竹田昭子の発言 (憲法審査会)
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○竹田昭子君 主婦の竹田です。
余り詳しい憲法知識があるわけでもなく、深い知識があるわけではありません。ちょっと勘違いしていたところもあるみたいなので、済みません、軽い気持ちで聞いてください。
私が今回の憲法改正草案を見て思うことは、条文のほとんどが改正されており、これは憲法改正ではなく、内容的に見ても新憲法の制定ではないかと思うことです。
改正とは、条文個別の条項を審議して、例えば、九条二項を改正したり、十三条に新しい人権を書き足したりと、個別に条項を改正するのが憲法改正で、条文の全面改正や平和主義など憲法の基本原理を変えるのは、憲法改正ではなく、新憲法の制定ではないかと考えます。
そうであれば、九十六条の範囲をはるかに超え、革命が起きなければできないような新憲法の制定を改正手続でやろうとしていることに疑問を感じます。憲法改正には法的な限界があると思います。全面改正は、この限界を超えていると思います。
さて、憲法の改正には国会の発議と国民の承認が必要とされますが、国民の承認には、その過半数の賛成が必要とされています。有権者の過半数なら問題はありませんが、有効投票の過半数なら、最低投票率を設けるべきです。
余りにも低い投票率では、国民の総意とかけ離れており、後世において、押しつけ憲法ならぬ最低投票率憲法として、またしても改正への口実にされかねません。憲法がたびたび改正されることは望ましいことではありません。
また、低い投票率は、投票をボイコットした人の意思、つまり、改正に反対である人の意思表示と考えることもできます。憲法制定権者は国民であり、国民の意思表示は多種多様であり、低い投票率は、積極的に賛成しないことの意思表示だと考えます。
ゆえに、最低投票率を設け、それを下回る投票率なら憲法改正は無効とするのが、国民主権にそぐうと考えます。
少し話はかわりますが、今回、憲法の改正が認められ、新憲法が制定されたなら、反対した人もその結果には従わなければなりません。気に入らなくても、間違っていると思っていても、新憲法は私たちの憲法となります。
改正された憲法が正しいかどうか、憲法の正当性を考えるとき、その憲法の下で暮らしていく者にとって、その手続の正当性、つまり、憲法がどのような手続によってつくられたか、それが問題になってくると思います。たとえその憲法が正しくなくても、正しい手順を踏み、正しい手続でつくられたなら、憲法の正当性は認められると思います。手続の正当性が憲法の正当性の根拠になると思います。
平成二十二年に施行された国民投票法は、その意味では非常に大切な法律だと思います。手続は、厳格に、納得のいくように定めてもらいたいと思います。
国民投票法の各論に入ります。
まず、国民投票法では、投票期日を国会の発議後六十日から百八十日以内と定められていますが、憲法改正の重要性を考えると、少なくとも一年は必要です。国の根幹になる憲法を改正するのですから、もっとゆっくりじっくり考える時間を国民に与えるべきだと思います。
次に、国民投票運動においてですが、投票期日前十四日間はテレビ、ラジオCMが禁止されますが、情緒に訴えるテレビ、ラジオCMは、最初から全面的に禁止した方がいいと思います。国民は情緒に流されやすく、そのときの雰囲気で投票しかねず、きちんとした判断ができるかどうか、テレビ、ラジオCMでは疑問です。新聞やポスターなど、紙面によるものの方がよいと思います。
次に、投票方法ですが、賛成、反対を選んで丸をつける方法です。全面改正されている草案に、全面的に賛成なら当然賛成で丸でよろしいのですが、一部賛成、一部反対の国民も多いと思います。一部でも反対に丸とした方がいいと私は考えますが、その反対の人もいるでしょう。項目ごとに国民投票に付すという方法もあります。
先ほど説明を聞いて、このことは私が誤解していたことだとわかりました。済みません。
最後に、国民投票法が施行され、憲法改正が現実味を帯びてきました。憲法は権力を縛り、国民の権利と自由を守るものと教えられてきました。憲法改正を政府側から持ち出し、推し進めるのは、危険性を感じます。
憲法の前文に、「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。」とあります。私のお気に入りの憲法の一節ですが、政治家の方々にもう一度この意味を確認していただきたいと思います。
憲法を法律に合わせと立憲主義を破壊するようなことをおっしゃった大臣、憲法は最高法規だと知ってください。安倍首相、あなたの総理大臣というその地位は、憲法によって与えられた地位だと知ってください。憲法を軽々しく扱わないでください。立憲主義をもっと、もう一度しっかり勉強し直してください。
憲法を守らなければならないのは権力者側で、その人たちが自分たちに都合よく憲法を変えてはいけないと思います。
これで私の意見陳述を終わります。