浜野喜史の発言 (東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会)
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○浜野喜史君 去る二月二十三日、福島県において、東日本大震災の被災地における復旧・復興状況等の実情を調査してまいりました。
参加者は、櫻井充委員長、熊谷大理事、酒井庸行理事、礒崎哲史理事、若松謙維理事、岩城光英委員、森まさこ委員、真山勇一委員、倉林明子委員、山口和之委員、中野正志委員、山本太郎委員及び私、浜野の十三名であります。
以下、現地視察の概要を御報告いたします。
現地におきましては、まず、バスの車中にて、復興庁福島復興局から福島における研究開発・産業創出拠点の整備について説明を聴取した後、独立行政法人産業技術総合研究所の研究開発拠点である福島再生可能エネルギー研究所を視察しました。
同研究所は、郡山市に所在し、再生可能エネルギーの大量導入を支えるシステムの開発や導入コストの一層の低減を被災地企業等と連携しながら推進し、新産業の集積を通じて復興に貢献することをコンセプトとして、平成二十六年四月に開所しております。同研究所では、概要説明を聴取するとともに、太陽光発電等の実証フィールド、水素によるエネルギー貯蔵技術、超薄型軽量の太陽電池技術の実験施設を視察しました。実証フィールドでは、三百キロワットの風力発電と五百キロワットの太陽光発電を行い、水素等によるエネルギー貯蔵やパワーエレクトロニクス機器による制御等と組み合わせ、再生可能エネルギーを最大限利用する技術の開発等を行っています。また、太陽電池については、三年から五年程度の短期間で一割以上の効率性向上を図りたいとのことでありました。
視察委員との間では、研究プロジェクトに係る開発期間の目途、福島県の再生可能エネルギー導入目標に関する達成見通し、エネルギー貯蔵に水素を用いる研究を行う意義、研究成果物の福島ブランドとしての世界発信等について意見が交わされました。
次いで、車中にて、福島復興局から福島復興加速への取組について説明を聴取した後、広野町役場に赴き、双葉地方八町村の町村長等と意見交換を行いました。
その際に示された町村からの要望等は、おおむね次のとおりであります。
・ 各町村の復旧・復興の進捗状況に配慮した集中復興期間の設定・延長とその間の財源確保を図ること。
・ 交付金の運用等に当たり、自由度の一層の向上を図ること。
・ 復興拠点の整備促進の観点から、今国会に提出されている福島復興再生特別措置法改正案により創設が見込まれている、復興再生拠点整備制度の弾力的な運用を行うこと。
・ 中間貯蔵施設に関し、地権者への的確な対応、搬入ルートとなる道路の整備、県外最終処分に向けた施策の着実な実施など適切な対策を講ずること。
・ JR常磐線の全面復旧の早期実現を図ること。
・ 常磐自動車道のインターチェンジを増設すること。
・ 住宅リフォームの促進、商店街の再開支援など帰還に向けた生活環境整備対策を行うこと。
・ 福島・国際研究産業都市、いわゆるイノベーション・コースト構想に基づく新産業創出対策を講ずることや企業立地の促進に向けた固定資産等に係る優遇税制を設けること。
・ 鳥獣対策、森林整備など農林業の再開に向けた対策を講ずること。
・ ホットスポットの除染、木戸ダムの汚泥対策など住民の安心・安全確保策を講ずること。
・ 損害賠償の格差問題の是正を図ること。
以上であります。
視察委員との間では、交付金等の使い勝手、放射線量についての認識、JR運行再開の課題、医療提供体制の再構築等について意見が交わされました。
次に、楢葉町に移動し、楢葉遠隔技術開発センター、いわゆるモックアップ試験施設の建設現場を視察しました。同センターは、東京電力福島第一原子力発電所の廃止措置に向けた研究開発を加速するため、原子炉格納容器下部の冷却水漏えい箇所の補修・止水技術の実証試験や災害対応ロボット等に関する技術基盤確立のための開発実証試験などを行うものであり、平成二十八年三月の試験棟完成を目指し建設が進められています。同センターには原子炉格納容器下部の模擬体等が設置されることとなっており、福島第一原子力発電所の状況をできる限り再現した中で実証試験等を行い、その成果を実際の作業に生かしていくとのことでありました。
次いで、車中にて、環境省から中間貯蔵施設について説明を聴取しました。同施設は福島第一原子力発電所に隣接する大熊町及び双葉町において整備が計画されており、除去土壌などを詰めたフレコンバッグ等を一時的に保管するためのストックヤードの工事に着手しているとのことであります。なお、車での移動途中、黒いフレコンバッグが至る所に多数置かれている状況が見受けられました。
その後、大熊町大川原地区に赴き、復興拠点整備予定地を車中から視察しました。大熊町では、今後の避難指示区域の解除を想定し、居住制限区域である大川原地区に、復興再生拠点制度等を利用して、面積約三十九ヘクタール、想定人口約三千人の復興拠点を整備することを計画しております。同計画では、帰還促進等の観点から、町民が一次的に滞在できるゲストハウスを整備することや、長期間にわたる廃炉作業への対応等から、研究者、作業員が居住、滞在できる簡易集合住宅を建設することなどが特徴となっています。
また、復興拠点整備予定地の隣接地に建設中の福島給食センターを車中から視察しました。同センターは、福島第一原子力発電所の作業員向けに当面一日三千食の給食を提供する施設であり、本年四月の運用開始を予定しています。同センターの開設により新たに約百名の雇用が創出されるとのことであります。
以上が調査の概要であります。福島県内の被災自治体では、その地理的条件や避難指示区域の設定状況等により、復興・再生に向けた課題はそれぞれ異なっており、地域の実情に応じたきめ細かな対策が求められていることについて、改めて認識したところであります。
最後に、私どもの調査に御協力いただいた皆様に対し、心より御礼を申し上げますとともに、福島の一日も早い復興・再生が果たされますことをお祈り申し上げまして、視察報告を終わります。