泉澤章の発言 (法務委員会)

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○参考人(泉澤章君) おっしゃるとおりだというふうに思います。
 足利事件の再審公判のときには、菅家さんはそのテープを法廷で流されるのを聞いて具合が悪くなってしまいまして、私、ちょうど隣で付き添っていたんだけれども、途中で退席したりしたこともありました。
 なぜかというと、一つにはもちろん嫌な思い出は思い出したくないというのもあるんでしょうけれども、あのテープは検察官の取調べなんですね。実際にはその前に警察での取調べというのがあるわけです。それはテープはありません。そこで彼がどういうことをされて、どういうふうに言ってみれば検察官の前に行っても話すんだよというふうに言われたかというのは、全然出てこないんですね。ないんですよ。その中でいろいろと話も警察の方でされて、彼はそれを信じ切っていて、検察官の前におずおずと出て、やったね、やりましたと。ところが、途中で否認する。そうするとまた優しくなだめられて、また帰ってくると、今度はやっぱりやりましたと泣くというふうなことを繰り返している。
 全面可視化した場合にどうかという議論はまたありますけれども、私は、やっぱりその捜査の過程、過程そのものを証拠化しなければ、証拠化という形で残さなければ、やはり菅家さんはどんな裁判制度になっても救えなかったんじゃないかと思います。
 あれはDNA鑑定だけの問題で終わっているような感はありますけれども、そんなことはなくて、あれがあったけれども、やはり細かい自白をしているわけですね。なぜそういう自白ができたかということについて分析するのと、やはり教訓としては、捜査過程を可視化するというのは要するに証拠化するということですよね、それが非常に重要である。
 証拠化したものを起訴後、弁護人が全面的にそれを見た上で、きちんとした言ってみればその証拠についての評価がなされるようにしなければならないので、あの裁判で私は体験した非常に大きな今でも残っているのは、やはり逮捕から検察に連れていかれてまた裁判までがすごくブラックボックスなわけなんですよね。そこがきちんと証拠化されて、開示されて明らかになり、かつDNA鑑定の問題というものを、科学的にどうなのかということをきちんとやっておれば、私はああいう悲劇は生まれなかったんだというふうに今でも思っています。
 なので、先生おっしゃるとおり、証拠、証拠化ですね、それで証拠の開示、特に全面開示というふうに我々弁護人はずっと前から言っていますけれども、それはまだなされておりませんが、その必要性というのは冤罪が起きるたびに非常に言われるわけですね。袴田事件なんかもそうですけれども、何十年もたってから倉庫にあったテープが見付かりましたなんということがもう普通に言われるわけですよ。これはおかしい、これはどう考えてもおかしいというふうに皆さんも思われるわけですね。
 なので、やはり証拠の大事さが前提となっているのであれば、それを全面開示しておくというのが、やはり今でもそうですし、これから裁判員裁判制度をきちんと運用するに当たっても非常に重要なことだなというふうに思っています。

発言情報

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発言者: 泉澤章

speaker_id: 33028

日付: 2015-05-28

院: 参議院

会議名: 法務委員会