升田世喜男の発言 (本会議)

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○升田世喜男君 維新の党の升田世喜男です。
 まず初めに、このたびの記録的な大雨により、茨城、栃木を初め、甚大な被害を受けた皆様に心からお見舞いを申し上げるとともに、行方不明者の捜索や人命救助など、迅速なる対応を政府に求めていきたいと思います。もちろん、我が党もしっかりと対応してまいりたいと思います。
 それでは、政府提出の労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案の回付案に対し、維新の党を代表し、反対の立場から討論を行います。(拍手)
 今回の派遣法改正案について、去る六月十九日、衆議院本会議で我が党の松田直久議員が反対討論を行い、幾つかの重大な問題点を指摘いたしました。参議院では、この法案につき、各党会派で真摯な議論が行われたものと承知をしております。しかし、まことに残念ながら、参議院での修正や附帯決議等では、我が党が衆参の両院で指摘をした問題に対して根本的な解決が全く示されていないと考えるものであります。
 派遣法は、制定以来、常用代替の防止、つまり、派遣先の正社員が派遣労働者に置きかわることは防ぐべきだという考え方を建前としてきました。参議院の厚生労働委員会での政府の説明によれば、この原則があるので、今回の政府案でも、派遣労働を臨時的、一時的な働き方であると条文に明記をしております。
 しかし、参議院の厚生労働委員会で政府も認めたとおり、この常用代替の防止という原則は、派遣労働者の保護と必ずしも両立しない場合があります。端的な例が、改正案での専門二十六業務での規制強化であります。この法案では、比較的高賃金が得られている専門二十六業務について、これまではなかった三年間の期間制限が導入されております。このことは、仕事を続けたい派遣労働者の権利を奪い、派遣先にとっても有能な専門労働者を失うことになる規制であります。我が党が衆議院で反対した大きな理由の一つは、この規制強化の存在があったからであります。
 参議院では、三十九項目に及ぶ長大な附帯決議が付されております。その中には、派遣労働者の利益を守ろうとする趣旨のものが見られるのは確かです。
 しかしながら、附帯決議の一番最初に掲げられた労働者派遣法の原則に関する部分では、派遣が臨時的、一時的なものであるべきとの基本原則が本法施行後も変わらないことを十分留意すべきとしています。期間制限に関する部分でも、全体として見れば、この原則を徹底する趣旨の決議となっています。これでは、長く勤めたい二十六業務の派遣労働者の雇用を守れるのか、疑問を感じます。残念ながら、我が党が指摘をした問題の解決としては極めて不十分であると思います。
 また、改正案では、派遣が臨時的、一時的とする原則と矛盾するかのような規定が見られます。派遣先企業は、労働組合等の意見を聞けば、同じ業務に六年でも九年でも派遣労働者を使えるようになります。このため、改正案では、常用代替の原則は守られていないという指摘もあるわけであります。
 労働組合の意見聴取の制度自体が実効性に乏しいものでありますし、参議院の修正内容も努力義務でありますから、大きな変化は全くないと言わざるを得ません。
 我が党は、みずから派遣を選んで、派遣で長く働きたい人の利益も、不本意ながら派遣で働かざるを得ず、できれば正社員になりたい人の利益も、どちらも図るべきであると考えるものであります。
 このため、参議院で我が党の川田龍平議員が述べたとおり、本人が望まない派遣労働の拡大を防ぐためには、常用代替の防止に固執することなく、より実効性のある歯どめ策をとることが極めて重要と思います。
 我が党は、派遣労働者の均等・均衡待遇を実現することによって、派遣先が派遣労働者を安い労働力として濫用的に利用することを絶対に防ぐべきと考えております。
 この考え方のもとで、維新の党は、衆議院では、同一労働同一賃金法案を自民党、公明党と修正協議の上、共同で提出し、同法案は九月の九日に参議院本会議で成立をいたしました。衆議院での修正は、我が党にとっては完全に満足のいく内容ではありませんでしたが、同一労働同一賃金の制度実現のため、また派遣労働者のために必要な法律であると考えております。
 しかし、たとえ同一労働同一賃金が本当に実現するとしても、専門二十六業務の期間制限の問題は解決できません。参議院の修正、附帯決議とも、極めて不十分であると考えるものであります。
 よって、維新の党は、回付案に反対であります。
 以上を申し上げて、党を代表しての反対討論といたします。(拍手)

発言情報

speech_id: 118905254X04520150911_007

発言者: 升田世喜男

speaker_id: 23523

日付: 2015-09-11

院: 衆議院

会議名: 本会議