秋山桂子の発言 (厚生労働委員会)

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○秋山参考人 おはようございます。
 本日は、発言の機会を頂戴いたしまして、まことにありがとうございます。
 私は、横浜市金沢区で印刷業を経営している秋山桂子でございます。本日は、中小企業経営者の立場として意見を申し上げます。
 先生方には、日ごろより、中小・小規模企業の成長のためにさまざまな労働政策に御配慮をいただいておりまして、厚く御礼を申し上げます。
 中小企業は、我が国企業数の約九九%を占め、雇用の約七割を担っております。この中小企業が置かれております環境や実態を十分に踏まえた審議をお願い申し上げます。
 初めに、中小企業を取り巻く事業環境について申し上げます。
 大企業の多くは、円安、株高、輸出増などによりまして、今春、大幅な賃上げを実施し、明るい兆しが見えているようでございますが、中小規模企業者の多くは、経営の苦しい状態が続いておりまして、景気がよいという実感はございません。
 なぜかと申しますと、人件費、電力を初め、材料費のコストが上昇したにもかかわらず、市場規模の減少による過当競争によって販売価格に転嫁はできず、利益の出ない、いっぱいいっぱいの経営を続けているのが実情でございます。また、大企業に比べ条件の劣る中小企業には、なかなか人材が集まりません。
 しかし、そんな中でも、私どもの社員は、それを理解し、頑張って働いて、少しでもよい職場環境をつくろうとしております。弊社では、社員が中心となりまして、印刷の廃材を使いまして、アーティストと一緒になって、地域のお子さんとお面やクリスマスツリーなどをつくる活動をしたり、社内にアート作品を展示してフレッシュな気分で楽しく働く工夫をしております。また、地元の和菓子屋さんと共同でパッケージのデザインをして地元名物のお菓子をつくって、横浜型地域貢献企業の認定を受けております。
 印刷業の市場規模は、一九九六年の約九兆円の規模から二〇一三年には約五・四兆円へと縮小しております。インターネットや電子書籍の出現によりメディアが多様化しており、通販による低価格化も進んでおります。また、人件費の安い海外生産や、デザインや生産の一部を日本語のできる中国の大連などでつくるという形態も出ており、海外との競争にも直面しております。
 さて、今後、生産年齢人口が急速に減少する中で、既に多くの企業が人手不足に悩んでおります。東京商工会議所が二月に行った調査でも、売り上げを増加したいが、七〇%の企業では人手不足のためになかなか実現できないという深刻な状況が続いております。
 このような状況を打開するためには、企業みずから生産性を向上させ、イノベーションの実現に取り組まなければなりません。企業は、社員教育やICT化、技術開発を通じて、より付加価値の高い製品やサービスを提供してまいりますが、先生方におかれましても、ぜひ、引き続き御支援をお願い申し上げます。
 今後さらに深刻化する人手不足に対応するために、多様な人材が活躍できる社会の構築が課題であり、男女を問わず、働く意欲のある方が全員参加できるよう、社会が一体となって取り組む必要があると考えております。
 そのためには、若者や女性、高齢者など、働く意欲のある全ての人が個性や能力に応じて活躍できるよう、働き手の多様なニーズに応え、職務や労働時間を限定した勤務形態の普及やフレックスタイム制など柔軟な労働時間制度の活用促進といった、多様な働き方を実現する労働環境の整備は大変重要だと考えております。
 今申し上げた状況を前提に、労働者派遣制度について基本的な考え方を申し上げれば、労働者派遣制度は、企業のニーズだけではなく、働きたい仕事が選べる、働く曜日や時間を選べるといった労働者のニーズをかなえて雇用を創出する、双方にとってメリットのある制度だと考えております。
 企業のニーズという点では、厳しい国際競争の環境で、非常に速いスピードで変化していく顧客、消費者ニーズに対応していくために、企業内の組織も創造力を備えた柔軟なものにする必要がありますが、例えば、急いで立ち上げなければならない部門で専門性を備えた派遣労働者の方に活躍していただくことは、極めて有効であると言えます。
 今回の改正案は、中小企業の職場において判断が難しい専門二十六業務を廃止するなど、わかりやすい制度に改善されている点、また、労働者の派遣期間が満了を迎える場合に雇用安定措置も講じられる点で、とても重要であると理解しております。
 弊社でも、派遣社員で働いていた方が、現場から仕事ができるので正社員にしてほしいという要請があって、本人も正社員になる意向がありましたので、正社員になっていただいた例がございます。
 派遣社員に対する教育訓練、キャリアアップについては、今後も中小企業として積極的に取り組むべきものと考えております。
 企業にとって、働く労働者の質を高めることは競争力の生命線であるということもございますが、私も含めて多くの中小企業経営者にとっては、従業員は家族という思いがあります。直接雇用している従業員であっても、また、派遣会社を入り口にして来ていただいている派遣労働者であっても、この思いは変わりません。従業員とともに成長していけることは、経営者にとって大きな喜びでございます。今後も、さまざまな機会を捉えて、労働者の実際の成長につながる教育を行っていきたいと考えております。
 今回の改正案は、総じて、企業と労働者の双方にとってわかりやすい制度となっておりますし、タイムリーであると評価しております。
 最後に、特定労働者派遣事業の廃止について一言申し上げます。
 現在、この事業を行っている中小規模の優良な事業者にとりましては、事業の断念や、許可要件を満たすために財務的な対応等を迫られることになります。特定労働者派遣事業者には多くの中小企業がありますので、円滑に移行ができるよう配慮をお願いしたいと思います。
 私からは以上でございます。
 先生方におかれましては、本法案につきまして十分な議論を尽くしていただき、早期に成立させていただけるよう願っております。
 どうもありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 秋山桂子

speaker_id: 26519

日付: 2015-06-02

院: 衆議院

会議名: 厚生労働委員会