泉川玲香の発言 (厚生労働委員会)

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○参考人(泉川玲香君) それでは、お手元にございますイケア・ジャパンという資料を御覧いただきながらお願いをしたいと思います。
 イケア・ジャパンから参りました人事本部長の泉川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 トップのページ、すばらしい職場を全てのコワーカーにということで書かせていただいておりますが、サブタイトルで、イケア・ジャパンの短時間正社員活用に向けました取組ということで、そちらを中心に今日はお話をさせていただく予定でございます。
 皆様、イケア・ジャパンという形で、ホームファニシングを扱っている会社だということを御存じの方もいらっしゃるかと思います。二〇〇二年七月に、本社船橋ということでスタートしております。私どものビジョンは、より快適な毎日をより多くの方々に、そしてビジネス理念とヒューマンリソース理念というこの三つどもえのもの、今、三ページを御覧いただいているかと思いますが、三つどもえのものを持ちましてビジネスをさせていただいております。
 現在、私ども、従業員数は二千八百名、コワーカーという形で書かせていただいておりまして、共に働くという意味合いでコワーカーと私どもの中では呼んでおります。正社員が九九%、うち短時間の正社員が六二%、そして、女性の比率ということでございますが、リテールということもありますので、六四%という高い比率になってございます。
 また、こちらは、十年前に私どもがオープンした際から力を入れてまいりましたいわゆる女性の管理職への登用ということで、女性マネジャー比率、現在四八%ということで、現在の日本の一一%という数字に比しまして高い比率であるということをお知らせしておきたいと思います。
 あと、ダイバーシティーとかインクルージョンということを掲げておりまして、グローバルの会社ということで、十年前からこちらの方が大きく取り上げられております。
 ただ、今回の短時間正社員というところでの取組に関しましては、三つの大きな柱がございました。五ページにそちらの方を書かせていただいております。
 イケアは人の力を信じておりますというのがまず一義的なスタートポイントでございます。その下にあります三つのポイント、多様な人材の活用、そして長期的な関係の構築の保障、そして平等な機会創出、ダイバーシティー・アンド・インクルージョン、そしてセキュリティー、そしてイコーリティーというところが三つの柱となってございます。
 ということで、このイケア・ジャパン、なぜダイバーシティー・インクルージョンというものをフォーカスしているのか。こちらの方が七ページの方に書かせていただいております。三つございます。
 ダイバーシティー・インクルージョンというのは、人を大切にするというイケアの、私どものビジネスのカルチャー、そしてバリュー、価値観に沿っておりまして、正しいものだというふうに考えております。非常にシンプルなのですが、誰もが平等に、そして公平に、人間として生まれてきたからには平等に公平に取り扱われるべきだと、そういった信念に基づいております。
 二番目、ダイバーシティーは、グローバルに事業展開をする現在のイケア・ジャパンそのものでございます。多様なコワーカーとお客様がイケアとともにある、そう感じていただくことによって私どもがビジネスを発展させていけると、そういうふうに考えております。
 三番目、ダイバーシティーはビジネスにとって不可欠ということで、より豊かな創造性、一段と高い生産性、そして才能を持つ人材の更なる雇用ということで、これらは全てビジネスに良い結果をもたらしていく。つまり、ダイバーシティー・インクルージョンというのがビジネスにとってコアになるというふうに考えてございます。
 そして、しつこいようなのですが、平等こそが人権であると。全ての人は平等に扱われる権利を持っている、そして機会は平等であるべきである、そして個性は尊重されるべきであると、そんなふうに考えております。
 そして、新しい現実ということで、九ページの方を御覧いただきますと、人口構成の変化、知識経済、グローバル社会に向かう流れというものが新しい現実をつくってまいります。
 もちろん、人口構成の変化、国を越えての移住もこれからはたくさん始まるかと思います。また、高齢化を抱える先進国、日本はドイツに続いて二番目ということで、マルチ世代、いわゆる五世代ということも職場環境の中で今後求められてくることになると思います。
 また、男女の構成比の変化、LGBTなどという言葉が最近はまたにぎわっておりますけれども、果たして本当にその意味が、私ども、ワーク・ライフ・バランスとかダイバーシティーという言葉が十年前、五年前に出てきたときと同じようにLGBTという言葉は出てきているけれども、果たしてどこまでその本当の内容を理解しているのかというところが、もしかしたらこれから先、何を呼んでいくのかというところで大きなポイントになるのではないかと弊社は考えております。
 知識経済と技術革新ということで、能力のある人材の不足というのは、もうこれは免れない事実。そして、デジタルテクノロジーのより一層の活用という社会的な風潮も今ございます。つまり、会社として環境、そして社会に責任を持つ、そういったことがベースになってございます。
 ビジネスにとって必要なもの、これは三つ。更なる創造と革新、そして働きやすい職場づくり、そして顧客ベースを拡大していくこと、この三つだと考えます。
 ということで、イケアのビジョンというものは、より快適な毎日をより多くの方々にという、たまたま私ども、ホームファニシングを扱っておりますので、私どもが別のものを扱っていたとしても快適な毎日というのはもちろんつくり出していくことはできます。ただし、そこに働く人間たちが快適だと感じなければお客様を快適にすることはできないということで、今回は短時間正社員という形のインフラを整えていくという形になりました。つまり、ダイバーシティー・インクルージョンが自然と生まれるというものではなくて、意識的にデザインをしなきゃいけない、そういった観点で、私ども人事部の方でこちらの動きをスタートいたしました。
 よくあるのが、御質問でたくさんいただきましたのが、労働の不足というものを、これからの展望を考えたときに、そこを補うがためにこのパターンで私たちが人事制度をしいたのではないかという推測が非常に多かったのですが、今までお話しさせていただいたイケアのビジョンであったり、そしてダイバーシティー・インクルージョンであったりという、いわゆる人間としての平等性、そして長期的な関係の構築、そして私たちが本当に平等に扱われ、ダイバーシティー、そしてインクルージョンしたいというそんな思いの中から五つの人事制度をしいてまいりました。そちらの方が十三ページ、細かな内容で載っております。
 左側が、二〇一四年四月に私ども社内の中で発表、そしてプレスにもリリースをいたしました。二〇一四年九月からこちらに対する動きを始めまして、二〇一五年一月に全てがスタートという形を取りました。左側がビフォー、そして右側がアフターという形で、十三ページの方を御覧いただければと思います。
 給与は雇用形態、つまりフルタイマーなのかパートタイマーなのかによって決まっていました。しかし、同じ仕事には同じ報酬、つまり同一労働同一賃金という形のものを今回は導入をいたしました。同じ職務であれば全てのコワーカーが同じ賃金幅で支払をされるべきであると、そういった考えでございます。
 二番目、雇用形態に応じて職務期待水準が異なる。これは、いわゆるフルタイマーで働いている、長い労働をしている、四十時間、三十九時間の人間と二十時間しか働かない人間のところに同じジョブプロファイル、同じものを期待値として語っているにもかかわらず、現実には、パートで働く、つまり二十時間で働く人間には水準値が非常に低くなっている、書いてあることは同じなのにマインドセットがそこに行っていないという現状がありました。それを職務に対して、同じ職務であれば労働時間に関係なく職務期待水準が同じであるという、こういったマインドセット、そしてこういった現実をつくるためのトレーニング、教育に非常に力を入れてまいりました。
 三番目、福利厚生は雇用形態に基づいておりまして、明瞭に提示がされていないというか、むしろ、パートさんはこれ、そしてフルタイマーはこれですねというふうに明確にそこに区切りを付けているわけではないんですが、いろいろな法律の規制であったりガイドラインであったりというものに沿って、そこにはやはり格差が生まれておりました。それを、全てのコワーカーに同じ福利厚生を提供し、一人一人に意義のある福利厚生となるようにという形で提供いたしました。
 四番目、テンポラリーの契約が多い。つまり、六か月であったり一年であったりということで、六か月先は自分の仕事が保証されるのかどうか分からないという女性たちがたくさんおりました。そちらを、期待水準に達したコワーカーに関しては期間の定めのない無期雇用といたしました。
 元々、こういった形を取ることによって人を削減していく、人員の削減をしていくというつもりは一切ございませんでしたので、一〇〇%パートタイマーで働いている人間たちを短時間正社員にしていきたいと、そんな思いで今回の動きを始めまして、二〇一四年九月から始まりました実際のトレーニング等々で、二〇一五年の一月、今年の一月にはほぼ九〇%以上の人間が私どもの考えた短時間正社員へと移動してまいりました。
 そしてまた、多くのコワーカーというのが週に十二時間から十九時間という労働契約でございまして、そちらの方は、様々なライフステージであったりワーク・ライフ・バランスであったりという、それぞれの人間のニーズ、生活のニーズに合わせた形で会社との契約をしていくと、そういった形でこちらの五つの大きなポイントの変更がございました。
 その次のページ、十四ページにございますイケア・ジャパンの短時間正社員制度、こちらのところで今申し上げたものを数字も含めまして分かりやすいように表現をさせていただいたつもりでございます。
 例えば、特筆すべきところ、賞与なんですが、これは、以前からもパートタイマーの方には私ども支給をしておりましたが、今回は、それプラス企業型の年金等々も彼らに対応していくということで、全ての正社員、そして短時間正社員に同じ福利厚生の提供となりました。
 そして、最後になりますが、短時間正社員の制度の導入によるメリットというのは、もちろんそこで働く短時間正社員も、今や、もはや私どもイケアの中にはパートタイマーという言葉は存在しません。その言葉を使うことが格差や差別を生むと考えるからです。
 ですので、そういった短時間正社員の方が以前のパートタイマーとして勤務していたときと比較をいたしまして、一時間当たりのもちろん時給、給与水準がアップしております。そして、有期雇用から無期雇用ということで、長期でのキャリア、そしてライフプランというものを安心してやっていけると、そんな状態となりました。
 三つ目、フルタイマーと同様の休暇制度等、福利厚生が利用できることによって、こちらもまた、様々なライフステージ、様々なことが起こってきます。介護であったり、また子供のことであったりと、いろいろと起こってくるものに自分のキャリアパスを重ねて動きやすいという形がここに表れております。
 そして、最終的には、イケアで長期的に働き続け、成長したいという意欲の高い応募者がまた増加し、私どもが元々狙った平等で、そして公平な取扱いをするという会社の中にビジネスを本当に運用していくという力が生まれ、最終的にはビジネスがプラスになっていく。つまり、従業員、コワーカーもウインですし、会社もウイン、そして最終的にはお客様にとってもウインなものが生まれるということで、そんな形が生まれてきていると思います。
 自分らしくいること、ビーユアセルフというのをよく言いますが、自分らしくいることが一人一人の魅力、そしてイケアをもっと良くするということが、私たちよく使う言葉なんですが、こういった公平性、そしてダイバーシティー・インクルージョン、そして長期的な信用性を掲げるためには、職務に応じた設定というのが非常にこれからの大きな課題だと信じております。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 泉川玲香

speaker_id: 15519

日付: 2015-08-19

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会