近藤昭一の発言 (本会議)

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○近藤昭一君 私は、民主党・無所属クラブを代表し、また、昨日、戦争法案とも言われる安保法制がわずか十数分で閣議決定されたことに不安を持つ多くの声を受けとめ、ただいま議題となりました安倍総理大臣の訪米報告について質問を行います。(拍手)
 今回の訪米で安倍総理は、日本の総理大臣としては初めて、米議会上下両院合同会議において演説をされました。演説では、日米関係を希望の同盟と呼び、アメリカと日本、力を合わせ、世界をもっとはるかによい場所にしていこうと述べ、日米関係の蜜月ぶりを強くアピールしようとする意図のものでした。
 しかしながら、その内容は全般的に前のめりの演説内容であった感が否めません。とりわけ、今回の安全保障法制について、戦後初めての大改革です、この夏までに成就させますと約束をしたことは、前のめり、上滑りの最たるものであります。
 言うまでもなく、その時点においては、安全保障法制について閣議決定もされておらず、条文の内容も明らかにされておりませんでした。我が国の国会に対して法案の内容についてきちんとした説明がなされていないにもかかわらず、外国の議会においてその成立について約束するなど、言語道断、見当違いも甚だしいものではありませんか。
 安倍総理の視線は一体どこを向いておられるのか。我が国の国権の最高機関である国会を飛び越えて、遠く海の外を向いておられるようにしか思えません。日本の総理大臣としてののりを完全に越えてしまったと言わざるを得ません。
 なぜ外国の議会でこのような約束をされたのか。安倍総理は、三回の選挙で公約として約束してきたとおっしゃいますが、私が選挙を通じていただいた声は、その方向を危ぶむ声であり、世論調査においてもその懸念があらわされています。その経緯を含め、きちんとした説明を求めます。
 また、総理は、演説において、国際協調主義に基づく積極的平和主義という言葉を用い、日本の将来を導く旗印になると言われました。しかしながら、総理の言われる積極的平和主義という言葉に、私を含め多くの国民は言い知れぬ違和感と不安を感じています。
 軍事力で威圧をし、紛争が起これば武力で対処するのではなく、紛争の原因をなくす最大の努力をしようとするのが日本国憲法の立場であります。飢餓、貧困、人権侵害、差別、環境破壊といった構造的暴力をなくし、平和的に生存する世界をつくり出すために積極的な役割を果たすことこそ、日本が行うべき具体的な真の平和主義であり、平和創造だと考えます。
 なお、演説では、歴史認識について、さきの大戦における痛切な反省を胸に歩みを刻み、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目を背けてはならないと述べる一方で、従来の村山談話や小泉談話等で用いられた侵略やおわびという文言については、結局用いられることはありませんでした。
 私は、苦しみを与えた事実を認識してそれを反省することと、当事者に向かってそれをおわびすることは異なることだと考えます。反省を胸に刻むだけでは、気持ちやメッセージは伝わりません。このことについての総理の御見解をお尋ねします。
 また、今夏に予定されている戦後七十周年談話においても同様に、侵略やおわびという言葉を使うおつもりはないのか、お尋ねをいたします。明快にお答えいただきたいと思います。
 さて、今回の訪米にて安倍総理は、日本国内にて議論や理解が十分に整っていない事柄について、米国に無責任な約束をし、過剰な期待を抱かせてしまったのではないかと危惧しております。
 そのさらなる例が、今回の総理訪米に先立ち合意された日米ガイドラインについてであります。新日米ガイドラインにおいては、日米両国は、アジア太平洋地域及びこれを超えた地域の平和、安全、安定のために主導的役割を果たすとされました。
 しかしながら、我が国の自衛隊は、装備や人員、予算等の点で、これらに対応できるだけの余力といったものを持ち合わせているのでありましょうか。PKOだけでも相当な負担となっている現状に加え、グローバルな他国軍支援など、全世界的に自衛隊の活動範囲を展開することは行うべきことなのでしょうか。また、果たして、現実的にどこまで可能なのでありましょうか。
 我が国の領土、領海を守る任務をおろそかにするわけにはまいりません。過剰な期待を米国に抱かせることは禁物だと考えますが、このことについて総理の見解をお伺いいたします。
 一方、日米関係を支える沖縄が直面する苦難について、総理はどれほどの決意を持って、今回の訪米で米国に実態を伝えようとしたのか、その姿勢に関して私は疑問を感じます。
 総理の御祖父であられる岸信介総理大臣は、五十八年前の訪米時において、沖縄返還問題について、米側に対し、すぐにでも返還してくれと国民感情を代表して強く主張したとみずから語っておられました。
 一方で、安倍総理は、今回の日米首脳会談において、沖縄における基地負担に苦しむ沖縄県民の感情を米国側にどこまで切実かつ真摯に説明をされたのでしょうか。今回の日米首脳会談において、沖縄の基地負担軽減について米側とどのようなやりとりがあったのか、普天間飛行場の五年以内の運用停止の件も含め、具体的に説明願います。
 核兵器不拡散条約、NPTに関する日米共同声明では、日本と米国は、核兵器のない世界の平和と安全の追求及びNPTへのコミットメントを再確認することが示されるとともに、広島及び長崎の被爆七十年において、我々は、核兵器の使用の壊滅的で非人道的な結末を思い起こすと明記されました。
 我が国は、唯一の被爆国として、核軍縮や不拡散について、米国とともに世界の先頭に立って取り組みを続けなければなりません。このことについて、改めて総理の決意をお尋ねいたします。
 今回発表された日米共同ビジョン声明では、かつての敵対国が不動の同盟国となり、和解の力を示す規範となっていると記されました。
 日米関係は、日本外交の基軸であり、今後もこれまで以上にますます深化、発展させていかなければなりません。ただし、今回の安倍総理の米国訪問では、軍事的協力の側面ばかりが強調された感が否めません。
 その一方で、かつて敵対または植民地支配の対象となったアジア諸国の中には、依然として、我が国と必ずしも良好な関係とは言いがたい面も残されています。日米共同ビジョン声明にあるように、世界に和解の力を示す模範となり得るのであれば、米国と同様に、これらアジア諸国とも不動の友好関係を築く必要があると私は考えますが、このことについて、最後に総理のお考えをお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

発言情報

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発言者: 近藤昭一

speaker_id: 32504

日付: 2015-05-15

院: 衆議院

会議名: 本会議