佐々木さやかの発言 (憲法審査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。
二院制について意見を申し述べます。
日本国憲法は、第四十二条で両院制を規定し、第四十三条一項で「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」としております。衆参いずれもが全国民の代表と位置付けられております。二院制を採用するほかの諸国を見ますと、連邦制の下で州の利益を反映するために上院を置いていたり、上院議員が民選でない、下院と異なり間接選挙で選出されたりなどという場合が多くなっております。
このように、我が国の二院制は、他国に比べますと衆議院と参議院で似た地位と権限を有していることから、参議院の独自性、果たすべき役割ということが論点となり、一院制とすべきとの意見も存在するところであります。
しかしながら、二院制には以下のような長所がございます。二院制の下では、一院の専断を抑制するチェック・アンド・バランスが期待できます。二院制は、立法府自体の権力分立に一定の役割を果たすものと考えられます。また、議事が二つの議院によって審議されることにより、先の議院での審議過程で取り上げられず又は明確にならなかった問題点を後の議院が審議をするということができます。ほかの院の審議を補い、より充実した議論と慎重審議を通じた国民の総意のより正確な反映が期待できます。
こうしたチェック・アンド・バランス、議論を互いに補っていくという観点から優れている二院制は維持されるべきであり、参議院の果たすべき役割についてもこれらの点から考えるべきであると思います。
参議院の独自性として重要となりますのが、行政監視機能であります。参議院が、議院内閣制の下で、政府と政治的一体性を有する衆議院に対するチェック・アンド・バランス、補完の役割を担っていることから、より強い行政監視機能を期待されているということは共通の認識と言えると思います。
国会において行政監視を専門として扱う委員会は、参議院改革の一環として平成十年に新設された参議院の行政監視委員会のみであります。今国会では、行政監視委員会及び参議院本会議において、政府に対し、政策評価制度の実効性を高めることを求める決議を行いました。行政監視委員会は、創設以来、必要に応じて決議の議決や苦情、請願の採択を行うなど、着実に活動の実績を積み上げてきておりますが、同委員会の一層の活性化など、参議院の行政監視機能の強化に今後も取り組む必要があると考えます。
もう一つ重視されるべきであるのが、参議院の決算審査であります。財政再建のためにも、予算の無駄を是正し、より良い予算編成、予算執行を実現しなければならず、決算審査の重要性はますます高まっていると思います。参議院では、決算審査の充実のために、これまで政府に対し決算の早期提出を求め、早期審査に努めるなど、様々な改革を行ってまいりました。その結果、決算審査の内容を予算編成に反映させるという予算、決算のサイクルが構築されてきています。
予算審議と決算審議は一連一体のものとして行われるべきでありますので、衆議院は予算、参議院は決算という単純な立て分けではなく、参議院の特徴に応じて長期的な検討を要する事項に重点を置くなどしながら、参議院での予算、決算のサイクルの充実に今後も取り組むべきであると思います。
参議院の選挙制度については、参議院に独自の性格を持たせるため、選出方法を衆議院とは異なるものにすべきとの意見もあります。しかし、その場合も、冒頭に述べたように、憲法は衆参いずれも全国民の代表と位置付けていることに留意をすべきであります。
平成二十五年七月の参議院通常選挙について判断をした最高裁、平成二十六年十一月二十六日大法廷判決も、「参議院は衆議院とともに国権の最高機関として適切に民意を国政に反映する機関としての責務を負っていることは明らかであり、参議院議員の選挙であること自体から、直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見いだし難い。」としています。
参政権は国民の重要な基本的権利でありますので、今後も参議院選挙における投票価値の平等の実現については議論と努力を続けていく必要があると考えます。
以上です。