黒田東彦の発言 (財政金融委員会)
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○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、マネタリーベースは、量的・質的金融緩和の下で日本銀行が民間の銀行から国債等を大量に買い入れて、その代金として民間銀行の日銀当座預金残高が増加しているわけでございます。その結果、御指摘のようにマネタリーベースは大幅に伸びておりまして、足下で前年比三割台後半の伸びとなっております。一方、マネーストックは、これも委員御指摘のとおり、三割台後半のマネタリーベースに比べますと大幅に低い、三%台半ばの伸びというふうになっております。
こうした量的・質的金融緩和の下で大量のマネタリーベースを供給するということを通じて、金利の低下その他を経由して銀行が貸出しを増加させやすい環境をつくっているわけであります。このことは、銀行貸出しの増加、今、足下で前年比二%台半ばの伸びになっておりますけれども、かつてマイナスだったわけですが、それが徐々に伸びを高めてきて今二%台半ばの伸びになり、これがマネーストックの増加にも寄与しているということでありまして、マネタリーベースの増加がマネーストックの伸びに寄与していることは事実なんですが、委員も御承知のとおり、こうした環境の下で実際に銀行がどのような貸出態度で臨むのか、あるいは逆に企業や家計が資金需要がどのくらいあるかということにもよるわけでありまして、特に、企業の場合は潤沢な手元資金を有しているということもありまして、設備投資がある程度出てきてもなかなか銀行貸出しの需要が大きく伸びるという形にはなっておりません。
しかし、マネタリーベースの増加がいろいろな形で貸出しの増加その他を引き起こし、マネーストックの増加に何がしかの寄与をしているということはそのとおりだと思います。