大塚耕平の発言 (我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。
 私は、鴻池祥肇委員長不信任の動議に賛成の立場から討論をさせていただきます。
 私も鴻池委員長を敬愛を申し上げております。大変尊敬をしております。そして、この厳しい委員会運営の中で、議場が荒れた昨日、今日の中で、私も、委員長席のところで委員長と目が合ったときに、委員長が大変苦しそうな目線で悩んでおられて、葛藤の中でいろいろ苦悩しておられるのを目と目でよく分かりました。おまけに、私、委員長に、委員長、もう鴻池委員長は怖いものは何もないんですから、憲政の常道、正道を守っていただきたい、お願いしますというふうに申し上げたところ、うんうんとうなずいておられました。本当に尊敬すべき委員長だと私も思っております。今の提出者である福山議員、そして反対討論をされた塚田委員と鴻池委員長に対する思いは一緒でございます。特に、参議院にこの法案が来てから、本当に、今、塚田委員がおっしゃったように、公正に運営をしてくださったと私も思っております。
 しかし、残念ながら、中央公聴会のセッティング辺りから少し様子が変わってきたことは、もう委員の皆さんは御承知のとおりでございます。そして、この総括的質疑の設定、さらには、今朝、休憩になった理事会の再開をめぐる今日八時五十分の混乱など、残念ながら、終盤に来て、この国論を二分する、我が国七十年の大転換を招来するこの法案の最後の最後のハンドリングに関してやや不安な展開となってきたがゆえに今日の動議となっていることは、与党の皆さんにも是非御理解をいただきたいと思います。
 そして、動議を出した後のことですからこの動議の提出理由には当たらないかもしれませんけれども、先ほど動議を提出された後に鴻池委員長は、今委員長代理としてお座りになっておられる佐藤正久議員に委員長の職を委託するないしは委嘱するというようなことをおっしゃったやに私は聞きました。
 しかし、国会の先例においては、委員会の委員長の不信任動議が出された際には、もう出されたわけですから、御本人はもう何も物事を決められない状態でありますので、本来であれば、私に対する不信任動議が提出されたので、これをもって委員会を休憩といたしますと、これがこれまで積み重ねられてきた委員会運営の先例であったと私は理解しておりますが、なぜか先ほど鴻池委員長は佐藤議員を指名をされたということも、もうこれは動議を提出された後ですからこの提出理由には当たらないかもしれませんが、事ほどさように、終盤に来て非常に運営の仕方が変わってきてしまったということがこの動議の提出理由であるということをまず私からも申し上げたいと思います。
 そして、鴻池委員長のみならず与野党双方の理事の皆様方は、この委員会の中で多くの委員が多数の資料請求や政府の統一見解を求めたところ、真摯にこれに対応をしていただいて、納得のできない政府見解ももちろんございましたけれども、かなりの部分は御対応いただけたものと思っております。
 しかし、鴻池委員長においては、終盤でもう一つ御尽力いただきたかったのは、私が質問の中でお願いをした一つの資料がございます。それは、各党の議員の皆さんが、この法案が成立すると一体、密接な他国に対してどのような協力ができるのかということで、どのような弾薬を提供したり輸送したりすることができるのかということが大きな議論の一つとなりましたので、私から防衛省規格目録というものをお示しをし、この防衛省規格目録のうち、武器に該当するリストのうち、輸送できるもの、提供できるもの、輸送もできないもの、提供もできないもの、これを分類して御提出いただきたいということを随分前にお願いをいたしました。
 防衛省も一度私のところに説明に来てくれましたが、いまだ出ておりませんので、一昨日、防衛省の審議官に、何だか総括的質疑が設定をされたので、うやむやにしないでそろそろ提出をしてくださいと申し上げたところ、防衛省担当審議官は、分かっております、すぐに対応しておりますし、もう準備できておりますと言っておりましたが、先ほど政府参考人の補助席に座っておられた当該審議官に、あれからまた二日たったけれども、どうなりましたかと聞きましたら、ちょっと事情がございましてなかなかお出しできませんということがございましたが、やはり前半極めて公正に委員会運営をしてくださった鴻池委員長並びに与野党双方の理事の皆様方におかれては、この資料、相当大事な資料ですからね、少なくともこの資料が出るまではとても採決など思いも及ばない、そういう状況であることを御理解もいただきたいし、この今私の発言をどちらかで聞いてくださっていると思います鴻池委員長にも、是非ともそこのところは御理解をいただきたいというふうに思います。
 あわせて、委員長というのは、申し上げるまでもなく、公正中立なお立場で委員会を運営されなければなりません。そして、委員会が円滑に運営されるように、国会の職員、とりわけ委員部の皆さんに対しても適切な指導力を発揮していただくのが委員長の職務であるというふうに思っております。
 もちろん、私ども議員本人も、これは与野党問わずでございますが、真摯に職務に向き合い、そしてそれぞれの責任を果たすということを求められておりますので、自らも戒めつつ、鴻池委員長にいま一つ終盤に来て少し足りないのではないかと思われた委員部の指導について、一言申し上げます。
 委員部の皆さん、国会職員の皆さん、皆さんは極めて重要な職責を担っているということを改めて御認識をいただきたいと思います。こういう話を委員長に、是非委員部にしていただきたいんですが、それが足りなかったという意味で、私からお願いを申し上げますが、世界各国で様々な国内の紛争や内戦の結果、悲惨な状態になっている中で、民主主義的な国を再構築しようというプロセスのときに、それぞれの国内の勢力が集まって、暴力やあるいは非民主的な手法でそれぞれの勢力争いをすることをやめて、話合いで物事を決めましょうというときに、集まって話合いのルールを決めてみんなが合意をしたら、それに沿って話合いが行われる、そのプロセスを我々は幾多の事例で見てきているわけであります。そのプロセスが失敗すると、また人を傷つけたり、人を殺したりするような悲惨な状況になっている国をたくさん我々は知っているわけであります。
 民主主義というのはもろいものです。ガラス細工であります。どのように話合いがルールに基づいて成立するかどうかというのは、もちろん当事者たちの冷静な言動にも懸かっておりますけれども、それをサポートする職務を担っている議会職員の責任は極めて重いですよ。
 この日本の民主主義的で平和な状況は、先人たちが大変な思いで構築してくれた我々に残してくれた遺産であります。議会職員の皆さんは、もちろん民主党、我々の言うことを聞いていただく必要全然ないですよ。自民党さんの言うことを聞く必要もないです。ほかの党の皆さんの言うことを聞く必要もないです。皆さんは公正中立な立場で、どこかの政党の職員ではなくて、国民の皆さんから負託を受けた、民主主義的で平和な議論が行われるためのその場とプロセスを守るために国民から負託された職責を担っておられるということを改めて認識してください。
 今朝の八時五十分からの当委員会の理事会の再開、私もちょっとびっくりしましたけれども、理事会というのは理事会室でやるものです。しかも、それぞれの言い分はあるにせよ、今朝、朝四時ぐらいまでああいう状態の中で、与野党の理事の皆さんが、そして鴻池委員長の御判断もあって、人道的な見地から、一旦これは休憩として八時五十分から理事会を再開しましょうというふうになったというふうに多くの議員がもちろん聞いております。だから、私たちもそのつもりで、今朝、それぞれみんな、徹夜の方もいるでしょう、ちょっとしか寝なかった方もいるでしょう、みんな集まってきて、さあ議論をスタートしようと思ったら、御承知のとおりの状況でございました。
 そこで、こういうふうに議場が荒れて、民主主義的で平和裏に穏当な話合いが行われるような環境をつくっていくのが議会職員の皆さんの仕事であり、そうであれば、委員部は今朝の朝方の理事会で、どういう申合せで休憩として理事会が閉じられたかということについて、かくかくしかじかでございましたという客観的な事実を与野党双方の理事や委員に伝えるのが仕事ではないですか。したがって、鴻池委員長におかれては、あの局面でやはり委員部に指導をしていただきたかったというふうに私は思っております。
 委員部の皆さんには、皆さんは本当に重要な職責を国民の皆さんから負託されているからこそ身分の安定と高い処遇が守られているということをゆめゆめ忘れないでいただきたい。
 そういう意味でいうと、私の理解でいえば、昨日、ずっと続いていた理事会が一旦閉じられて、たしか今朝の零時十分か何かに再開をされたような気がしておりますが、(発言する者あり)零時十五分。私の認識では、あの場合は何らかの形で公報に掲載されなければ開催できないんじゃないんですか。何の公報に告知もなく、看板だけ掛け替えて零時十五分に立ち上がっておりますが、そういうときに、与野党理事の皆様方、そういうふうに議が調ったのは結構でございますが、これから公報に掲載して各委員室に配る手続、これがございます、その手続を守ることが民主主義でございますので少々お待ちください、零時十五分では間に合いませんから零時三十分にしてくださいとかと言うのが委員部筆頭の仕事じゃないですか。というようなことを委員長に御指導をいただきたかったなというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、委員部の皆さんのみならず、国会職員の皆さんはしっかり日頃仕事をしてくださっていると思いますので、今日は少し苦言を呈しておりますが、私たちも身を引き締めて仕事をいたしますが、国会職員の皆さん、身を引き締めて、襟を正して、公正中立な立場で仕事をしてください。
 さて、委員長におかれては、もちろん今不信任動議の私は賛成討論をしているわけでありますので、先ほどの福山提出者と同様に、じくじたる思いでこれは可決をしていただきたいというふうに思っております。さりながら、民主主義は最後は数で決まりますので、鴻池委員長はその席に復活をされる可能性が高いと思います。高いと思いますが、その後、どのような議事運営をしていただくべきか、あるいはこの法案に関してどのような認識をお持ちいただかなければならないかと。私がこの審議を通して、いやいや、衆議院の議事録ももちろん全部読んでいますので、その感じているところを、今この私の発言を場外で聞いてくださっている委員長のお耳に届くことを期待して、少し申し述べさせていただきたいと思います。
 そもそも、憲法違反、立法事実に根拠が乏しいこと、さらには、終盤に来て明らかになり、福山議員も先ほどおっしゃられましたけれども、法理的、法律的にはできることがかなり広いにもかかわらず、政策判断としてやらないというにとどまっていることがいっぱいあれば、あるいは、私が事態対処法の三条四項で指摘をさせていただいたように、法理上、法律上はできるどころか、政府に義務が課されるにもかかわらず、それを果たすことができない状態、やれない状態にあるものもいっぱいあります。
 このような欠陥を抱えた法案は廃案以外にないとは思いますけれども、しかし、この二年間、私も予算委員会以降、安倍首相あるいは小野寺前防衛大臣、そして中谷防衛大臣、そして岸田外務大臣はずっと御担当しておられますが、議論をさせていただいておりますけれども、その中で、この法案、鴻池委員長が万が一復職された場合には、少なくとももっと議論を続けるという御判断をいただくか、ないしは、これは時期尚早だと立法府の委員長として総理に直言をしていただく必要があることを二、三申し上げたいと思います。
 そもそも、一九四四年、国連憲章の原案としてダンバートン・オークス提案というものが出てきたときに、佐藤委員長代理御承知のとおり、このときには、集団的自衛権という概念はその提案の中にはございませんでした。しかし、その後、アメリカや当時のソ連が拒否権を有するという、そういう展開になってきて、地域の安全を守るための地域的安全保障が有効に機能しないという危機感の中から、翌年の一九四五年に公になった国連憲章の五十一条で慌てて認められたのが集団的自衛権でございます。したがって、集団的自衛権は、一九四五年まではこの世の中には存在しなかった権利でございます。(発言する者あり)おっしゃるとおり。
 私も、一昨年の十月、予算委員会の筆頭理事をさせていただきました関係で、総理との最初の質疑のときに、総理が集団的自衛権あるいは安保法制を見直すことに熱意を持っておられましたし、積極的平和主義ということをもうおっしゃられ始めておりましたので、総理とその議論をさせていただきました。たしか十月二十三日だったと思います。
 なかなか議論がかみ合わないので、私、思わず、「総理、集団的自衛権というのは自然権ですか。」と聞いてしまいました。これは別に、素朴に総理がそこのところをどう認識しておられるかお伺いしたくて聞いたところ、総理はきょとんとされて、私の印象では自然権という言葉と概念を御存じありませんでした。
 そこで、一国の総理に恥をかかせてはいけないという気持ちは私もあります。これは党派関係ありません。安倍さんは、党は違いますけれども、日本国民の私にとっては日本国の総理大臣ですからね。だから、恥をかかせてはいけないと思って、その日は亡くなられた小松法制局長官の初登板の日でした。そこで、私は、総理がなかなかお答えにならないので、今日は小松法制局長官おいでになっていますねと、私の今の質問について、もしよろしければ御存じのことを御答弁くださいというふうにお願いしたところ、小松さんは、答弁席にお立ちになって、今私自身が申し上げましたダンバートン・オークス提案以降の一連の発言を説明をされて、したがって集団的自衛権は自然権ではございませんとおっしゃいました。
 私は、今回、この戦後七十年の日本の根幹を揺るがすような御提案を総理がされるというのはちょっとどうかなというふうにそのとき思いました。
 それと同時に、その後、小松長官がお亡くなりになった後に、横畠長官に同じことを聞いたことがございます。そうしたところ、横畠さんは、フランスにおいては自然権の一部と考えられているような面もございますというふうにもおっしゃっておられました。さあ、法制局はどちらの立場を取っているんでしょうかというこの一番大事なところも未決着でございます。未決着でございます。
 さらには、個別的自衛権、これは佐藤委員長代理におかれてはよく御存じのことと思いますが、一八三七年、カロライン号事件でアメリカのウェブスター国務長官がおっしゃり始めた個別的自衛権の三要件、切迫性、必要性、均衡性又は相当性というもの、これはもうずっと確立しておりますから今日まで引き継がれているので、まさしく国際社会の共有概念であります。
 しかし、この度、この法案、鴻池委員長もずっとお聞きになっておられて、うなずき方とか議論の聞き方を私も拝見していて、多分御納得してくださっていると思うんですが、今の個別的自衛権に比べて集団的自衛権は、先ほど申し上げましたように人為的な権利であり、そして、その国連憲章の五十一条を、自国のための集団的自衛権という我が国固有の異例の概念を生み出して、これを法律の根底として多くの法案を作ることには相当無理があります。こういう点も未決着であります。
 そして、もちろん、与党の皆さんも政府の皆さんも横畠長官も、そうはいっても何がしかの法的理屈を付けなければならないので、砂川判決と昭和四十七年政府統一見解を持ち出して、一生懸命工夫をされたのは分かりますよ、しかし、どう考えても無理があるということは多くの公述人の皆さんや参考人の皆さんの御意見の中で明々白々であるというふうに思っております。
 そして、私が、こういう手続や論理を軽視した法案を作ると日本の国は少し危ない面を持っているなというのは、例えば砂川判決の経緯に関する政府の姿勢です。もう多くは繰り返しませんけれども、皆さんよく御承知のとおり、当時の田中最高裁長官がアメリカのマッカーサー駐日大使と事前に情報交換をしてこの砂川判決を行ったということはアメリカの公文書で明らかになっているわけですね。同盟国のアメリカ、アメリカは信頼に足る国であってほしいと思いますよ、だから、信頼に足る同盟国であるアメリカの公文書が認めている事実までも、日本という国は、そういう事実はございませんと言う体質を持っているんですよ。だから、この国を運営していくに当たっては、相当な注意力とそして論理性と過去の様々な反省に基づいて運営をしなければならないということを是非、鴻池委員長にもどこかで思いをはせてこの私の発言を聞いていただきたいなというふうに思います。
 さらには、立法事実としておりましたホルムズ海峡とそして邦人救護、この二つ。
 ホルムズ海峡については、イランの大使が日本に対して、イランが機雷を敷設することもないし、そういう立法事実を議論されることは遺憾であるとまでおっしゃって、もうほぼこのホルムズ海峡における機雷掃海の立法事実としての正当性は失われたわけでございます。
 そして、もう一つの根拠となっていた、朝鮮半島から、朝鮮有事の際に、主にそのことを想定してのあのパネルだったと思いますけれども、邦人が例えば米艦に乗って避難をしてくるときに、この方々を救助できなくていいのかと、情感たっぷりにお訴えになった安倍首相でございますけれども、さきの政府統一見解で明らかになったように、このような邦人の皆さんを救護するかどうかは確定的には申し上げられない、しかも、我が党の大野議員の質疑の中で明らかになったように、邦人が乗っているかどうかということは絶対条件ではないと中谷大臣、答弁になっているんですね。
 もうこの二つの事実をもって、立法事実も正当性を失った、そして法的根拠も正当性を失った。それを強行してもし決めてしまうと、法理的、法律的にはできることがいっぱい広がって、でも、今はやらないから安心してください、こういう状態が生まれます。
 さらには、法律的には、事態対処法三条四項で、日本国政府は日本国民に対して存立危機事態が発生したときにはその事態を速やかに解消するために合理的に武器を使用しなければならないと言っているにもかかわらず、策源地を攻撃する能力は持たないんですから、この法律が施行されると日本国政府は国民に対して法的義務を果たせない状態になるんです。
 だから、法律的にはできるけどやらないことと、法律的にはできると書いてあるけれどもやれないこと、これをしっかり法律の中でやはり明確にしていくことが、この後、審議を通じて、修正案等で議論すべきことではないでしょうか。この重要な点について、先日、中谷大臣と、私は易しくお伺いしたつもりでございます。法律的にはできるけどやらないことと、法律的にはできると書いてあるけれどもやれないことと、この区別をお伺いしましたけれども、まだまだ議論が必要だなというふうに感じた次第でございます。
 いずれにいたしましても、まだまだ審議が必要でございますけれども、最後に、与党の皆さんにも是非お聞き届けいただきたいのは、自衛隊法三条において間接侵略と直接侵略という言葉を消した上で自衛隊法八十八条をそのまま維持して、我が国を防衛するために武力を行使できるというふうに改正をすると何が起きるかというと、侵略ではない諸外国の行為に対して我が国が武力を行使するということになるんです。それは、この間も中谷大臣と質疑をさせていただいて、中谷大臣も存立危機事態は侵略ではございませんと最終的にお認めになりました。だから、これ、もうちょっと議論しなきゃいけないんです。
 そのことをもう少し平易な言葉で衆議院で我が党の寺田議員との質疑の中で中谷さんがおっしゃった表現が、七月の二十八日の当委員会で私が指摘申し上げました、我が国を現に武力攻撃をしていない国に対しても、我が国を武力攻撃するという意思を表明していない国に対しても、そして、佐藤委員長代理自身がお使いになられたあのパネルの概念整理からいくと、先々そういう意思を持つことを予測すらされない国に対しても、その国が我が国と密接な第三国と武力衝突状態にあるときには、我が国から先にその国を武力攻撃できるという答弁を堂々としておられるわけですね。
 これは、これが先制攻撃かどうかということが、私自身は鴻池委員長にも、もし復職されたときにはもう一度よくお考えいただいて委員長としての慎重なお裁きをしていただきたいと思っておりますけれども、繰り返しこれは先制攻撃に当たらないですかと聞くと、七月の二十八日には、岸田外務大臣は、国際法上はそれは先制攻撃に該当しますとおっしゃいました。
 しかし、その後、やはり反響があったんだと思います。御答弁を変えられて、これはその国が現に密接な他国を攻撃しているんだから、それによって先制攻撃にはならないという言い方をずっとしておられますけど、これは間違いです。岸田大臣自身も言っておられるように、日本の武力攻撃がその場合は違法性を阻却されるというだけであって、先制攻撃という言葉の定義は国際法にはございません。先制攻撃かどうかというのは、例えば、佐藤委員長代理と私との間で、佐藤さんが誰とけんかしていようと、私が誰とけんかしていようと、そのことと関係なく、佐藤さんと私の間でどちらが先に手を出したかということなんです。
 だから、この自衛隊法三条と八十八条の、三条は侵略を削除し、八十八条の我が国防衛はそのままにしておくという、この点については大いに懸念がありますので、鴻池委員長が戻られた際には、十分に審議を尽くして、この点を委員長に、政府にも、意見を述べていただきたいと思います。
 最後になりますけれども、中世のヨーロッパの政治思想家マキャベリ、このマキャベリの言葉を私たちこの委員会に身を置く議員は重く受け止めるべきだと個人的に考えております。マキャベリはこう言いました。戦争は、始めたいときに始められるが、やめたいときにやめられない。
 今回の法案、政府は、これは国民の皆さんの安全を高める、自衛隊員の皆さんのリスクをむしろ減らすという説明をしておられますけれども、そうではなく、潜在的に国民の皆さんの安全を脆弱なものとし、自衛隊員の皆さんの潜在的リスクを高める可能性があるのではないかという点が根底にある最大の論点でございます。
 敬愛する鴻池委員長は、これらの点を十分に御理解してくださっていると思いますので、万が一その席にお戻りになった際には、与野党議員とも鴻池委員長の下で十分な上にも十分な審議を尽くすことを求めて、じくじたる、じくじたる思いでございますが、鴻池祥肇委員長の不信任動議に賛成の討論とさせていただきます。

発言情報

speech_id: 118913929X02120150917_010

発言者: 大塚耕平

speaker_id: 4047

日付: 2015-09-17

院: 参議院

会議名: 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会