板橋功の発言 (国際経済・外交に関する調査会)

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○参考人(板橋功君) まず、ちょっと三点目の方から答えさせていただきます。
 私は、この二十年間、三十年間ぐらいで日本の情報収集能力とか提供能力ってかなり進んできて、いや、十分とは言いませんよ、でも進んできているのかなと実は思っています。
 一点ですが、まず、外務省でやっている海外安全情報というのがあるんですが、これは私は物すごいシステムだと思いますね。こういった類いの情報を民間に提供するいろんな専門会社はあるんですが、英国あるいは米国系の。私は、それに匹敵するというか、それ以上の情報を提供していると思っているんですね。ただ問題は、民間側に使いこなせる人間がいないというところが大きな問題なんですね。
 なぜかというと、そもそもその海外安全情報のもとというのは、警察や防衛やあるいは邦人保護をやっている専門家が書いているわけですね。ですから、あるいはその現地の治安機関や現地の軍と常に情報交換をしている人間がもとを書いているわけですから、それなりのその行間を読むといろんな情報がそこに入っている。でも、残念ながら、民間サイドにそれを読める人間がいないというのが今、情報の、せっかく政府は提供しているんだけど民間で使いこなせないという問題が一つあるのかなと実は思っています。
 もっとインテリジェンスの問題まで遡りますと、当然ながら在外で活動するインテリジェンス機関ってあった方がいいと思います。あった方がいいけど、そんな簡単に、じゃ今日つくりましたって、機能するのかと。恐らく二十年、三十年掛かるでしょう、機能するまでには。
 じゃ、誰がそれを役割を担うのかと。若干、国内の情報収集だとか、あるいは外務省の情報調査局ですとか内閣情報調査室で関わっている人たちはいますが、これはここで申し上げるのがいいのかどうかよく分かりませんけれども、恐らくどこの国のインテリジェンス機関も、在外で情報収集をするというのは非合法活動も行うという前提だと思います。日本でこの議論をすると、その前提が成り立つのかな、理解を得られるのかなということが非常にあります。日本の公務員が例えば在外に行って非合法活動を行う、これは現実的問題なんですね。ほかの国の情報機関というのはそれは当たり前なわけで、こういう議論をしていかなければ真の情報機関をつくるということにはならないんだろうと思います。そういった意味で、まだまだ国民的な議論が必要な課題なのかなと思っています、三番目については。
 二番目ですが、ちょっと反対から行きますが、おっしゃるとおりで、これは二〇年にはもうオリンピックが迫っているわけで、サイバー空間に対する対応ってもう待ったなしでやらなければいけない問題だと思います。
 現に前回のロンドン・オリンピックのときでも、ロンドン・オリンピックのサイバー対策をやった人たちの話を聞きましたけれども、やっぱり物すごい脅威があったわけですね。実際にオリンピックのサイトには相当な攻撃があったというふうに聞いています。もちろんブロックしていますが。そういうサイバー空間での対応、もちろん軍事的な対応も含めてそうなのかもしれませんが、サイバー空間での対応というのはやはり日本の喫緊の課題だと思います、テロ対策は。
 それから、国際的なテロ対策の枠組みですが、やっぱり日本国内では内閣官房が中心となっていくべきだと思いますが、何しろこれは国際的な枠組みを再構築しなければいけませんので、国連なのか、あるいは今はASEANでもこういったテロ対策の取組をして日本も相当支援をしたりしていますが、そういう一定エリアのものを再構築していくのか、あるいは国連のやっているテロ対策、いわゆる軍事面を除くテロ対策の再構築をしていくのか。日本が、じゃ、どこが主導していくのかというと、やっぱり内閣官房かNSCになってくるんだろうと思いますね。
 これは先ほどもちょっと申し上げましたけれども、誰もが恐らく軍事力ではテロは解決できないということは薄々、恐らくアメリカも感じているし、イギリスも、イギリスは公式なレポート出ていますし、感じていると思うんですね。国際社会でも薄々は感じているけれども、そこをもう一回、対テロ戦争から引き戻す、カウンターテロリズムの世界に引き戻すというのを誰が主導するかというと、私は日本というのは非常にいい地位にいるんじゃないかなと思いますね。中東に対するスタンスもそうですし、東南アジア諸国に対するスタンスもそうです。
 それから、最後にもう一点だけ申し上げますが、実はアメリカも、軍事力の行使だけではなくて、ある程度イスラム諸国も含めたこういった非軍事面でのテロ対策の枠組みができないか、実際に動き始めたわけですけれども、そこにイラク戦争が起こり、それが頓挫してしまったということがあるわけですね。実際にインドネシアとかマレーシアとかそういう国も、いわゆる軍事力が主軸ではないテロ対策の枠組みというのがちょっとできかかった時期があったんですが、残念ながらイラク戦争によってそれが全部御破算になって、御破算までは行きませんけれども、思うようにいかなかったという側面があると思いますので、そろそろみんな国際社会もだんだん気付いてきていますので、もう一回そのカウンターテロリズムの枠組みというものを構築する必要があるんだろうなと思っています。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 板橋功

speaker_id: 26755

日付: 2015-05-13

院: 参議院

会議名: 国際経済・外交に関する調査会