齋藤健の発言 (本会議)
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○齋藤健君 自由民主党の齋藤健です。
ただいま議題となりました政府提出の農業協同組合法等の一部を改正する等の法律案について、自由民主党を代表して質問いたします。(拍手)
今、我が国農業は大きな曲がり角にあります。日本は、既に人口減少社会に突入しているわけですが、これからはさらに急速に人口が減少していくと見込まれています。二〇五〇年には、今より人口が三割も減少するという推計があります。
人口が減れば、農産物の国内消費も減ります。当然です。今のままの農業を続けていたのでは、じり貧は避けられない。日本の農業は思い切って大きく改革に踏み出さなければならない、そういう瞬間であります。
一方、日本の農産物の流通だとか加工だとか輸出といった側面に着目すれば、これほど伸び代を感じさせる分野もありません。安倍内閣が農業は成長産業だと言うのは、実はこの点に着目したものだと思います。
ですが、この伸びる分野には、流通業や製造業など、今まで農業には余り関心のなかった方々が着目をし、既に参入が進んできております。人口減少に耐え、さらに成長産業として我が国農業の地平線を切り開いていくためには、この分野での付加価値をいかに農業の生産サイドに取り込んでいくか、まさにこの一点にかかっていると言っても過言ではありません。
かかる観点から、安倍政権においては、若者たちが希望を持てる強い農林水産業と美しく活力ある農山漁村をつくり上げようという明確なビジョンのもと、多くの農政改革に取り組んできました。
農林水産業・地域の活力創造プランを策定し、また、新しい食料・農業・農村基本計画を決定するなど、需要フロンティアの拡大、需要と供給をつなぐバリューチェーンの構築、生産現場の強化の三本柱から成る産業政策と、多面的機能の維持発揮を柱とする地域政策を車の両輪として組み合わせ、過去の政策を新しい時代にふさわしいものに整理し直し、まさに農政の大改革に取り組んできたと認識をしております。
しかしながら、農業政策の改革だけでは、実は十分ではありません。農業に携わる方々の意識改革、そして農業者の皆さんと常日ごろ接する関係組織の改革が伴わねば、幾ら農業政策だけをいじっても、効果は限定的にならざるを得ない。つまりは、時代認識を共有した上で、政策の改革と組織の改革と農業者の意識改革の三つが伴わねばならないということであります。
今回、農協、農業委員会、農業生産法人の見直しを行うことになったのは、この組織面での改革に相当するものと私どもは理解しております。
まず、農協改革であります。
農協は、農業者の協同組織であり、農業者が農協を通して農産物を販売したり、生産資材を購入すること等によりメリットを受けられるものでなければなりません。
六十七年前の農協の設立は、戦後の農業の疲弊と日本の食料危機を克服すること、さらには農地解放の成果の定着を狙いとして、農業者の協同の取り組みを進めてきました。
その後、六十年前に設立された中央会は、全国各地に多数設立された小規模零細農協の監査と経営改善を狙いとして、役割を果たしてまいりました。
しかしながら、時代は変わったんです。今や、食料は過剰基調であり、農産物を有利に販売するためには、まず消費者、需要者のニーズに対応した販売努力が不可欠であり、また、国内の食料マーケットが縮小に向かう中で、海外への輸出を視野に入れたり、六次産業化により川下の付加価値を取り込んだりしなければなりません。
つまりは、今までおつき合いのなかった分野の方々と協力をしながら、付加価値を農業分野に取り込んでいくという、したたかで強い農協に変貌を遂げていかなくてはならない。
また、農業者も高齢化する一方で、担い手農業者と兼業農家に階層分化するなど、組合員も実に多様化してきています。
さらには、過疎化が進む中山間地と都市近郊地域では、進む道も大きく異なるでしょう。
要するに、地域によって農協のやるべき経済事業が非常に多様化しているということであり、こうなると、地域農協が、それぞれの地域の事情に応じて、自由で独自の経済事業を展開することによって可能性を広げていく、そういう環境が何より大事だということになります。
もちろん、既にこういった努力をされている地域農協もありますが、これをさらに強化し、全面展開していかなくてはならなくなっているということでございます。
一方、地域農協のあり方が変われば、当然、連合会、中央会のあり方についても所要の見直しが必要になってきます。同時に、農協は、地域社会の安定に貢献し、地域の社会的組織としての役割も果たしており、この点への配慮も欠かせません。
今回提案されている農協改革案は、このような大きなスケールの中で六十年ぶりに断行されるものであり、単なる組織いじりという批判もあるようですが、理解に苦しみます。
まず、安倍総理にお伺いいたします。
総理は、農協改革を断行するとの強い決意を繰り返し表明されていますが、農協改革の狙いと、これにかける思いを改めてお聞かせください。
次に、この改革を進めていく上で、今回の農協法の改正の一番大事な具体的なポイントは何なのか、農林水産大臣の答弁を求めます。
特に、農協の監査について、農協監査士による監査から公認会計士による監査への移行がうたわれていますけれども、その狙いと、移行に当たっての配慮についてお伺いをいたします。
また、今回の農協改革により、農業はどう変わっていくのか、あるいは変わっていくべきなのか、農林水産大臣の答弁を求めます。
次に、農業委員会と農業生産法人の改革について、時間も限られておりますので、一言だけお伺いいたします。
この農業委員会と農業生産法人の改革が、これまで政府が進めてきた一連の農政改革の中でどのような意義を持つものとして位置づけられるのか、農林水産大臣の答弁を求めます。
今回の農協、農業委員会、農業生産法人の改革に当たっては、自由民主党としても丁寧な議論を積み重ねてまいりました。
昨年六月に改革の基本的方向を定め、本年一月から二月にかけては制度の骨格を決め、それを踏まえて法案の詰めを行ってまいりました。党内の会議では、二時間を優に超える会議だけでも八回開き、正直、途中、激しい意見の対立もありましたが、最終的には、関係者合意のもとに今回の法案の提出にこぎつけました。
人口減少によるじり貧を回避し、農業を成長産業化していくためには、冒頭申し上げましたように、農政の改革だけではなく、関係組織の改革、そして現場の意識改革と三つそろわなければなりません。
残された時間は短い。本法案の早期成立により、三つ足をそろえた戦列が一刻も早く構築できますよう心から念願して、質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕