岡田克也の発言 (本会議)

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○岡田克也君 安倍総理、あなたは、集団的自衛権行使を含む安全保障関連法案を参議院特別委員会で強行採決しました。衆参両院での二百時間を超える審議の中で、議論を重ねれば重ねるほど法案の矛盾が明らかとなり、政府の答弁も場当たり的で、全く説得力のないものでした。
 この法案が憲法違反であることが明確になりました。圧倒的多数の憲法学者、歴代内閣法制局長官経験者、さらには元最高裁判所長官、判事までもが憲法違反と断じました。
 国会の周りを連日のように法案反対や憲法違反を叫ぶ人々が取り囲み、今まで政治に関心を示さなかった、子供を連れたお母さんや若いカップル、学生など、普通の人たちが、強い危機感を持って、みずからの意思で反対の声を上げています。
 国民の六割以上がこの国会での法案成立に反対し、八割が政府の説明不足を指摘しています。
 これは、単なる法案反対ではありません。平和憲法の根幹をなす憲法九条の解釈を根本的に変え、歴代内閣が一貫してできないとしてきた海外での武力行使を可能とすることに、圧倒的多数の国民が反対しているのです。
 そういう中での強行採決は、我々の先輩たちが築き上げてきた戦後民主主義の否定にほかなりません。安倍総理の暴走を到底認めることはできません。安倍内閣が即時退陣することを求めます。(拍手)
 以下、安倍内閣不信任決議案に賛成する理由について、具体的に説明いたします。
 安倍総理は、昨年の予算委員会などにおける私を含めた各党の質問に対して、どのような論理で、どのような場合に集団的自衛権を認めるのか、全く答えませんでした。そして、公明党との与党協議が合意できた昨年七月一日、その日のうちにいきなり閣議決定したのです。
 法案の国会提出は本年五月で、それまで内容の説明は一切なされませんでした。
 また、安倍総理は、四月に米国連邦議会で演説し、夏までの法案成立を明言しました。日本の国会で同様の発言をすれば、立法権を軽視するものとして、大きな問題になったことは間違いありません。それを米国議会で約束したのみならず、そのことが問題ないと安倍総理は強弁しています。
 このような安倍総理の感覚こそが、三権分立という民主主義の根幹に対する無知、無理解のあらわれです。
 以上、安全保障関連法案提出に至るまでの安倍総理の振る舞いは、立法権を持つ国会の権能の極端な軽視、国民に対する説明姿勢の完全な欠如など、民主主義国家日本のリーダーとしての資質を根本的に欠くものです。このような安倍総理は即刻退陣すべきです。
 安倍内閣の集団的自衛権の行使容認は、憲法違反以外の何物でもありません。
 まず、安全保障関連法案の前提となっている憲法解釈の変更は、集団的自衛権行使を明確に否定した昭和四十七年政府見解と真逆の結論を導き出しました。にもかかわらず、基本的な論理の枠内と詭弁を弄したり、そもそも集団的自衛権を視野に置いていない砂川判決を挙げて最高裁判決と軌を一にすると強弁したりと、便宜的、意図的な憲法解釈の変更です。これらは明らかに法的安定性を無視するものであり、かつ立憲主義に反するものです。
 また、法案にある存立危機事態は、その要件、定義が極めて曖昧です。本来、武力行使の可否を判断する極めて重要な要件、定義であるにもかかわらず、論理的、具体的な説明ができないことが、二百時間の審議の結果、はっきりしたのです。
 安倍総理は、存立危機事態の認定は、最終的には時の内閣が客観的、合理的に判断すると答弁しました。しかし、これでは、我が国が武力行使できるか否かという判断を時の内閣に白紙委任するのも同じであり、これまた立憲主義に反しています。
 このように、二重三重の意味で憲法に違反する集団的自衛権を行使しようとする安倍内閣は即刻退陣すべきです。
 安倍内閣の不正確、不誠実な国会答弁も目に余るものがあります。
 例えば、ホルムズ海峡の機雷掃海について追及され、安倍総理は、最近、現実問題として発生することを想定していないと答弁しました。これは極めて不誠実な答弁です。武力行使に該当する機雷掃海が可能となるという事実は何ら変わっていないからです。
 邦人輸送中の米艦防護もしかりです。総理は、記者会見でみずから、赤ん坊を抱える母親が乗った米国艦船のパネルを用いて国民に訴えかけました。国会でも同じ説明を何度も繰り返しました。しかし、米国の艦船に日本人が乗っているかどうかは、存立危機事態の認定や集団的自衛権の行使には直接かかわりがないということが国会答弁によって判明しました。
 日本国民の命と平和な暮らしがかかっている極めて重大な法案であるにもかかわらず、安倍総理を初めとする政府の説明は、信じられないほどに不正確、そして不誠実です。このような答弁を繰り返す安倍内閣を断じて容認するわけにはいきません。安倍内閣は即刻退陣すべきです。
 憲法九条の平和主義の根幹をなす専守防衛、海外派兵の禁止についても、政府は詭弁を弄し続けています。
 相手から武力攻撃を受けたときに初めて必要最小限の防衛力を行使する専守防衛の考え方は、我が国防衛の基本方針です。自国が攻撃を受けていないにもかかわらず武力を行使する集団的自衛権が専守防衛の考え方と矛盾することは誰の目にも明らかですが、安倍総理は、専守防衛は何ら変わらないという驚くべき答弁を繰り返しています。
 個別的自衛権行使に当たり、海外派兵は認められないことも、国会審議を通じて確立した基本方針です。
 安倍総理は、集団的自衛権の場合も、必要最小限度の実力行使を超えるために海外派兵は憲法上許されないことに変わりはないとしています。しかし、日本自身に対する武力攻撃を排除する個別的自衛権と他国に対する攻撃を排除する集団的自衛権のそれぞれ必要最小限度が同じであるはずがありません。集団的自衛権の行使を認めれば、他国の領土、領海、領空であっても、新三要件に合致する限り、自衛隊を派遣できるようになるのです。その歯どめはどこにもありません。
 さらに、海外の戦争に巻き込まれることは絶対にないと総理は繰り返し答弁しています。しかし、日本が武力攻撃を受けていない国に対して武力行使をすれば、反撃を受ける可能性が高まることは、誰が考えても明らかです。
 こういった平和主義の根幹にかかわる基本的な考え方を根底から覆しているにもかかわらず、国民に真実を語らない安倍内閣は、国民に対して余りにも不誠実です。安倍内閣は即刻退陣すべきです。
 日本国憲法はGHQの素人がたった八日間でつくり上げた代物、今や余りにも有名となった安倍総理の憲法観です。我々は、憲法あるいは立憲主義に対する安倍総理の姿勢に根本的な疑念を持ちます。国の最高法規である憲法の役割は国民の自由と権利を守るために国家権力を制約するものであるという基本原理を、安倍総理は理解していないということです。
 だからこそ、長年積み上げられた憲法解釈を自分に都合よく、いとも簡単に変更し、武力行使の可否という国家の存立にかかわることの基準すら極めて曖昧な法案を強引に成立させようとしているのです。
 自民党の憲法改正草案を見ると、制約なしに幅広く集団的自衛権を行使することが明記されています。限定的集団的自衛権の行使は、そのための一里塚にすぎないのです。
 今、私たちの前には二つの道があります。一つは、自民党がその憲法改正草案に掲げるように、集団的自衛権を何ら制約なく行使できる国です。もう一つは、憲法の平和主義の理念を生かし、海外での武力行使には慎重である国です。どちらの道を私たちは選ぶのでしょうか。
 自国の防衛のために武力を行使することはあっても、海外での武力行使はしないというのは、戦後七十年、日本が築き上げてきた国家としての大方針です。それを、十分な国会での議論もなく、国民の理解もなく、一内閣が勝手に変えていいはずはありません。安倍内閣は即刻退陣すべきです。
 憲法と平和を守るため、今この瞬間も、国会周辺で、全国各地で、安全保障関連法案に反対する多くの人々が必死に訴えています。そして、その後ろには、同調する圧倒的多数の国民がいます。
 国民の八割、一億人の日本人が、政府の説明は不十分と言い、六割、七千万人以上の国民が、今国会での法案成立に反対しています。この本会議場で法案の審議を始めた五月と比べても、この数は一貫して変わっていません。
 もう答えは出ているのです。この法案は廃案にすべきなのです。それが、長い国会審議を経た国民の結論です。
 総理は、デモや集会に参加する人々など、日本人のほんの一握りにすぎないと考えているのかもしれません。しかし、それは大きな間違いです。ふだん政治に関心がなかった普通の人々が、全国で、みずからの意思で立ち上がって、声を上げているのです。戦後七十年、平和で豊かな日本をつくるために努力された多くの先人たちの声でもあります。そして、日本を引き継ぐ未来の日本人たちの声でもあるのです。
 この会場にいる我々のみが、安倍総理、安倍内閣の暴走をとめることができるのです。今から採決される内閣不信任決議案に賛成することは、憲法の平和主義を守ることであり、日本の立憲主義、民主主義を守ることです。
 自民党の皆さん、公明党の皆さん、皆さんは本当に、平和主義、立憲主義、そして民主主義を大きく傷つけることに加担するのですか。
 この本会議場の全ての皆さんに訴えます。
 一人一人がいま一度、私たちの未来のために何をすべきか、静かに思いをめぐらせてください。
 心ある与野党の議員の皆さんが、安倍内閣不信任決議案に賛成していただくことを強く期待し、私の賛成討論といたします。(拍手)

発言情報

speech_id: 118905254X04720150918_010

発言者: 岡田克也

speaker_id: 12424

日付: 2015-09-18

院: 衆議院

会議名: 本会議