荒井広幸の発言 (国の統治機構に関する調査会)

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○荒井広幸君 新党改革の荒井広幸です。
 私どもは、国民がゆとりと豊かさ、つまりは幸せを実感できる社会をつくることを最大公約数の政策目標としております。その実感する多くの空間は市町村であり、言い方を変えれば、国民は住民、住民として実感できる社会、これが非常に重要だと考えております。
 国の統治機構を考える上で、基礎自治体、市町村の果たす役割からボトムアップして考えることは実に有意義だと思います。市町村の自己決定と自己責任が貫徹されるようにするためには多様性と連携と共助がキーワードだろうと思います。
 まず、連携について述べたいと思います。
 平成の大合併で三千二百三十二の市町村が千七百十八市町村となりました。自治体は、財源から見ますと、以前は三割自治と言われましたが、大方はその実、一割自治です。義務的経費がほぼ九割で、独自の政策的経費に充てられるのは一割です。
 現在、地方の市町村の首長や議員の無投票当選が増加傾向にあります。また、人口減少社会を考慮しておくことが今までの政策と大きく違っているところだろうと思います。全ての市町村が全ての事務を行うことは困難さが出てきました。特に、小規模町村においては専ら住民生活に密着した事務を行うように整理し、ほかの事務は周辺市町村が補完する、こうした連携の仕組みの構築が一つの問題の解決の方向性であろうと考えます。
 国による財政機能というものは、経済安定、資源配分、所得再配分とよく言われてまいりました。戦後はいわゆる福祉国家を目指してまいりました。しかし、高度経済成長に代表されるように、成長を前提に現金給付を主とする所得再分配に意を用いてまいりました。
 しかし、経済が世界規模、グローバル化、さらには少子高齢化、不況の長期化などで税収低迷などもあり、この国の機能が十分果たせなくなってまいりましたので、福祉や医療、教育といった分野で、サービス給付という形で地方にも応分の給付をお願いするという国と地方の分担体制に変わってまいりました。地方分権という脈絡は、こうしたこともあって進められてきたわけです。
 今後は、住民間の共助が私どもは不可欠と考えております。この共助について申し上げます。
 自助、共助、公助とはよく言われるものでございますが、この三つのすみ分けにより、住民サービスの在り方や住みがい、生きがいを感じられるように、住民と首長と議会が三位一体となって仕分し直してみる必要があると思います。これは市町村が税金を使ってやるものだという区分け、そして、これは集落や企業やあるいはNPOなど住民同士が複数の協力によって補い合い、助け合い、支え合っていく共助でやった方が意味があること、こういったものを、共助の領域分野をお互いに再点検、確認する作業が求められていると思います。
 私が特に力説したいことは、共助、すなわち補い合い、助け合い、支え合うことで個人自らの自己実現や充実感が得られていくということ、それが本当に幸せを感じられることであろうと思います。ここを大切に生かしていくべきではないかと考えています。共助分野の拡大は、結局は税、財政負担を軽減するものと考えられますし、何よりも心が入り、質の充実、こういったことにつながると思います。
 そこで、一つの例示を示したいと思います。介護福祉分野は、まさに共助で行うものだと思います。例えば、中学卒業期までに中学卒業生全員が介護資格、あるいは介護資格の准資格というのを国が新たにつくって、毎日の授業の中でこれらの共助型の介護士、これを受けられる授業、カリキュラムを組み、そして准あるいは介護士、こういう立場を取れるようにしてみてはどうかと提案をいたします。
 最後に、多様性です。
 住民が市町村を選ぶ時代にも入ってまいりました。皆さんに福島原発事故によるそれぞれの市町村に御支援をいただいておりますが、ある意味では市町村を選ぶ時代の先取りを見ている感じがいたします。住民自身と首長と議会の三位一体による、市町村が自ら構想力を持ち、自分のふるさとに愛情を持ち、そしてみんなが共助で助け合い、創意工夫をしていく。自分にとって、お互いにとって住みやすく、ほかの市町村の住民から見ても魅力ある地域づくり、これがお互いに求められていると考えております。
 市町村を選ぶということは、例えば、学業や仕事でほかの市町村に住んだ経験は我々も持っています。インターネットなどでビジュアル、多角的に情報交流をすることで比較できるようになりました。私は、どこで居住、働く、学ぶをしたらいいかということを考える時代になったということも十分、国としても、そして政治を預かる我々も考えていく必要があるだろうと思います。
 国を統治機構と見れば、こうした、選択するということも含めて、多様性、連携、共助ということを市町村の住民の皆さん、すなわち国民の皆さんとともに考え、協力していくパートナーとなるべきです。そして、何よりも統治機構としては、住民に選択肢を多様に提示し、一緒につくり、そしてそれを認め合う柔軟性と寛容さが必要だと思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 荒井広幸

speaker_id: 667

日付: 2015-05-20

院: 参議院

会議名: 国の統治機構に関する調査会