佐々木隆博の発言 (本会議)

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○佐々木隆博君 民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました、政府提出、農業協同組合法等の一部を改正する等の法律案、民主党・無所属クラブ提出、農業協同組合法の一部を改正する法律案について質問をいたします。(拍手)
 さて、皆さん、朝食、何を食べられましたか。昼食、何を食べられましたか。私たちがこれから議論をしようとしている法案は、きょうそしてあしたも、皆さんが安心して食べ、血となり肉となり骨となる、日本の安全で高品質の農産物をいかに守り、いかに育てていくのかという、私たちの暮らしそのものにかかわる極めて重要な法案であります。
 この重要法案の審議を前にして、ここにお集まりの与野党問わず多くの農業県出身議員の方々を代表して、まず一言申し上げたい。
 民主党は、農家の所得向上と営農の継続を確保するため、農業者戸別所得補償制度などの施策を実施することで、集落営農数の増加や過剰作付面積の減少など、着実な成果を上げ、加入者の高い評価を得てきました。
 しかし、将来の見通しもつかない中、戸別所得補償制度の廃止を突然打ち出した結果、米価は史上最悪の下落を記録することとなりました。自民党がどのように農業の活力をそぎ、戦後農政を通じて農家を苦しめ弱体化させていったのか、まさに今見せつけられる日々であります。
 総理、もうあなたに農政を任せることはできません。民主党は、本法案の審議を通じ、農家の皆さんとともにその涙をともにし、受けとめた怒りと嘆きを追及の源泉にし、徹底した審議を行ってまいることをまずもってお約束いたします。
 まず、政府提出の農業協同組合法等の一部を改正する法律案について、お伺いいたします。
 政府・与党が掲げてきた農業所得倍増についてお尋ねいたします。
 自民党では、政権復帰後、平成二十五年十二月に決定された農林水産業・地域の活力創造プラン、昨年六月の日本再興戦略の改訂などにおいて、農業、農村の所得倍増を目指すことが明記されております。
 多くの農家の皆さんは思ったことでしょう、自分の所得が倍になるんだと。しかし、これは全くのでたらめであります。
 先般の食料・農業・農村基本計画決定に際して示された「農業経営等の展望について」において、倍増の根拠となるデータが公表されました。ここで明らかになったのは、農業所得は一・二倍になり、農村地域の関連所得が三・八倍になることで、二〇二五年度には二〇一三年度比で農業、農村所得が倍増するというものでありました。
 しかし、農村地域の定義がないことから、そもそも、なぜこの金額が農村へ帰属するのか、これまで明確な回答はありませんでした。絵に描いた餅とはこのことであります。
 総理、何よりもまず確認させていただきたい。農業所得が倍になるとの説明は、誇大広告そのものであります。今後は使うべきではないと考えますが、総理の明快な答弁を求めます。
 次に、今後の農政を大きく左右するTPPの交渉状況についてお尋ねいたします。
 TPP交渉において大きなステップとなる日米首脳会談が先ごろ終了いたしました。この間の協議での焦点について、報道で知る程度ではありますが、政府においては、米国産主食用米の輸入量に特別枠を設定し、その量をふやすことを検討しているとのことであります。このままでは、国内では、将来における米の所得補償交付金を廃止、飼料米への交付金をふやし、主食用米の生産を抑えておきながら、海外からの主食用米をふやすようなことになりかねません。
 TPP交渉合意のためなら、日本の農家は家畜の米をつくり、日本の消費者は日本の米ではなくアメリカの米を食べろということでしょうか。
 そもそも、このような交渉がなされること自体、衆参農林水産委員会の行った決議をたがえるものであり、断じて許すことはできません。
 今後のTPP交渉において、衆参決議、そして重要五品目を守り切る、守り切れなければ交渉から脱退すべきと考えますが、総理の答弁を求めます。
 加えて、交渉状況の情報開示についてもお伺いいたします。
 TPP交渉参加国の中には、国会議員に対して、交渉に関する情報を積極的に開示している国もある中、日本ではなお、交渉状況が全くつまびらかになっておりません。
 このような状況を踏まえ、民主党では、維新の党と共同で、TPPなど国民経済に大きな影響を与える通商交渉について国会への情報開示を義務づける法案を先日提出しました。
 このような再三の指摘、またアメリカでの状況を目の当たりにし、西村副大臣も、政治家としての信念から、今回、正直にその必要性を御発言されたものだと考えております。
 ならば、西村副大臣の上司である甘利担当大臣にお伺いいたします。アメリカと同様、国会議員へ交渉文書の開示を認めていただけますね。明快な答弁を求めます。
 農協、農業委員会改革についてお伺いいたします。
 私たち野党の多くは、この代表質問に臨むに当たってもなお、なぜ農協改革が必要なのか、農協を改革すれば、なぜ農家の所得がふえるのか、政府のこれまでの説明に対して全く納得ができておりません。監査権限を分離すれば、中央会制度を廃止すれば、農協の営農指導は充実するのか、全く理解ができません。
 端的にお伺いいたします。農協や農業委員会を改革すれば、政府・与党が目指す農業所得倍増は本当に実現するのか。その因果関係について、総理の明快な答弁を求めます。
 中央会制度についてお伺いいたします。
 農協改革の議論が始まったやさきから再三言われてきたのが、全中が地域農協の自由を奪っているというふれ込みでありました。
 しかし、日本農業新聞が行った農協組合長向けのアンケートにおいては、実に九五%以上の組合長が、中央会制度によって経営の自由を奪われていないと回答しています。民主党でも、複数の農協関係者からヒアリングをいたしましたが、そのような事実は一例も聞くことができませんでした。
 農協が農業の成長を拒んでいる、そのような悪者とのレッテルを張り、戦後農政の失敗を農協だけに押しつけているのが今回の農協改革の実態ではないでしょうか。
 そもそも、何十年にもわたって農政を担ってきたのは誰ですか。自民党の皆さんではないですか。六十年ぶりの改革とうそぶくならば、戦後農政の失敗について、まずみずからの誤りを明確にしてこそ改革の出発点だと考えますが、総理の見解を求めます。
 単位農協の理事資格についてお伺いいたします。
 農協法改正案では、農協理事の過半数を、原則として、認定農業者、農産物販売や経営のプロにすることとしております。なぜこのような規定を設けたのでしょうか。
 食料・農業・農村基本計画では、担い手を、認定農業者、認定新規就農者、集落営農と位置づけています。しかし、認定農業者は、全国で一三・五%しか存在しておりません。そもそも、認定農業者は、農業経営資金借入要件を定めた経営基盤強化法の十二条に、「農業経営改善計画を作成し、これを同意市町村に提出して、当該農業経営改善計画が適当である旨の認定を受けることができる。」と規定されているのみであります。
 政府は、認定農業者に何ら責任を持っていません。農地利用面積でも四九%程度の人々に、何ゆえ政策を限定させようとしているのか、農林水産大臣の答弁を求めます。
 全中の監査権限見直しについてお伺いいたします。
 監査権限の見直しは、農協改革の議論において、最終盤、大きな論点となりました。これまでは、監査権限を見直す理由については、信用事業が大きくなるので、他の金融機関とイコールフッティングではない、内部監査では十分な健全性が確保できないとの批判があったためとされ、民主党政権においても、同様の理由で、見直しの必要性について検討を行ってまいりました。
 しかし、今回の農協改革における監査権限見直しの理由は、農家所得の向上という、これまでの説明とは全く異なるものであります。
 農林水産大臣にお伺いいたします。
 全中の監査権限を見直せばどのように農家所得が向上するのか、その因果関係について明確に御説明ください。
 農業委員会改革についてお伺いいたします。
 長らく優良農地の確保、耕作放棄地の発生防止の中心を担ってきた農業委員会も、今回、戦後最大の体制変更を迫られています。その最たるものが、公選制の廃止であります。
 農業委員は、農地転用という極めて重要な権能を有することから、長らく公選制を維持してきました。今回の公選制廃止の論拠として、その選挙を行った委員会の割合が少ないことが挙げられています。
 しかし、なぜそれが理由になるのでしょうか。地域の農業者が選ぶその制度こそ、農業委員会への信頼を確保し続け、農地転用の公正性を担保してきたのではないでしょうか。
 改めてお伺いいたします。なぜ農業委員会の公選制を廃止する必要があるのか、農林水産大臣の答弁を求めます。
 あわせて、鳴り物入りで始まった農地中間管理機構についてお伺いいたします。
 農地中間管理機構は、総理が進める農政改革の一丁目一番地として、実に四百五十億円の予算を積み上げ、二十三万ヘクタールという高い目標を掲げて事業を行ってまいりました。その成果いかんを検証してまいりましたが、予算の執行率はわずか三・五%、貸し付け面積は調査中を繰り返すばかりで、一部提出のあった貸し付け状況を足し上げても、目標に達しなかったことは明らかであります。
 総理、高らかに宣言して始まった農地中間管理機構は、このままでは失敗に終わるのではないでしょうか。総理の見解を求めます。
 次に、民主党・無所属クラブ提出の農業協同組合法の一部を改正する法律案についてお伺いいたします。
 同法案では、政府案と比較し、監査や中央会制度については大きな変更を加えず、他方、総則に新たな条を設け、地域農協の役割の重要性を位置づけております。その意義を御説明ください。
 さて、安倍総理は、今国会冒頭の施政方針演説において、今回の農協改革を戦後六十年ぶりの大改革、そう言われました。しかし、私たちは、戦後六十年以上にわたり、おごり、うそぶき、おもねり、そして何よりもつまずいてきた自民党農政の失敗を議論し、それを繰り返さないための教訓を得るための好機であると考えております。
 総理、徹底的にやろうではありませんか。皆さんがいかにこれまで農家を欺き、そして今もなお欺こうとしているのか、徹底的に審議で明らかにすることをお約束し、私の質問といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

発言情報

speech_id: 118905254X02320150514_011

発言者: 佐々木隆博

speaker_id: 13691

日付: 2015-05-14

院: 衆議院

会議名: 本会議