稲場雅紀の発言 (政府開発援助等に関する特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○参考人(稲場雅紀君) 御質問どうもありがとうございます。
 まず、SDGsに対して我が国がどういうことができるのかと、特に課題先進国としてということなんですけれども。私のレジュメの最後のところにも若干書きましたけれども、現在、我が国においてもいわゆるユニバーサル・ヘルス・カバレッジということで、保健分野における全ての人たちに保健を安価に、あるいは無料で基礎保健のサービスを提供すると、そういうようなところをどのようにやっていくのか、これを、特に日本の国民皆保険システム、こういったものを参考にしながらどういう形で途上国でやっていけるのかと。そういうようなところに関する貢献というようなものが、特に来年のG7に向けてもいろいろ検討をされているところと思います。私どもとしましては、こちらのいわゆる保健分野でのユニバーサル・ヘルス・カバレッジの支援と、これ非常に重要なことだなというふうに思っています。
 特に、こういった格差をなくすための社会保障というのは、特に国民の皆さんから税金を払ってもらわなきゃいけない、あるいは保険料を払っていかなきゃいけないと。そういったところで何が必要かというと、その国の政府に対する国民の信頼というのが非常に重要。また、いわゆる行政システムがいかに効率的、なおかつ透明に運営されているのか、こういったところが非常に重要だというふうに思います。
 その点で、我が国は大きな貢献が途上国にできるんじゃないかなと思うんですね。つまり、こういった形で、国民がちゃんとシステムを理解して、私たちの保健サービスになるんだ、あるいは格差をなくすための様々な政策になるんだということで、きちんと行政を信頼してお金を払っていけるような、そういうような強い、なおかつ公正な行政システムをどのように途上国においてつくっていくことを支援できるのか。この辺りの一つの切り口としてユニバーサル・ヘルス・カバレッジというものを位置付けるということは非常に重要なことじゃないかなというふうに思います。
 この点で日本は、自分の国でしっかりやってきたことは事実なんですが、こういったいわゆる財政とかそういうところに関して、途上国に対してどういうふうに自分たちの経験を伝えていくのかということについては、必ずしも専門性がある人が多くないということがございますので、その辺りの人材育成というのも非常に重要になってくるのかなというふうに思っております。この点が特に一つ、SDGsの重要なポイントかなと思います。
 テロの根源をなくす、これ非常に重要なポイントだと思うんですね。
 その中で、一つ申し上げなければならないことというのは、特にいわゆるミレニアム開発目標の中で基礎教育というものを徹底的に行うということになりました。その結果、多くの人たち、若者がいわゆる学校に行って教育を受けるということになったんですね。
 問題は、教育を受けた結果として、自分が結局どんな社会的な位置付けに置かれているかということはみんな分かってしまった。この点、非常に重要なポイント。つまり、実際に、大学に行けたらある程度ちゃんとした職に就けると思っていたら、就けないということが皆さんは現実なわけです。ところが、世の中には、ある種自分たちを食い物にして繁栄している人たちがそれなりにいるんだと。これは、やっぱり自分たちが不当にひどい状況にあるんだということを逆に教育によって皆さんは理解してしまったわけですね。
 そうすると、やっぱり今の体制が悪いんだとか今の世界の仕組みが悪いんだとか、そういうことで、結局のところ、力でそれを変えなきゃいけないというような話になってしまうんですね。その結果としてテロが多発をしているというような、逆に言うと、みんなが、教育によって自分たちがどの水準にいるのかが分かってしまい、その結果として逆に大きな不満が出てきてしまっていると。
 もうこの状況を変えることはできませんので、逆に言うと、いかに、いわゆる若者たちがちゃんと本来就くべき例えば職に就けるのか、あともう一つは、本来自分たちが政治的に得られるような人権だとかあるいは政治的な権利みたいなものを行使できるのか。そういう意味で、そういう国のシステムというものをしっかり公正かつ透明なものにしていくということが、特に中東においてはすごく重要だと思います。
 この点で、国際社会がそのような方向で中東に向けた関与というものをしているかどうか、この点は非常に重要な問題だと思うんですね。そういうようなところで、もちろん教育の問題は重要なんですけれども、さらに中東に対する我が国の外交というものが、そういう形で中東の国々における安定というものを実現する方向に向かっているかどうか、そこを向かわせるかどうかということが非常に重要だなというふうに思っているところです。
 もちろん教育は重要なので、逆に言うと、そういうようなところで教育をどういうふうに位置付けていくのか、そして、何というんでしょうね、それぞれの若者がどう自分の国にポジティブに貢献できるのか、そういうようなところのメッセージというものを出していくことが重要かなと思います。
 最後はアフリカですけれども、TICAD、今度はアフリカでやるんですね。アフリカでTICADをやるということですので、私たちとしても、アフリカの人たちがどれだけTICADにコミットするのかということがすごく重要だなと思っています。
 市民社会としても、アフリカの市民社会がどれだけTICADにコミットできるようになるかということで、私どもとしても、アフリカの市民社会と連携してやっていこうと思っていて、今その努力を一生懸命やっているところです。ですので、TICADに関しましては、特に幅広く市民社会や民間セクターにも開けたTICAD、それを目指してほしいなというふうに思います。
 ちょっと長くなりまして、申し訳ありません。

発言情報

speech_id: 118914580X00420150527_013

発言者: 稲場雅紀

speaker_id: 20659

日付: 2015-05-27

院: 参議院

会議名: 政府開発援助等に関する特別委員会