稲場雅紀の発言 (政府開発援助等に関する特別委員会)

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○参考人(稲場雅紀君) ありがとうございます。
 人間の安全保障ということで、この人間の安全保障というのは、我が国が九〇年代の後半以降、打ち出してきた理念でございます。
 これを打ち出した背景としてありますのは、やはり九七年のアジア経済危機、このアジア経済危機のときに、いわゆるIMF等が経済苦境に陥ったアジア諸国に対してかなり強硬な経済緊縮策を強制したと。その結果、人々の生活がぼろぼろになって、インドネシアなんかも大変なことになったわけですけれども、これに対して、我が国としてはこういうやり方では駄目だと。じゃ、どういうやり方が必要なのかといったときに、いわゆる人間の安全保障、一人一人の個人に焦点を当て、その弱いところを補っていくために能力強化をしていくと、そういうようなところで、なおかつ、コミュニティーのボトムアップといわゆる政府のトップダウンという、この二つで人々の生活向上を図る、人間の尊厳を図るというのが日本の人間の安全保障の考え方なわけですね。
 これは基本的に、グローバルな観点でいえば、いわゆる人間開発であるとか、あるいは人権、特に社会的な人権を重視するというMDGsの考え方とこれは非常に響き合ったわけなんですね。その結果として、いわゆる人間の安全保障というのもかなりそれなりに国際的に広範な支持を得ることができたということがあるかと思います。これはまさに日本のある種成功した価値観外交であるというふうに言うこともできるかと思うんですね。
 そういう意味合いで考えたときに、このODA大綱にはまさにそのように書かれてはいるんですが、一方で軍事協力であるとか、あるいはもう一方で日本の経済成長のためのODA活用であるとか、こういうところがある種実質的にかなり出過ぎてしまっているがために、人間の安全保障というのが若干弱まっているのではないかということをNGOとしては懸念しております。
 そういう意味合いで、やはりSDGsというのはまさにこの持続可能な世界というところですので、この持続可能な世界を目指すということでいえば、まさに人間の安全保障が指導理念なんですね、そういう意味合いでは。
 そういうようなところで、我々としては、このSDGsに調和化するためにも人間の安全保障の旗というのは是非下ろさずに高く掲げてほしいというふうに思っております。
 以上です。

発言情報

speech_id: 118914580X00420150527_065

発言者: 稲場雅紀

speaker_id: 20659

日付: 2015-05-27

院: 参議院

会議名: 政府開発援助等に関する特別委員会