泉澤章の発言 (法務委員会)

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○参考人(泉澤章君) 今の御質問の中で、裁判員裁判が冤罪の防止にとって非常に前進というか、させるものであるというふうなことだと思いますが、当初、やはりこの裁判員裁判制度が導入されるときには、むしろ冤罪を生むのではないか、多くするのではないかという議論もありました。例えば、証拠を非常に圧縮して出させるとか、弁護側の主張について、また立証についても非常に絞るとか、そういう議論がございました。
   〔委員長退席、理事熊谷大君着席〕
 私は、手放しで裁判員裁判制度が冤罪の防止に役立つというふうには思いません。ただ、今までの少なくとも運用の中で前進面があったとすれば証拠ですね。証拠をできるだけ出させる、前に出させる、類型証拠開示や争点関連証拠でも出させるということがあったというふうに思います。これまで証拠の偏在によって弁護側が証拠をなかなか見れないということがございました。これがやはり冤罪の一つの原因だったわけであって、これを、裁判員裁判が公判前整理手続とドッキングさせることによって事前に開示させるということとなった、これは一つの私は前進ではなかったかなと思います。
 ただ、これは非常に危ないところもございまして、先生方も御存じだと思いますけれども、要するに、本当に全部出たのかということについて言えば、まだそれはよく分からないところがございます。
 全て開示ということになっておりませんのと、あともう一つ、やはり弁護側の主張や立証を公判前整理手続で全部もう出しなさいということになってしまうと、やはり私ども弁護士は事件になってから仕事として入っていくわけであって、言ってみれば後から入っていくわけですよね。そうなった場合、無罪を主張するための証拠がなかなかない。その下で、早くとにかく言えと、なぜ無罪になるのかということを言われても困るわけですね。そういうことがもしも運用の面で厳しくなれば、むしろ、じっくりやれば無罪だったものが有罪になってしまう可能性も私はあるというふうに思います。だから、手放しで喜ぶわけにはいかない。
 ただ、先ほど言ったように、証拠について、類型証拠開示や争点関連証拠開示で今のところはかなりの証拠が出ているし、あと検察官も運用によって任意開示で大分出すということになっておりますので、これをかなり早い段階で検察側が運用していただければ、これは一つ冤罪をなくすための前進になるのではないかなというふうに思います。これが一番私としては体験的には大きな一つの前進面だったというふうに思いました。

発言情報

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発言者: 泉澤章

speaker_id: 33028

日付: 2015-05-28

院: 参議院

会議名: 法務委員会