小熊慎司の発言 (本会議)

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○小熊慎司君 維新の党の小熊慎司です。
 維新の党を代表して、通告に従い、質問をいたします。(拍手)
 地方創生は安倍内閣の重要課題の一つであると位置づけ、これまで非常に複雑で大きな課題に真正面から取り組んでこられました。現在、本院におきましても、本会議や委員会などで真摯な議論が積み重ねられているところです。
 少子高齢化、地域の過疎化などの課題を抱える課題先進国として、今後、我が国がいかに問題を乗り越えていったかという姿勢を世界に示すことで、国際社会におけるフロントランナーとしてリーダーシップを発揮することが可能になりますが、その道は大変に険しいことは言うまでもありません。
 そもそも、少子高齢化対策や人口対策は、これまで、それぞれの地方や国が何もしてこなかったわけではなく、必死に努力を積み重ねてきたところですが、残念ながら、大きな流れを変えるには至っていないのが現状です。
 これまで行われてきた施策や使われてきた巨額の予算によって地方がどのようになったのか、十分に検証した上で今後の地方創生を図らなければ、的確な政策は打ち出せないはずです。
 戦争や疫病の流行といったことなどを除けば、社会構造の変化による短期間での人口減少ということは歴史上経験したことのない課題であり、その解決には、これまでの慣例やしがらみにとらわれない覚悟ある対策が必要です。
 そこで、質問に移ります。
 まず、国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案についてです。
 地域における仕事を創出していくことは地方創生の一つの大きな鍵ですが、地域での教育、人材育成をどうしていくかということは、それ以上に重要な鍵となります。
 今回の法律案に盛り込まれている都市公園内の保育所設置や公立学校の民間運営の解禁については、保育と教育の規制緩和の一歩前進で、地域における教育のあり方の多様性を可能にするものであり、一定の評価をするところです。
 しかしながら、国家戦略特区については、全般的に改革のスピードが大変遅いと言わざるを得ません。少子高齢化への対応としても、ある程度の評価ができる取り組みはそう多く見受けられません。
 地方に人口が定着しない大きな理由として、教育環境の問題があります。そもそも、大学などの高等教育機関が東京に集中し過ぎていることも大きな問題です。
 そこで、小中高から大学に至るまで、より多様な教育の形を認めるような大幅で大胆な規制改革が特区でも全国でも必要と考えますが、政府の考えをお伺いいたします。
 地域における雇用の創出、また、自然環境、国土の保全のために農業の果たす役割は、大きな期待を持って注目をされています。しかしながら、現状は、就業者の高齢化や低収入等の課題を抱えており、抜本的な改革が求められています。
 農業の活性化のためには、株式会社などの参入の促進が必要で、そのために、株式会社の土地所有解禁や、農業生産法人を通じた土地所有を容易にするべきと考えます。
 そこで、政府はなぜ、一旦は検討された農業生産法人への出資要件の緩和を断念されたのか、お伺いをいたします。
 また、地域の雇用創出のために、全国の自治体がしのぎを削り、企業誘致に努力をしています。
 国家戦略特区内の一部地域では、法人事業税や固定資産税の減免等の地域独自の優遇措置を行い、住民サービスの財源を削ってまで企業誘致を行っています。
 ところが、こうした減免により、法人税の損金が減ってしまい、国税負担が逆に重くなって、地方税の減免効果が減殺されてしまっているのが現状です。
 こうした状況が生じてしまうことは、国の方針に整合性がないと言わざるを得ませんが、政府の考えをお伺いいたします。
 次に、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案、いわゆる第五次地方分権一括法案についてお伺いをいたします。
 明治以来、我が国は、中央集権型のシステムで近代化をなし遂げ、発展をしてきました。しかし、現在の社会状況下で、従来のような全国一律の基準でさまざまな課題に対応していくには、限界が生じています。
 地域の問題を解決するために、市町村は県に、県は国にお伺いを立てるといった中央集権的な仕組みや考え方に終止符を打ち、個人、そして地域が自立できる社会システムを確立し、個人、地域の創意工夫、民間の自由な競争によって経済と社会を活性化する必要があります。
 国の将来を切り開いていくためには、より効率的で自律分散型の統治機構を確立することが急務で、さまざまな分野における抜本的な改革が求められています。
 今回の法律案はそうした改革を進めるものではありますが、残念ながら中途半端な改革にとどまっている取り組みも散見されます。社会状況の激変を踏まえれば、漸進的ではなく急進的に行わなければなりません。巧遅は拙速にしかずとも言います。
 そこで、お聞きいたします。
 農地転用許可について、二ヘクタールから四ヘクタールの転用に係る国との協議の廃止は評価をするところではありますけれども、四ヘクタールを超える農地転用については国との協議を残しており、地方が大規模な再開発を行う際の大きな障害となってしまいます。
 この点については、岡山県知事なども批判をしておりますが、なぜ国との協議を残したのか、お伺いをいたします。
 また、公共職業安定所、いわゆるハローワークについても、早期に権限を地方に移譲すべきです。指定都市市長会からも業務移管に関して提案がなされるなど、地方の要望が強いにもかかわらず、改革が進んでいません。
 国は、こうした改革に、地方の声を聞かず、なぜ後ろ向きで認めないのか、理由をお伺いいたします。
 次に、地域再生法の一部を改正する法律案についてお聞きいたします。
 企業の地方拠点強化税制は、地方創生の目玉の政策の一つであり、大企業の多くが首都圏に集中している状況を是正し、地方での雇用を創出することを目的とされています。その目的そのものについては否定をするものではありませんが、その実効性と効果を厳しく検証しなければなりません。
 地方創生長期ビジョンは、この政策の重要業績評価指標、いわゆるKPIは、二〇二〇年までの五年間で企業の地方移転を七千五百件としております。この評価指標が単なる企業移転数のみでは、地方創生のための課題解決に結びつけるには十分ではありません。
 例えば、都市と地方の賃金格差に切り込まなければ、企業が地方に移転しても、地方の安い賃金に合わせられてしまう状況が生じます。また、これまで真面目に地方に税金を納め、貢献してきた既存の企業への配慮も必要です。
 つまり、量だけの指標ではなく、その質も問われなければ、さまざまな課題が生じてその目的を達成することができない竜頭蛇尾の政策になると考えられます。
 そこで、企業の地方拠点強化税制の指標には、より実践的な地域経済への効果などを掲げるべきではないでしょうか。見解をお伺いいたします。
 あわせて、先の政策指標にも見られるとおり、この政策は、企業誘致で全国に拠点都市をつくろうとしています。過去何十年間も繰り返されて効果のなかった国の企業誘致政策とは何が違うのか、お聞きをいたします。
 さらに、今回の地方拠点強化税制は、集中地域以外は全て地方活力向上地域の対象となり得ます。めり張りもなく、どこでもいいから地方を支援というのでは、国の目指す方向が、過去の地域政策と比べても、さらにわかりにくくなるのではないでしょうか。政府の認識をお伺いいたします。
 また、関東の多くの都市、大阪市全域、京都市、神戸市、名古屋市などの一部が支援対象外となっています。この点について、我が党内でも激しく議論がなされ、政府に説明を求めたところ、首都圏整備法や近畿圏整備法などが根拠となっていると説明を受けたところです。
 しかし、これらの法律は、太平洋ベルト地帯が一体として発展した高度成長時代の大変古い法律です。東京の一極集中是正が課題の現代には全くそぐわないと言わざるを得ません。御見解をお伺いいたします。
 同時にお聞きいたしますが、国は、地域再生法三条で、地方公共団体の自主性及び自立性を尊重する義務を負っています。本来、重要な法改正にあっては地方の意見を十分に聞くべきであります。さきに挙げた諸都市だけでなく、東京二十三区も多様であり、それぞれの区の意見もあるはずです。
 地方活力向上地域から外れる地域の首長からヒアリングなどをなぜ行っていないのでしょうか。今後はその予定があるのでしょうか。お伺いをいたします。
 そして、この制度で認定事業者が本社移転などの際に借入などを行うときは、独立行政法人中小企業基盤整備機構の債務保証を利用できるとしています。しかし、同機構の産活法の債務保証業務は、一昨年十二月に独法評価委員会からは廃止を含めた見直しの勧告も出ており、経済産業省におきましても見直し方針を出しているところです。
 この独法に新たな債務保証事業を始めさせることは、地域再生よりも、むしろ、国の独法の無駄な業務を温存、拡大するだけにはならないか危惧されるところですが、見解をお伺いいたします。
 さて、人口減少についての地方創生長期ビジョンでの目標は、二〇六〇年までに人口一億人を維持することを掲げています。この目標のためには、出生率を一・八までに高めなければならないなど、大変厳しい目標であり、社会保障・人口問題研究所の推計では、二〇五〇年を待たずして一億人を割ることが示されているのが現実です。
 現時点で日本の人口は約一億二千七百万人で、人口一億人の維持とはいうものの、政府の目標値は、二割以上現在から人口が減ることを覚悟しているわけです。
 しかしながら、東京圏では二〇五〇年代まである程度人口が維持されるのに対し、ほかの地方ではそれ以上に急速に人口が減ることがさきの研究所の推計でも示されており、二割以上の人口減少が全国一律で生じるわけではなく、地方間での人口の格差が予測をされています。
 そこで、国全体で一億人の人口を維持というだけでは、どのような国の姿を目指しているのかが不明確になり、具体的な政策についても、その方向性や整合性に問題が生じることとなります。人口の総数だけではなく、人口移動のあり方や、各地方間での人口減少の格差が大きくなり過ぎないようにするなど、政府として、ある程度の方向性を示し、目標をつくるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 人口減少時代に、地方の成長戦略のないまま、どの地方も住民や企業を誘致し合うようになると、日本全体がマイナスの人口の状況の中では、ゼロサムゲームどころではなくて、マイナスサムのゲームになってしまいます。地方政策は、地方が新たな価値を生み出すプラスサムを生じさせることを目指すべきです。
 東京への集中是正を最優先と考えるならば、大阪都構想を実現し、大阪をグローバルな都市間競争で勝てる都市圏にしたり、また、さまざまな日本全国の都市の活性化を目指し、道州制を導入して国の権限、財源を一括して地方に移譲するなど、真に地方が主役になる政策を目指すべきであると考えます。
 この人口減少の問題は、現代における我々に課せられた、与党、野党ということではなくて、政治に課せられた重要な、乗り越えなければならない課題であります。

発言情報

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発言者: 小熊慎司

speaker_id: 18041

日付: 2015-04-24

院: 衆議院

会議名: 本会議