斎藤嘉隆の発言 (本会議)
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○斎藤嘉隆君 民主党・新緑風会の斎藤嘉隆です。
ただいま議題となりました平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法案について、会派を代表して質問をいたします。
一九六四年の東京オリンピック、開会式当日、東京の青空にブルーインパルスが描いた五つの輪は、希望と誇りの象徴として国民の心に深く刻まれました。一九四〇年の第十二回オリンピックの開催権を得ながら、日中戦争の進展など国際情勢の悪化によって返上せざるを得なかった我が国が、政府、関係者の努力の積み重ねにより、再度開催権を得たことは周知のとおりです。前回の東京オリンピックは、まさに戦後の復興を全世界に示した平和と友好の祭典でした。
発展途上にある開催国が大会を契機に経済的、社会的に大きく飛躍をする、オリンピック・パラリンピック大会にはそうした役割を期待された時代がありました。一九六四年の東京大会もまさにそうであったと思います。来る二〇二〇年の東京大会は、成熟した日本社会における都市型大会とも言え、前回大会とは意義や目的も異なる感を受けています。
そこで、初めに、二〇二〇年東京大会開催の意義や目指すものについて、現在の我が国の現状を踏まえどのように捉えているのか、下村担当大臣にお伺いをいたします。
安倍総理がIOC総会における招致プレゼンテーションで世界に宣言された、福島原発事故後の状況がアンダーコントロール、制御されているという発言は記憶に新しいところであります。しかし、残念ながら東京電力福島第一原発の廃炉工程は遅れ、汚染水の流出は止まらず、風評被害が続くなど、福島の再生には今なお困難な課題があります。現状のままでは、安倍総理の言葉が必ずしも事実とは捉えられず、日本の信頼そのものを失うおそれがあります。
福島の再生なくして日本の再生はなく、オリンピックの成功もありません。二〇二〇年には、福島の再生がどのような工程をたどり、どこまで達成しているのか、改めて内閣の認識を官房長官からお聞かせいただきたいと思います。
本法案の附則には、内閣法改正が盛り込まれ、国務大臣の増員が規定されています。
オリンピック・パラリンピック担当の専任大臣は、札幌・長野両大会やサッカー日韓ワールドカップの際にも置かれず、一九六四年東京大会の際に僅か四か月間のみ設置されました。今回は五年以上の長期にわたり専任大臣が置かれることとなります。大臣の人選については、スポーツや障害者政策に明るく、大会成功への情熱にあふれ、スポーツの祭典にふさわしい、政治と金等の問題に無縁なクリーンな方の選任を要請しておきたいと思います。
この担当大臣の専任化が大会準備や運営にもたらす具体的効果は何か、行政改革の必要性等から大臣増員を疑問視する声もある中、あえて閣僚を一名増員をすることに見合う意義は何であるのか、菅官房長官の答弁を求めます。
新任の担当大臣は内閣においては一大臣にすぎず、本法案第六条二項においては、大会推進副本部長として、総理が就任する本部長の職務を助けるとしか規定されていません。これまでの政府答弁では、関係府省庁横断の課題について調整をするとされていますが、担当大臣には専任の副大臣や大臣政務官も付かず、一人で現在五十六人の職員を従え、活動することとなります。
この関係府省庁横断の課題、施策とはどのようなものであるのか、また、担当大臣が持つ総合調整権限によって関係府省庁の意見をまとめていくことが本当に可能であるのか、内閣法の担当としての官房長官の見解をお示しください。
本法案第二条では、内閣に大会推進本部を設置することとなっています。推進本部の設置については、過去の大会でも例がなく、その規模も明らかにされていません。想定される推進本部事務体制の規模はどのように考えているのか、現在のオリパラ閣僚会議と大会推進本部は同様に閣僚による組織となっていますが、実質的違いは何であるのか、既存の推進室との役割分担はどうなるのか、具体的な姿について下村担当大臣の答弁を求めます。
第十三条では、大会の円滑な準備及び運営の推進のために基本方針を作成することとなっています。大会の準備や運営に当たっては、昨年一月に東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が設立され、大会運営者として中心となって事業を行うこととなっています。組織委員会は本年二月に大会開催基本計画を発表したところであり、本法案で規定される基本方針との関係がどのようになるのか分かりづらい構図となっています。基本計画と基本方針の関係、組織委員会と国の役割分担についてどう考えているのか、下村担当大臣に伺います。
次に、競技会場の準備状況について伺います。
昨年五月の文教科学委員会において、私から、国立競技場の改築に当たっては、施設の一部や競技に利用していた器具や備品などを希望者に販売又は譲渡してはどうかと提案しました。その際、下村文部科学大臣からも前向きな答弁を得て、実際にインターネットを通じての販売や自治体への無償譲渡が行われましたことは率直に評価いたします。
この国立競技場の建設について質問いたします。
国とともに施設整備を担う東京都は、予算の肥大化防止、環境への配慮などの観点から、整備計画の一部見直しを進めていると聞いています。当初、昨年七月に開始予定だった解体工事が入札の不備等により大幅に遅延し、今年に入ってから本格的にスタートするなど、準備、進捗状況についても懸念の声が寄せられています。
予算規模、景観などへの配慮、また、将来の負の遺産とならぬよう、競技場や周辺インフラ整備に当たり、大会終了後を見据えた利活用の在り方などの検証を進めていく必要があります。競技会場等の整備に当たっては、多くの国民の懸念について丁寧に説明すべきです。文部科学大臣から政府方針を御説明いただきたいと思います。
また、超党派のオリパラ推進議員連盟の会長でもある麻生財務大臣に、財政負担と行財政改革の関係について見解を伺います。
オリンピック・パラリンピック大会は東京だけのものではありません。東京大会の効果を国全体に波及させていくための手だてが必要です。オールジャパンでの開催を目指し、一部種目の首都圏以外での実施、競技予選やキャンプ地の地方誘致、外国人観客の地方への誘導策などは地方創生の施策と併せて展開していくべきです。地方公共団体とも連携をし、地方の活性化や地方創生にどうつなげていくかも東京大会成功の重要な課題です。
どのような取組を進めていくのか、下村大臣及び石破地方創生担当大臣にお聞きをいたします。
二〇二〇年の東京においては、パラリンピック大会の成功こそが全世界に日本の姿勢を示す試金石です。二〇一一年に成立したスポーツ基本法にはスポーツ権が盛り込まれ、その中には、する権利、見る権利、支える権利が含まれています。パラリンピックの成功にはこの三つの権利をどう重視し、尊重していくかが鍵となります。
パラリンピック大会や各種目についての認知度は低く、また、選手強化費や施設、待遇面においてはオリンピックとの格差が厳然と存在をしています。パラリンピック大会をより一層活発なものとするためには、この格差の是正を具体的にどうするのか、下村文科大臣に伺います。
さらに、バリアフリー化の推進も必要不可欠です。競技会場の整備において、車椅子席の割合などの国際パラリンピック委員会の基準を満たすことなどの取組を進め、障害者が観戦しやすい環境をつくることが求められますが、パラリンピック成功への環境整備のための財政支援、バリアフリー化推進の予算措置等について麻生財務大臣に伺います。
オリンピック憲章には、文化プログラムの実施が義務付けられており、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックはスポーツだけでなく文化の祭典でもあります。日本の文化、芸術を世界の人々に広める格好のチャンスであり、また、改めて日本人としてのアイデンティティーを国民が肌で感じる絶好の機会でもあります。
現在、東京都や文化庁などが協力して文化プログラムの内容を検討していることと思いますが、霞が関や東京都という狭い器で考えるのではなく、全国の民間の文化組織、文化活動に取り組んでいる方々の協力を仰ぎ、文化活動というものを行政の枠組みだけではなく、活動している市民の感覚で再定義して、全国全地域的、全国民、全住民的な展開を行う必要があると考えます。
現在の取組方針、また今後の取組について、下村文部科学大臣からお示しをいただきたいと思います。
東京オリンピック・パラリンピック大会は、子供たちの心にも永遠に深く思い出として刻まれることになるでしょう。子供たちが生涯にわたって語り継ぐ大会。大会をきっかけにオリンピアンを目指したり、グローバルな視野を広く持ったりする子供たちも多く生まれることでしょう。子供たちのためにも意義深い大会にしたいものだと考えます。
小中学校を始めとした各学校では、学校教育の題材としてオリンピックやパラリンピックを有効に活用し、創意工夫した取組を進めることが望まれます。大会を通じて、次世代に残すべき精神的なレガシーをどのように捉えているのか、押し付けの施策では教育現場に新たな負担を持ち込むだけになります。各学校の主体的な取組をどう促し、サポートしていくのか、教育現場との連携の在り方について具体的なプランはあるのか、下村文部科学大臣に伺います。
最後に、ある文章を紹介したいと思います。
日本は世界で唯一の被爆国です。この悲劇を語れる国は日本しかありません。平和や命の尊厳への深い祈りを込めた、本当の平和の祭典。日本はそういうオリンピックができる国だと思うのです。そういうオリンピックに、ボランティアとして参加している自分を想像すると、何だか幸せな気持ちになります。
これは、第十六回「明日のTOKYO」作文コンクールで優秀作品に選ばれた中学生の作文の一部です。世界中から多くの人々が集う東京大会が、平和や友好の祭典として高い評価を受け、国民の心に深く刻まれ、子供たちの気持ちをわくわくさせる、そのような大会として大成功を収めるよう、共に協力をしてまいりたいと思います。
以上を申し上げて、私の質問を終わります。大臣各位の誠意ある御答弁をお願いいたします。(拍手)
〔国務大臣下村博文君登壇、拍手〕