篠原豪の発言 (本会議)

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○篠原豪君 維新の党の篠原豪でございます。
 私は、維新の党を代表して、ただいま議題となりました地域改革推進整備法案及び国家戦略特区法改正案については賛成をいたします。一方、地域再生法の一部を改正する法律案には反対し、以下、同法案について、反対の立場から討論をいたします。(拍手)
 初めに、歴史上例を見ない少子高齢化、急激な人口減少、地方の衰退に対し、我が国がどのように対処していくのか、将来世代のためにどのような国づくりを行い、引き継いでいくのか、政府、国会には重い課題が課せられております。安倍政権が地方創生を内閣の重要課題と位置づけ、この問題に正面から取り組もうとされていることには評価をいたします。
 しかし、本法案は、地方創生総合戦略の中で、企業の地方拠点強化、地方創生のために重要な役割を果たすためのものにもかかわらず、大きな問題を抱えていると考えております。
 以下、反対の理由を申し上げます。
 本改正案では、産業や人口の集中が進んだ地域を集中地域、それ以外の地域で、国が活力向上を目指す地域を地方活力向上地域と呼んでいます。
 そして、企業が、特に東京二十三区からこの地方活力向上地域に移転し、移っていく事業等については、オフィス減税、雇用減税等の税制上の優遇措置をとることとしています。
 その一方、東京二十三区を含めた幾つかの集中地域が指定され、この地域は優遇措置の対象外となっております。
 最大の問題点は、この集中地域と地域活力向上地域の指定のあり方にあります。
 どちらも政令で定めることになっておりますが、現状での政府方針を聞く限り、我が党としては賛成できない内容が含まれております。
 具体的な理由として、まず、集中地域については、現時点では、いわゆる三大都市圏の一部が想定されています。つまり、東京二十三区から、横浜、大阪、京都、神戸、名古屋、あるいはその周辺の一部に企業がオフィス等を移転しても、税制上の優遇措置の対象となりません。この方針は、地方創生の長期ビジョンや総合戦略と本当に整合性がとれているのでしょうか。
 政府の長期ビジョンでは、人口問題に対する基本認識として、東京圏には過度に人口が集中しており、今後も東京圏への人口流入が続く可能性が高いとして、東京圏への人口の集中が日本全体の人口減少に結びついていると、数字上の根拠を挙げ、断言しております。
 また、政府の総合戦略でも、基本的な考え方として、東京一極集中の是正を掲げています。
 しかるに、この制度では、企業が東京から横浜へ、名古屋へ、大阪へ、神戸へ移転しても、税制上の支援はしないということです。
 政府は、東京への集中是正が最優先と本当に考えているのでしょうか。本法案の税制優遇措置のあり方は、政府自身の地方創生の方針にかなうのかさえ疑問を感じます。
 そもそも、大都市から地方へ企業が移転すべきだという発想だけで、日本は今後の厳しい国際間競争に勝てるのでしょうか。魅力的な国際都市を東京以外にも日本につくるべきではないか。
 また、集中地域の政令による指定に当たっては、具体的には、首都圏整備法、近畿圏整備法、中部圏整備法、この三つの法律で規定されている地域を参考にするとのことです。しかし、この法律は、それぞれ、昭和三十一年、三十八年、そして四十一年の制定であり、太平洋ベルト地帯という昔懐かしい呼び方で三大都市圏が一体として発展していた高度成長期にできた古色蒼然たる法律です。
 その後、バブル経済の発生と崩壊、経済のグローバリゼーションを経て、東京一極集中が進むばかりとなっている現実に、この地域指定方法では到底応えられないというふうに考えております。
 客観的な基準についての欠如も問題です。
 社会保障・人口問題研究所の二〇四〇年時点の人口推計によれば、先ほどの基準で今回支援対象外となる大都市でも、対象地域以上の人口減少が見込まれている例があります。
 西暦二〇一〇年の人口を一〇〇としたとき、例えば、二〇四〇年の大阪市の指数は八六・〇、京都市は八六・九です。一方、札幌市は八九・四、金沢市は九〇・二、大津市は九六・七、広島市は九三・一、福岡市は九八・三にもなっています。こうした逆転現象は幾らでもあり、例えば東京二十三区の中でさえ、葛飾区は八〇・八、足立区は七八・七となっています。
 つまり、集中地域の指定に当たっては、各市町村の人口減少率等の客観的な指標をもとにするのではなく、高度経済成長時代の法律で漫然と決めようとした矛盾が露呈しています。
 指定都市市長会が、地方拠点強化税制で一部の指定都市が対象から外れているとして批判しているのも道理です。
 そればかりか、法案としてまとめる過程で、支援対象から外れる地域の首長からヒアリングを行う等の対応すらしておりません。
 結局、企業が人口減少率が大きな地域から小さな地域に移転する場合にも税制優遇を与えかねない問題が残ります。
 次に、支援対象となる地域活力向上地域についても、政府の方針が見えません。
 地域活力向上地域がどこなのか。法案には、集中地域以外とは書かれておりますが、それ以外の要件について、現時点での基準がわかりません。
 この法案の優遇税制は、どの地方のどのような都市にどのような産業が発展することを見据えた政策なのでしょうか。
 このことに対し、地方創生特別委員会で、我が党の小熊議員の質問に石破大臣は、三大都市圏以外の本当の地方、地方らしい地方とのお答えはいただきましたが、具体的な基準が示されなかったことは残念だというふうに考えております。
 結局は、三大都市圏以外の各自治体にひとしくよい顔をしようという発想にさえ見えるという声が上がっています。言いかえれば、めり張りが不十分で、過去数十年繰り返されてきた地域政策の失敗を踏まえていないのではないでしょうか。
 そして、政策の成果目標の設定にも問題があると考えます。
 地方拠点強化の成果目標、いわゆるKPIは、あと五年で本社機能の移転等の件数を七千五百件ふやし、地方拠点で雇用者数を四万人ふやし、若年正規雇用の割合を他の世代と同水準にするとのことです。
 しかし、この政策で重要なのは、一時的に企業移転や雇用がふえることではなく、中長期的に移転企業が定着をして、その地方全体が成長して、結果として人口がふえていくことではないでしょうか。
 しかるに、移転企業の収益や移転地域全体への経済効果、例えば県民総生産や県民所得等も、これは目標となっていません。現在の目標設定では、人口減少問題や東京一極集中の解消という最終目標に大きな効果は望めないというふうに考えます。
 最後に、行政改革からも一点指摘をさせていただきます。
 この制度での本社移転の際の借入では、独立行政法人中小企業基盤整備機構の債務保証を利用できるというふうになっています。
 この制度、平成二十六年一月に廃止された産業活力法の債務保証制度に類似のものです。産活法での業務がなくなった途端、早速、地域再生法での業務に衣がえをし、独法の仕事を温存しているという側面は、果たして本当にないのでしょうか。各地の信用保証協会を初め、同様の業務を行える機関はほかにもあるのではないでしょうか。
 政府は、本法案の企業の地方拠点強化税制について、地域指定の方針を再検討の上明確化し、成果目標と政策手段も見直すべきだというふうに考えております。
 以上の論議をもって、私たちは、地域改革推進整備法案及び国家戦略特区法改正案については賛成をさせていただきますものの、地域再生法の一部を改正する法律案につきましては反対することを表明させていただきます。(拍手)

発言情報

speech_id: 118905254X03020150602_005

発言者: 篠原豪

speaker_id: 9650

日付: 2015-06-02

院: 衆議院

会議名: 本会議