棚橋泰文の発言 (本会議)
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○棚橋泰文君 自由民主党の棚橋泰文です。
討論に先立ちまして、さきの台風十八号等による豪雨災害において犠牲となられた方々に謹んで御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました安倍内閣不信任決議案に対し、断固反対の討論を行うものであります。(拍手)
政権交代以降二年九カ月、第三次安倍内閣は、日本を取り戻すとの強い決意のもと、我が国を取り巻く山積する課題に果敢に取り組み、安定的かつ着実に政策を実行し、多くの成果を残してまいりました。
その実行に際しては、国民の意見に真摯に耳を傾けながら、丁寧な政権運営と国会運営に心がけてまいりました。その結果、多くの国民の皆様からの御支持を高くいただきながら、今日まで政権運営を進めてまいられました。現在も、国民の皆様から強い御支持をいただいている状況でございます。
にもかかわらず、今回の不信任決議案の提出は、そういった国民の声や期待を全く無視した、極めて横暴な行為であることは明白であります。
私は、このような全く意味も理由もない、国会会期末の風物詩とも言えるような不信任案提出に強く反対するとともに、これまでの安倍内閣の実績や取り組みをお示しすることで、議員各位並びに国民の皆様にも、安倍内閣が今の日本にとって必要な内閣であること、また、安倍内閣が国家と国民を守るために真摯に行動している内閣であることを再確認していただけるものと確信しております。
内閣発足から二年九カ月、安倍内閣は安定的かつ着実に政策を実行してまいりました。そして、具体的な成果を上げてまいりました。アベノミクスの二年九カ月によって、雇用は百四十万人以上ふえ、完全失業率は四・二%から三・三%まで下がりました。二年連続で二%超の賃上げ、中小・小規模事業の倒産も二十四年ぶりの低水準となっています。また、行き過ぎた円高は是正され、日経平均株価は二倍以上となりました。
まさに、安倍内閣がデフレ脱却を目指し、経済最優先で政権運営を進めた結果、経済の好循環が生まれています。経済の再生に向けて一歩ずつ前進しています。
あわせて、二〇二〇年度までに基礎的財政収支、プライマリーバランスを黒字化するという財政健全化目標の実現のため、消費税率八%への引き上げを実施し、また、歳出の効率化等に全力で取り組んでいます。
東日本大震災からの復興への取り組みも、総理は被災地を頻繁に訪問され、被災者の方々に寄り添い続けていらっしゃいます。政権交代時の段階では、いつどこに何戸の住宅が完成するのか見通しすら立っていなかった状況でありましたが、高台移転は約五千戸、公営住宅は約一万戸が完成し、水産加工施設はその八割で業務を再開し、七割を超える被災農地で作付が可能になる等、住宅再建や農地、漁港等の整備は着実に進みつつあります。
原子力災害から一日も早く福島を再生させる強い決意のもと、中間貯蔵施設建設を進め、除染を加速させるとともに、東京電力福島第一原発の廃炉・汚染水対策に、国も前面に立ち全力で取り組んでいます。
さらに、二十八年度以降の五年間を復興・創生期間と命名し、事業規模を六兆五千億円と見込み、これに必要な財源はしっかり確保したところであります。
近年増加するゲリラ豪雨による水害や土砂災害などに対しても、インフラの整備に加え、避難計画の策定や訓練の実施等、事前防災・減災対策に取り組み、国土強靱化を進めてまいられました。
総理は、今国会を改革断行国会と位置づけ、民間活力を引き出す規制緩和を推進し、成長戦略を強化するために、農業、労働、医療、エネルギー分野等の規制改革の実現に努めてまいられました。中でも、六十年ぶりの大改革となった農協改革は、強い農業をつくり、農家の所得をふやすために、中央会制度を廃止し、地域農協が創意工夫を持って自由に経済活動を行える環境を整備されました。
また、地方創生も重要政策として掲げ、若い世代の就労、子育て等の希望の実現、東京一極集中への歯どめ、本社等の拠点を地方に移す企業への支援等、従来の各省の縦割りやばらまき型の対応を断固排除し、異次元の施策に取り組んでいくことで、地方の創意工夫を政府全体で強力に支援する体制を構築しています。
さらに、家庭、地域、職場において、全ての女性が輝く社会の実現を掲げ、指導的立場で活躍される女性の増加や、子育ての不安の解消、母子家庭の生活の安定、非正規の方を含めた働く女性の処遇改善等、全ての女性の活躍推進のための施策の充実と推進に真剣に取り組んでいらっしゃいます。
そして、今国会の最重要法案である平和安全法制は、我が国を取り巻く安全保障環境が大きく変化する中で、どの国も一国のみでは平和を守ることができないとの認識のもと、いかなる事態にあっても国民の生命と財産を守るため、現行憲法の範囲内で可能な、切れ目のない安全保障法制の整備を行うことで、抑止力をさらに高めて戦争を未然に防ぐとともに、地域や国際社会の平和と安全の確保のために、これまで以上に積極的に貢献することを可能としたものであります。
この平和安全法制が日本国憲法に合致していることは、まさにこれまでの十分な審議の中で明らかにされてきたことであり、戦争法案、戦争に巻き込まれるとか徴兵制になるとかいうようなレッテル張りは、明らかに間違っているのです。この法案は、まさに名称のとおり、平和と安全の法案なのです。
なお、法令解釈担当国務大臣なるものをかつて設置し、内閣法制局長官による国会での答弁を認めなかった鳩山内閣や菅内閣等に参画してきた人々が、専門家を自称する方々の言を援用して憲法問題を議論するとは、まさに天に唾する行為でしかありません。
さて、さらに、先ほど申し上げた、こうした世界平和への貢献に対する日本の姿勢に対し、アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、フィリピン、ベトナム等、世界の多くの国々から支持、評価、期待の声が寄せられています。こうした世界各国からの期待に応えるためにも、平和安全法制の一日も早い成立が重要であります。
外交では、総理は就任以来、驚異的ともいうペースで五十カ国以上を訪問し、自由、民主主義、人権、法の支配を初めとした基本的価値を共有する国々と連携しながら、地球儀を俯瞰する外交を力強く進め、積極的平和主義のもと、国際社会の平和と安定に積極的に貢献されてまいりました。まさに、安倍総理は、世界の平和と繁栄に具体的な貢献を続けていらっしゃるのであります。
オバマ大統領とは信頼関係を強固なものとし、日米同盟のきずなを復活させ、外交、安全保障、経済、相互理解の増進といったさまざまな分野において、地域や国際社会の平和と繁栄にともに貢献してこられました。
プーチン大統領とは、数次にわたる首脳会談を重ね、対話を積み重ねながら、国益に資する日ロ関係の構築を進めていらっしゃいます。
さらに、隣国の中国とは、昨年、二年半ぶりの首脳会談を実現させ、海上連絡メカニズムについて、実施のための具体的な事務作業に入ることに合意する等、戦略的互恵関係の原点に立ち、日中関係を改善させ、安定的な友好関係に発展させるために努力を行われているところであります。
また、八月十四日に閣議決定された戦後七十年談話におかれましては、二十世紀という時代における、さきの大戦での日本の失敗の原因と、戦後その失敗を克服するために日本が行ってきた努力とその成果を分析し、さらには今後の日本の目指す方向性を示したという、歴史的意義が非常に高く、かつ、バランスのとれた談話であり、世界各国からも評価されています。この結果、日中韓首脳会談の開催も見込まれる等、中国、韓国両国とのさらなる関係改善の兆しも見え始めています。
拉致問題についても、北朝鮮と日本人拉致被害者らの再調査を開始することに合意する等、全ての拉致被害者の帰国に向けて、対話と圧力、行動対行動の原則を貫き、全力を尽くしていらっしゃいます。
TPP交渉については、成長戦略の重要な柱の一つとして、自由で公正な経済圏をつくり、国益を確保しながら海外の活力を取り込むために全力を尽くされています。
さらに、沖縄の基地負担軽減に向けた取り組みについても、総理は、沖縄県民全体の思いを真摯に受けとめ、目に見える負担軽減を図っていくため、官房長官を沖縄基地負担軽減担当大臣に任命し、オバマ大統領に直接協力要請を行う等、全力で行っていらっしゃいます。
以上申し上げたように、安倍内閣は、内政、外交等全ての面で非常に大きな実績を上げてこられました。そして、これらの実績が国民の皆様に評価されているからこそ、昨年末の衆議院総選挙において国民の皆様から強い支持をいただくことができたのであります。
これからアベノミクスは第二ステージに入ります。この第二ステージを通じて、経済最優先で取り組み、デフレから脱却し、雇用と所得の拡大を通じた経済の好循環を回し続け、強い経済をつくり出していかなければなりません。
そして、財政再建、人口減対策、社会保障制度改革等の山積する課題に立ち向かわなくてはなりません。
さらには、二〇二〇年の東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会を成功させ、みんなが将来に夢や希望を持って頑張れる日本、世界の中心で輝く日本、そして、誇りある日本をつくらなくてはなりません。
このような大切なときに、この道を後退させてはなりません。この道しかないのです。
今の日本を取り巻く現状を踏まえると、政治が果たすべき役割、責任は重く、我々は、大局的な観点に立って、良識ある行動を貫くべきであります。
この議場にいる議員各位には、このことを十分に御認識いただき、本案件について毅然として否決していただきますよう強くお願い申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手)