宮本徹の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○宮本徹君 私は、日本共産党を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
本法案は、景気がどうであろうと、逆進性のある消費税を二〇一七年四月から何が何でも一〇%に引き上げ、一方で、地方税と合わせ、法人実効税率を二・五一%も引き下げようとしています。このような極端な大企業優遇、庶民いじめは、断じて認められません。
本来、税制度は、利益や所得の大きなものに応分の負担を求め、生活に困っている庶民の負担を軽くする所得再分配の機能を果たすものです。
ところが、法人税の実質の負担率は、国税庁の統計でも、資本金階級が大きくなればなるほど低くなる不公平が生じています。所得税の実質負担率も、年一億円を超えると、所得階層が高いほど下がっていきます。
総理、やるべき税制改革は、円安で過去最高の利益を上げている大企業や、株式の運用で大きなもうけのある富裕層へ、担税力にふさわしい負担を求める抜本的改革ではありませんか。本法案は、全く逆であります。
総理は、多くの国民の声を無視して、昨年四月、消費税率を八%に引き上げました。総理は、十七日の衆議院本会議で、昨年四月の消費税率引き上げが個人消費に影響を及ぼしたのも事実と答弁しましたが、国民生活はどのような状態になったでしょうか。
同じ日に発表された総務省家計調査によると、勤労者世帯の全ての収入階級で、二〇一四年の可処分所得、消費支出はともに実質減少となり、高齢単身無職世帯の可処分所得は実質一一%ものマイナスと、個人消費の冷え込みは惨たんたるものです。国民の暮らしは、食費を削り、教育費を削り、洋服代を削り、医療受診の抑制まで広がっております。
総理、国民の暮らしに重大な影響を及ぼし、個人消費を冷え込ませた責任をどう認識しているのですか。
中小零細企業の経営も深刻です。全国の中小業者から、昨年四月から売り上げが落ちたまま戻らず、先の見通しが立たない、仕入れ単価がアップしたが、販売価格に乗せられず、生活が苦しいとの悲鳴が上がっています。
衆議院経済産業調査室が一月に出した、最近の企業動向等に関する実態調査によると、中小零細企業は、売上高の低迷を初め原材料品の仕入れ価格の上昇など、円安がマイナス面に働いたとする回答が大企業を上回っています。
総理が進めた円安と消費税増税が、大企業には莫大な利益を、中小零細企業にはアベノミクス不況と言われるような経営悪化をもたらしたことは、明白ではありませんか。
貯蓄ゼロ世帯は三割を超え、深刻な貧困が広がりを見せています。内閣府がことし一月にまとめたミニ経済白書では、消費税増税後に低所得者の収入と消費が最も大きく落ち込んだと分析しています。その原因が、低所得者層での非正規労働者の拡大と消費税増税の影響であることは明白です。
総理、低所得者ほど負担が重く、逆進性の強い消費税のさらなる増税が、一層の格差と貧困を広げるという認識はありますか。
消費税率を引き上げるとき、総理は、財政再建のため、社会保障充実のため、こう言ってきました。総理は、今国会でも、社会保障制度の財源としては消費税がふさわしいと何度も繰り返していますが、なぜ消費税なのでしょうか。
社会保障制度とは、所得を再分配し、全ての国民に健康で文化的な最低限度の生活を保障するものです。低所得者ほど重い負担となり、健康で文化的な最低限度の生活を壊す消費税増税は、社会保障制度の財源としては最もふさわしくないと言わなければなりません。
総理、消費税増税のたびに、国民の暮らしと中小零細企業の営業を壊し、景気を後退させてきました。二〇一七年に消費税率一〇%を強行するならば、この過ちを繰り返すことになります。消費税一〇%は、きっぱり断念すべきです。
次に、法人税について質問します。
来年度の税制改正は、企業は収益力を高めれば継続的な賃上げが可能となるとし、稼ぐ力のある企業への減税を進めるとしています。しかしながら、輸出企業を中心とする大企業は、円安を背景に巨額の利益を稼ぎ、内部留保も二百八十五兆円にまで膨れ上がりました。
総理、大企業だけがもうかることで、どうして全国の労働者の継続的な賃上げになるのでしょうか。しかと説明していただきたいと思います。
本改正による法人税率の引き下げは、黒字大企業中心に一兆六千億円もの減税をもたらすものです。
与党税制大綱は、二〇一六年度以降も法人実効税率をさらに引き下げ、数年で二〇%台にしようとしています。これは、財界の身勝手な要求にほかなりません。大企業優遇を一層拡大する税制措置は、断じて容認できません。
総理、法人税率の引き下げ競争は、各国の財政事情を悪化させ、世界で大問題になっております。今必要なことは、法人税率の引き下げ競争をやめさせることです。
総理、国際的な協調で法人税率を引き上げるために、日本政府こそ、積極的な役割を発揮すべきではありませんか。
政府は、法人税率引き下げの財源として課税ベースの拡大を行うと言い、その一つとして、研究開発減税の縮減を挙げています。ところが、本法案では、研究開発費がふえなくても減税される総額型の拡充をしているではありませんか。
研究開発減税は、その九二%が大企業に恩恵をもたらすものです。二〇一三年度で見ると、前年度比一・六倍近い六千二百四十億円に膨らみ、何とトヨタ一社で一千二百億円もの巨額な減税の恩恵を受けています。研究開発減税の二〇%を一社で享受していることになります。
総理、このような大企業優遇制度こそ縮減するべきではありませんか。
外形標準課税の拡大が重要な財源と位置づけられていることも大問題です。
外形標準課税は、給与総額にも課税するものです。赤字企業まで増税となるのがこの税制です。外形標準課税が拡大すれば、税負担を避けるために、派遣や請負への置きかえが進むのは明らかではありませんか。
また、外形標準課税の中小企業への拡大の検討が与党税調の税制改革大綱に盛り込まれているのは重大です。中小企業は、七割が赤字でありながら、懸命に地域の雇用を支えています。総理は、国会質疑の中で、外形標準課税の中小企業への拡大は慎重に検討と述べましたが、中小企業の廃業や倒産をさらに広げる外形標準課税の拡大は断念すべきであります。
日本共産党は、消費税増税に頼らない道を提案しています。富裕層や大企業を優遇する税制を改め、国民の家計を応援する政治に抜本的に切りかえることを求めて、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕