志位和夫の発言 (本会議)
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○志位和夫君 私は、日本共産党を代表して、安倍政権が平和安全法制の名で提出した一連の法案、戦争法案に断固として反対の討論を行います。(拍手)
政府・与党は、昨日の安保特別委員会での強行採決に続き、この本会議での採決を強行しようとしています。
しかし、どんな世論調査でも、国民の五割以上が、この法案を憲法違反と批判しています。六割以上が、今国会での成立に反対と言っております。八割以上が、政府の説明は十分ではないと答えています。安倍総理自身、昨日の特別委員会で、国民の理解を得られていないのは事実だと認めたではありませんか。この事実を認めていながら、なぜ採決ができるのか。
政府・与党の横暴は、憲法九条のじゅうりんというだけでなく、主権者である国民多数の意思をないがしろにする点で、国民主権の大原則をじゅうりんする歴史的暴挙であり、私は、満身の怒りを込めて、断固たる抗議の声を突きつけるものであります。
国会論戦を通じて、戦争法案が、憲法九条を破壊して、海外で戦争する国に道を開く最悪の違憲立法であることは、明瞭となりました。
第一は、アメリカが、世界のどこであれ、アフガニスタン戦争、イラク戦争のような戦争に乗り出した際に、自衛隊が、従来あった非戦闘地域という歯どめを撤廃し、これまで戦闘地域とされてきた場所にまで行って、弾薬の補給、武器の輸送などのいわゆる後方支援、兵たんを行うようになるということです。
戦闘地域まで行けば、自衛隊は相手方から攻撃される危険にさらされることになります。攻撃されたらどうするのか。総理は、武器の使用をすると答弁しました。しかし、一たび自衛隊が武器の使用をすれば、相手方はさらに攻撃し、戦闘になるではありませんか。これが憲法九条が禁止した武力の行使でなくて何なのか。
総理は、苦し紛れに、安全な場所を選んでやると繰り返しました。しかし、古くから、糧道を断てというように、兵たんが格好の軍事攻撃の目標となることは軍事の常識です。自衛隊が兵たんをやっている場所が戦場になるのであります。
戦闘地域での兵たんは、憲法九条が禁止する武力の行使に当たり、殺し、殺される戦闘に道を開くものであり、断じて許されるものではありません。
第二に、PKO法を改定し、国連が統括しない活動に自衛隊を派兵する新たな仕掛けが盛り込まれていることも、極めて重大です。形式上停戦合意があるけれどもなお戦乱が続いているようなところに自衛隊を派兵して治安活動をさせる、武器使用基準も任務遂行のためのものを認めるなど、格段に拡大しようとしています。
私は、こうした法改定がなされれば、アフガニスタンに展開した国際治安支援部隊、ISAFのような活動への自衛隊の参加が可能になるのではないかとただしましたが、総理は、ISAF型活動への参加を否定しませんでした。これは極めて重大であります。
ISAFは、米軍主導の掃討作戦と混然一体となり、約三千五百人もの戦死者を出しているからです。そして、その活動は、ことし一月以降は、アフガン治安部隊を支援するRS任務となって引き継がれ、四十二カ国、一万三千人が今なお参加しているからです。
戦争法案が成立すれば、米国がRS任務への自衛隊の参加を求めてくる可能性があります。総理、そのときに拒否できますか。拒否できるわけがありません。ここに、憲法九条を踏みにじって自衛隊を殺し、殺される戦闘に参加させるもう一つの深刻な現実的危険があることを、私は強く告発するものであります。
第三は、政府が、戦後半世紀にわたる憲法解釈を百八十度転換して、集団的自衛権を発動し、アメリカとともに海外での武力行使に乗り出すという問題です。
我が党は、国会論戦を通じて、集団的自衛権行使の最大の現実的危険は、米国の違法な先制攻撃の戦争に自衛隊を参戦させることにあることを明らかにしてまいりました。
六月四日、憲法審査会に参考人として招かれた三人の憲法学者がそろって、安保法案は憲法違反との意見を述べました。大きな衝撃を受けた政府は、慌てて、六月九日、「新三要件の従前の憲法解釈との論理的整合性等について」と題する文書を発表しました。この政府文書で言われていることは、これまでの繰り返しですが、つまるところ、次の二点にありました。
一つは、一九五九年の砂川事件最高裁判決が、集団的自衛権行使の合憲性の根拠になるということです。
いま一つは、一九七二年に国会に提出された政府見解「集団的自衛権と憲法との関係」が示した基本的な論理は変更しておらず、これまでの政府の憲法解釈との論理的整合性及び法的安定性は保たれているとしていることであります。
しかし、一九五九年の砂川事件最高裁判決は、憲法九条のもとで米軍の駐留が認められるかどうかを争ったものであり、日本の集団的自衛権など全く争点になっておりません。そのことは、我が党議員の追及に対して横畠法制局長官も、集団的自衛権について触れているわけではないと認めたとおりであります。
一九七二年の政府見解は、当時の国会で、野党議員から、なぜ憲法九条が集団的自衛権の行使を禁止しているのか、文書で明確にしていただきたいとの要求がされて、これに応えて国会に提出されたものであり、その全体が、なぜ集団的自衛権が許されないかの一つながりの論理を明らかにしたものにほかなりません。
それは、宮崎礼壹元法制局長官が参考人質疑で、七二年政府見解における集団的自衛権違憲との結論は、その文章構成自体からも論理の帰結として述べられているのであって、当時の状況のみに応じた、いわば臨時的な当てはめの結果などと解する余地は全くない、集団的自衛権の限定的容認の余地を読み取ろうとするのは、前後の圧倒的経緯に明らかに反しますと断言しているとおりであります。
最高裁判決にせよ、政府見解にせよ、経緯と論理を無視して自分に都合のよい解釈を引き出すというのは、牽強付会、こじつけのきわみ、断じて許されるものではありません。
政府が集団的自衛権行使容認の合憲性の根拠としたものがことごとく崩壊した。すなわち、集団的自衛権行使が憲法違反であることが明瞭になった。これが国会審議の結論であることを私は強調したいと思うのであります。
安倍総理、立憲主義を否定し、法の支配を無視した政治の行き着く先は、独裁政治にほかなりません。日本国憲法の恒久平和主義、民主主義、国民主権をことごとくじゅうりんする独裁政治、専制政治を絶対に認めるわけにはまいりません。
国民の皆さん、民主主義を破壊する独裁政治、専制政治を断固として拒否しようじゃありませんか。
空前の規模で発展しつつある国民の闘いによって、包囲され、追い詰められつつあるのは、安倍総理、あなた方、政権与党にほかなりません。
日本共産党は、戦争法案を必ず廃案に追い込むために、国民の闘いとスクラムを組み、全力を挙げる決意です。戦後最悪の安倍政治を一日も早く終わらせるために、党の総力を挙げて闘い抜く決意を表明し、憲法違反の戦争法案の採決は断じて認められないことを強く訴え、討論を終わります。(拍手)