泉澤章の発言 (法務委員会)

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○参考人(泉澤章君) 先ほども言いましたけれども、私も被疑者、被告人を守る立場から、刑事弁護人としてずっとやってきたというのがあります。
 ただ、そうはいえ、やはり、例えば実際交通事故のように、過失の責任はどうあれ人が亡くなったという事件もやるわけなんですね。犯人がまた全然別のところにいて亡くなった方というのと、ちょっとそれはまた性質が別になるというふうに思います。そういうときは私も、そういう方、御遺族のことはやっぱり考えざるを得ない。
 また、弁護士というのはやっぱり逆転する立場があるわけですね。要するに、同じように被害者の方の立場に立って民事訴訟の代理人になることもあると。非常に複雑な立場に置かれるわけなんですけれども。そのときにやはり一番考えるのは、先ほども言いましたが、憲法というのは細かい規定を置いて被疑者、被告人の権利を守っている、これは国と、個人というか、被疑者、被告人とが究極の場で対決する部分であるからだということを話したと思います。
 じゃ、被害者の方の人権はどうかというふうな話なんですけれども、被害者の方はもちろん憲法で人権、生命、自由、財産が守られているわけですね。これをどう具体化していくというのは、私の立場からはなかなか具体案というのは出てきませんけれども、やはりそれは非常に尊重されるべきだし、それでこそむしろ刑事司法制度だって円滑に回っていくんだというふうに思います。その点について、今までの弁護士としての立場から目が行き届かなかったり制度に対する無関心があったとすれば、私は率直にそれは反省すべきだなというふうには思っております。
 ただ、そうはいえ、やはりしかし最後に付け加えなきゃならないのは、私どもは、と同時に冤罪被害に遭った人もたくさん見ているわけです。袴田さんは、要するに、まだ再審開始決定は確定しておりませんけれども、四十数年間勾留されていて、率直に言ったら、精神的には回復ができるかできないかという立場に置かれている。私が弁護人であった菅家さんという方も十七年間無実の罪で、彼は完全に無実だったわけなんだけれども、ずっと拘留され続けたわけですよね。彼の生命、自由、財産、取り戻せませんよね、彼自身も。ということについて、やはり最終的には、私の立場からは、どうしていくのか、これを制度の上でどう彼らの自由や人権を守るためにできるのかということに、やっぱり究極のある種の少数者の人権を守るという立場からは考えざるを得ないというところにあります。
 ですので、簡単にバランスというふうに言えないことは重々承知はしておりますが、私の立場からは、やはり被害者の方の人権は本当に非常に重要である、しかし、やはり被疑者、被告人の方の人権というのが守られるようなきちんとした制度をつくっていかないと司法全体が立ち行かなくなるというふうに私は考えています。
 以上です。

発言情報

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発言者: 泉澤章

speaker_id: 33028

日付: 2015-05-28

院: 参議院

会議名: 法務委員会