奥原正明の発言 (農林水産委員会)
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○政府参考人(奥原正明君) この監査の問題でございますけれども、この話につきましては、平成八年に、ほかの信用金庫、信用組合の方に外部監査として公認会計士の監査というのが義務付けられました。そのときに、農協についてはどうするかということが、これは当時まだ金融庁はできておりませんでしたので、農林水産省と、それから当時は大蔵省銀行局ということになりますが、ここでも相当意見交換が行われました。
そのときから言われておりますのは、やはり中央会がやっている監査ということでは純粋な外の目で見る外部監査とは言えないんではないかという御指摘も随分ございまして、ただ、そのときはいろんな議論の結果として、当面この中央会の監査でもって外部監査ということにする、公認会計士の監査に代えるということで制度をつくってやってきているわけでございます。
ただ、その過程で、外部監査として不十分ではないかという指摘に応えるためにいろんな改善の努力をしてきているのも事実でございまして、全中の中に全国監査機構をつくってこのレベルを上げると、こういった取組をやって、できるだけ遜色のない形で監査を進めようということでやってきているわけでございます。
ただ、そういうことをやりましても、外部の方からこの中央会の監査では不十分だという意見はなかなか消えておりません。今回の規制改革会議だけではなくて、その前から、規制改革についてのいろんな分科会ですとかございますが、言われてきておりますし、平成二十年には、日本公認会計士協会の方からも純粋な外部監査とは言えないといった意見書も出されている、これも事実でございます。
特に、公認会計士の監査と全中の監査と比べてみますと、実態のところはいろいろあるかと思いますが、制度面だけでいいますと、この監査人の資格につきまして、公認会計士の方は国、金融庁が実施をする試験に合格をした人ということになっておりますけれども、農協の監査士の方は全中が実施をする試験の合格者ということでございます。それから、監査人の監督につきましても、公認会計士の場合には公認会計士協会の監督もございますし、それから金融庁の監督もございますが、一方で、農協の監査士の場合には全中が農林省の監督を受けると、こういった体系でございます。またそれから、監査の独立性につきましても、公認会計士の方は法律によりまして規制されておりますが、全中監査の場合には全中の内部ルールでの規制といったことにとどまっていると、こういった相違点もあるわけでございます。
こういったことに加えまして、准組合員の数が農業者である正組合員の数を上回る状況に今なっております。農家でない方々が相当農協の信用事業を利用する状態になっているのもこれも間違いない事実でございますし、農協の数も現在七百農協になっておりまして、一つの農協の貯金量の規模も相当大きくなっております。平均で一千億円を超えておりますし、中には一兆円を超えるところもあるということで、こういった状況の中で、やっぱり外部の方から、農協の信用事業がイコールフッティングでない、ほかの金融機関と同じようにきちんとした外部監査を行っていないということが言われますと、これから信用事業を継続するのが難しくなるということもやっぱり考えられますので、こういったことなく、批判を受けることなく、今後も安定して農協の信用事業が行えるようにするという観点から、ほかの金融機関と同様に会計監査体制を整備をするということが必要というふうに今回判断をしたわけでございます。
それから、ただいま先生から御指摘ございましたように、平成十三年にはJAバンク法という法律を作っております。これ、ペイオフの解禁前後に、従来の信用事業の体系ではなかなかこのペイオフを乗り切れないんではないかということを踏まえまして、農協の信用事業を健全に行っていくという観点から、農協はそれぞれ法人格を持っておりますので、それぞれが独立をして行っている信用事業ではありますが、農林中金、それから信連、この末端の地域農協、全体として一つの金融機関として機能するようなきちんとした体系をつくろうと。特に、信用事業が健全かどうかという状態については、農林中金が一定の自主ルールという基準を作って、それに照らしてそれぞれ農協の信用事業の状況をチェックをする、これによって問題がある場合には、レベルワンとかツーとかスリーとかランク付けをしてそこの資金運用について制限を掛ける、そういったルールを作ってやっているわけでございます。
この制度をつくって、実態的にも、農林省、それから全中、それから農林中金、いろんなところが協力をしながら破綻処理等も進めてまいりましたので、現状ではこの農協の信用事業につきましてほとんど問題がない状態になっていると思いますけれども、このJAバンク法が機能するための一つの前提は、会計の監査のところがきちんとできているということでございます。ここのところの数字がきちんとしていなければ、それをベースにする農林中金の自主ルールもきちんと動かないということになってしまいますので、そういう意味におきましても、この根っこにある監査のところはほかの金融機関と比べて遜色のない体制をきちんとつくるということは非常に重要なテーマであるというふうに考えているところでございます。