講じているとしか思えません。具体的危険性があるだけでなく、脆弱なもので、自衛隊員を破滅的、危機的状態に陥れることになりますから、反対です。
 私の意見の要旨をごらんいただいた方の中には、戦争を起こそうとしていると誤解された方がおられるかもしれません。そうではありません。私は、過去に何度も戦争はしてはならないと発言してきました。それでも、備えは必要です。保険のように、最悪の事態を考慮しなければならないと思います。
 戦後、日本人の多くは、戦争の反省と後悔をしてきました。核兵器の報復による消滅の危機感を経験した人類は、他国と同様の軍隊を明文化したところで、また同じことを繰り返す愚かな存在なのでしょうか。
 自称イスラム国のテロリズムの脅威が現実にあります。テロリストなどの掃討は必要です。警察権の行使では対処できない場合があります。
 例えば、国外で誘拐、監禁された邦人の問題では、自衛隊に救出をお願いするための問題解決策は必要なのです。その際には、丸腰で加害者等に立ち向かわせるわけにはいきません。憲法改正の反対者は、対案を話し合いのみにしていますが、拉致された邦人の救出はせず、長期間の話し合いで解決しない現状でいいのでしょうか。身内が誘拐されて、身の代金交渉だけでいいとお考えになるのでしょうか。加害者の要求をのめば、またぞろ誘拐されるでしょう。ですから、それなりの武力行使を認めないと、問題の解決には至らないと思うのです。
 事前の国会での承認とか必要最低限の装備や個別自衛権に限定した武力行使は、現場に過度の緊張をもたらし、危険度が増します。さらに、米軍の兵士が日本人を守ってくれるのに、米軍が攻撃されて助けに行かないのでは、日本人を今後守ってくれないことになります。両国の関係にも支障が出ることになります。ですから、米国に限らず、重要な関係国に対しては、集団的自衛権を行使できるようにすべきだと考えるのです。
 以下は、項目ごとに、こうした方がいいのではないかという意味で、私見を述べることにします。
 前文についてです。
 「これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。」「専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」は、抽象的な原理の宣言といえども、わかりにくく、現実と乖離しています。また、必要と思わないので、削除すべきです。必要なら、侵略戦争並びに他国の占領はしないとの文言を入れるのもいいでしょう。
 財政については、国と地方の債務残高は一年間の国家予算の五倍以内とするを新設します。軍事費や集団的自衛権の行使による歳出の歯どめは、この規定により制限します。
 戦争の放棄です。
 九条があることにより、日本が紛争を起こさず他国にも侵略されていないとする意見がありますが、日米安全保障条約及び米軍の核抑止力、思いやり予算があったからこそ我が国は平和と経済的繁栄を享受してきたと考える方が、事実を正確に捉えていると思います。また、米国の核抑止力に依存しなければ、必要最小限度とされる自衛権の行使だけでは我が国の安全は確保できないとする意見がありますが、これはもっともなことだと思います。
 自衛隊は、憲法上、軍となっておらず、装備は不十分なので、個別自衛権の行使能力が乏しいのですから、自衛隊員を含めた国民の生命財産を守り切れないので、憲法改正が必要なのです。最近の政府の集団的自衛権行使に関する解釈変更や安全保障の関連法の整備は、憲法の形骸化あるいは憲法規範の軽視になります。憲法改正なしでは、欺瞞に満ちています。現状の喫緊の深刻な問題を真正面に捉えておらず、現実との乖離が指摘されている以下の条文は改正すべきです。
 戦争の放棄は、国土等の防衛及び自国民の救済とし、条文は、第九条第一項、日本国民は、国際平和を願うが、他国民の侵略行為等やテロリストの非人道的行為により日本国民の権利を侵害されたとき並びに我が国に対し宣戦布告した国等が弾道ミサイル等の発射準備に入った段階で自衛権の行使として武力を行使できるものとするにするのです。
 現状の自衛隊の装備では、化学兵器、生物兵器もしくは毒素兵器または対人地雷に対処できず、多大な被害を受けます。ミサイルは、短距離なら数分以内で届きます。判断する時間の猶予はありませんから、一定の要件において多大な被害を受ける前にミサイル基地を攻撃するのは、自衛権の行使です。自衛隊法八十二条の三の弾道ミサイル等に対する破壊措置では不十分なのです。
 なお、その改正時には、自衛隊法九十五条や周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律の二条二項並びに同法十一条三項も同様の規定を明記すること、並びにPKO法の改正など、同時に変更する必要があります。
 例えば、「対応措置の実施は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。」を、対応措置の実施は、武力による威嚇に当たるものであってはならないにするのです。瞬時の判断を要する場合に備えなければなりません。
 九条二項は、前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力を保持する、国の交戦権は認めるとします。自衛隊を国軍などに名称変更することはふさわしいでしょう。個別的自衛権の、自衛のための必要最小限度の武力の行使では、不測の事態に対処できません。加害者は弱点をつくものだからです。再軍備だとか軍国化と批判されますが、自衛権行使とはいえ、現状に対抗できるだけの武力を備える必要があると思います。この改正に反対意見を有する自衛隊員が退職するのは自由とします。
 国際紛争を解決する組織として国際連合があるので、「国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」は削除すべきです。なお、国際連合にも問題が少なくないことは指摘しておきます。
 そして、三項を新設し、国際協力としての自衛隊の海外派遣と集団的自衛権は以下に挙げる限定的要件のもとに行使できるとします。現在話し合われている安全保障関連法案の限定的な集団的自衛権の行使の要件である存立危機事態は、わかりにくいです。集団的自衛権の行使は抑制的、限定的に行使すべきではないですが、反対の声が多いので、我が国が攻撃され、特定あるいは重要関係国が我が国に対して安全保障条約並びに集団的自衛権を行使している場合に限り、我が国が集団的自衛権を当該国の軍隊の部隊に対して行使できるとします。
 軍事費は、財政上の制限を設定するのは必要でしょう。その制限は、財政赤字の対GDP比は約七%以下としてはいかがでしょうか。
 地方自治についてです。
 地方議会を議院内閣制とし、議員から首長を選ぶという制度をとる意見は賛同します。
 道府県のある地域の市の人口が二百万人を超えるときは、住民投票で、投票者数の四五%以上の得票で道府県と市が合併し都に変更できる、都が複数ある場合で、非常事態が起こった際は、いずれかの都が首都機能を代替できるようにするを新設します。東京一極集中の危険性は、何度も指摘されてきました。やはり危険の分散は必要ですし、バックアップ機能は準備しておくべきです。
 議員を含めた公務員の人件費は、第三者機関で決めます。
 権利、義務。
 十四条には、障害により差別されないようにすることを加える必要があると思います。
 それから、宗教団体の構成員や定住外国人に地方参政権を付与すべきではありません。日本の参政権は、日本国民の固有の権利だからです。宗教の名をかりたカルトやテロリスト等が社会秩序を脅かすからです。
 環境権を憲法に明記する必要はないとする意見には賛同します。人類は、そんな当たり前のことを法制化あるいは明文化しないと守れないのでしょうか。疑問に思います。
 非嫡出子の法定相続分に関する民法規定は、そのままにした方がいいと思います。
 選挙人の投票価値の不公平、格差は第三者機関で是正内容を決め、直ちに是正する、従わないときは選挙無効とするを新設します。
 政教分離。
 神社等の特定の宗教施設に首相や国会議員が参拝するなどの行為は政教分離規定により制限されないを新設します。今こうして平和裏に過ごしていられるのは、命をかけて戦ってこられた方々のおかげなのです。そういう苦難に耐え、戦後日本の復興の礎になられた故人を弔ったり供養することを非難する方が、非人道的だと思います。
 家族、家庭に関する事項です。
 同性でも結婚できるようにし、民法等で、国民は婚姻届の提出の際、選択的夫婦別姓を選択できるを新設した方がいいと思いますから、憲法においても整合できるようにします。
 国会についてです。
 優位に立つ衆議院に対して、カーボンコピーとやゆされる参議院は不要です。違憲審査は裁判所の役割としてあるのですから、チェック機能は参議院の特権ではないのです。迅速な意思決定をするため、二院制を維持せず、憲法改正後の次回の参議院選挙時に参議院を廃止し、一院制を採用します。
 政党の比例候補で当選した議員が所属政党に除名された場合は、自動的に議員資格を剥奪することにします。
 最高裁判所裁判官の国民審査制度についてです。
 裁判員制度で、市民感覚と大きく乖離している二審と最高裁の判断が続いています。裁判員制度による判決が最高裁で覆されるように、一般人が審査するには困難な面があります。弾劾裁判所がありますし、判決文すら読まない人が行う国民審査制度は形骸化しているという意見に賛同しますから、廃止すべきであるとする意見に賛同します。
 憲法改正要件についてです。
 第九章「改正」の第九十六条の「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、」は、この憲法の改正は、議決に出席した各議院の総議員の二分の一以上の賛成とします。あるいは、二分の一以上を過半数とするのでもいいでしょう。
 国民投票法制についてです。
 特定の国民にとって重要な問題について是非を問う国民投票制度を導入します。議会制民主主義を優先すべきだとする意見や、国民の意見を反映するのは危険だとする意見がありますが、国民主権ですし、安全神話のように既得権益を守ろうとしたため、過度な安全に対する誤認があり、津波対策を講じることなく原発の事故が発生したのですから、客観的に判断できる国民投票制度は導入するべきです。
 議案を例示すると、日米安保を解消し、沖縄等の米軍基地を撤去するかどうかや、原発の稼働期間延長の是非、原発をベースロード電源にするか否かです。原子力規制委員会は、最新の知見でも安全を保証できないのです。沖縄等の米軍基地を撤去するかどうかについては、沖縄県内の有権者に限り投票できるようにします。実施は、衆議院議員選挙や知事選挙などと同時にできるようにします。全国一斉にする必要はないです。そして、その結論は、努力義務を政府に課すのではなく、施策に反映するよう取り組まなければならないことにします。
 自民党の日本国憲法改正草案についてです。
 以下に、与党自民党の日本国憲法改正草案対照表について言及します。
 目次を設けるのはわかりやすいと思います。
 前文の、我が国は……

発言情報

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発言者: 土倉啓介

speaker_id: 19152

日付: 2015-09-25

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会