岡本三成の発言 (本会議)
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○岡本三成君 皆さん、こんにちは。公明党の岡本三成です。
私は、公明党を代表いたしまして、安倍総理の米国公式訪問について質問させていただきます。(拍手)
今回の総理訪米は、戦後七十年という大きな節目の年に実現。両国が悲惨な戦争を乗り越え、世界の平和と発展に向けて新たな協力関係を確認し合った点で、大きな意義があったと考えます。
また、日本の総理として初めての上下両院合同議会での演説は、冒頭のユーモアのセンスがすばらしく、深夜のテレビを見ながら、私の顔も自然と笑顔になっていました。さらに、総理の口から、七十年前熾烈に戦い合った敵は、心の紐帯が結ぶ友になりました、これを歴史の奇跡と呼ばずして、何をそう呼ぶべきでしょうとの発言を聞いたときには、私自身もスタンディングオベーションを送りたい気持ちになりました。
実は、私も、総理訪米直後に渡米をいたしましたので、今回の総理訪米に対する高い評価を、さまざまな方々から直接伺う機会がありました。そのような経験も踏まえながら、以下、質問させていただきます。
私は、総理訪米のキーワードは、希望の同盟、そして積極的平和主義であったと考えています。
その上で、二つの重要な政治的な柱があったと感じています。一つ目の柱は、日米同盟の新たな役割を確認した点です。
冷戦終結後、平和への期待とは裏腹に、世界では今も地域紛争やテロなどが頻発、また、このアジア地域においても不安定な環境が顕著になっています。こうした中、いわゆるガイドラインが改定され、日本の安全保障がより強化されました。
ただ、今回の安保法制の見直しの内容が、総理の議会演説や首脳会談を通じて、米国の議員や国民に正確に理解されていないのではないかと危惧しています。
例えば、集団的自衛権の行使はあくまでも、日本国民を守るため、武力行使以外ほかに適当な手段がない場合にのみ行われるものであります。つまり、他国に対する武力攻撃が発生した場合が契機とはなるものの、あくまでも自衛の措置としてのみ武力行使が許容されます。
しかし、米国のメディアでは、この点への言及はほとんどありません。また、私が直接話をした下院議員も、このことを全く認識されていませんでした。お互いの期待値の違いが、いずれ信頼関係を損ねるようなことになってはいけません。必要であれば、再度米国と内容の確認を徹底していただきたく、総理の所感をお伺いいたします。
また、新ガイドラインには、日本が、世界の平和と安全のため、米国と協力をして、主導的役割を果たすことが明記されています。しかしながら、日本では、日米防衛協力が、日本周辺から全世界へと歯どめなく拡大し、戦争に巻き込まれる危険性が高まるのではないかとの懸念が一部にあります。
公明党は、国際社会の平和維持に対する貢献において、自衛隊の海外派遣三原則、すなわち、国際法上の正当性の確保、国民の理解と国会の関与など民主的統制、さらに自衛隊員の安全確保の三点を主張してまいりました。今回の安保法制にはこの三点が明確に盛り込まれており、無制限に自衛隊が海外に派遣されないように歯どめをかけることができました。総理に、この点に関する御評価をお伺いいたします。
同時に、より重要なことは、今後、丁寧な国会論議を行い、国民の皆さんにしっかりと御理解をいただき、心から御納得いただく政府・与党の努力だというふうに考えます。今後の法案審議に臨むに当たり、総理の基本的な姿勢をお伺いいたします。
二点目の柱は、歴史認識であります。
総理は、米国議会での演説で、過去の戦争に関し、侵略やおわびという言葉をお使いになりませんでした。しかし、そのかわりに、戦後の日本は、さきの大戦に対する痛切な反省を胸に歩みを刻みました、みずからの行いがアジア諸国民に苦しみを与えた事実から目を背けてはならない、これらの点についての思いは歴代首相と全く変わるものではありませんと、謝罪の気持ちを表現されました。
これに対し、総理の思いとは裏腹に、残念ながら、米国のメディアでは、謝罪は十分なものではなかったと報じられています。その結果、アメリカの国民も、そのような認識を持っているおそれがあります。また、中国や韓国では、侵略の歴史や慰安婦問題への謝罪の言葉を盛り込まなかったなどの批判が出ていることも事実です。さらには、イギリスやオーストラリアのメディアでも厳しい評価となってしまっております。
外交は、諸外国にどのように味方をつくっていくかという闘いであります。したがいまして、国際社会全体がどのように評価するかが重要です。その意味で、歴史認識の発信の仕方については今後改善の余地があるのではないかと考えますが、総理の御所見をお伺いいたします。
総理は、スマートパワーという戦略を御存じだと思います。これは、知日派として著名なジョセフ・ナイ教授が訴えている概念です。軍事力を中心としたハードパワーに非軍事のソフトパワーをうまく組み合わせて最高の結果を得ようとする戦略であります。
今回の安保法制により、ハードパワーの強化が図られます。次は、いよいよ、日本が得意とするソフトパワーを駆使するときであります。
近年、世界各地で大規模化している自然災害、環境問題、難民支援等々、いわゆる人間の安全保障の核心部分で、日本がイニシアチブをとって一層の貢献を果たすことが重要だと考えます。それこそがソフトパワーです。
これら人間の安全保障に対する我が国の今後の取り組みについて、総理の御見解をお伺いいたします。
また、今回の首脳会談では、NPT、核拡散防止条約に関する共同声明が出されました。唯一の被爆国である我が国と最も多くの核を保有する米国の首脳が、核兵器の非人道性に言及しつつ、核軍縮・不拡散への姿勢を発信したその意義は、大変に評価が大きいというふうに認識をしております。この道もまた、日本らしい積極的平和主義の形ではないでしょうか。
今後も核兵器廃絶の加速化を積極的にリードする努力が必要だと考えますが、総理の御所見をお伺いいたします。
今回、総理は、西海岸も訪問されました。日本の総理が米国の地方都市を本格的に訪問したのは何と九年ぶり。カリフォルニア州は、日系人が四十万人と全米で最も集中し、多くの日系企業も進出。今回の総理訪問を現地の方々は心から喜んでいらっしゃいました。
総理は、スタンフォード大学での講演において、今後五年間で日本のベンチャー企業二百社のシリコンバレー進出を促進するプロジェクトを発表されました。加えて、若手起業家を派遣する人材交流や民間交流を進めるためのイベント開催など、希望あふれる政策を約束されました。
今後、希望の同盟をより強固なものにするためには、未来を担う青年世代の交流が何よりも大切です。そのためには、対象を起業家に限定することなく、学生、NGO、公務員など、さまざまな分野での青年交流を後押しすべきだと考えます。なぜならば、それは積極的平和主義の柱そのものだからです。
希望の未来を開くのは、いつの時代も青年の熱と力です。最後に、青年交流の支援拡大に対する総理の御決意を伺い、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕