野田国義の発言 (本会議)
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○野田国義君 民主党・新緑風会の野田国義です。
ただいま議題となりました地域創生二法案につきまして、会派を代表いたしまして質問をさせていただきます。
まず冒頭に、先週の金曜日、まさしくこの参議院本会議の途中でございましたけれども、鹿児島県の口永良部島の新岳の噴火によりけがをなされました方、被害に遭われ避難されております住民の皆様方に対しまして、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
初めに、安倍内閣は、去る五月十五日、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案を国会に提出をいたしました。我が党は、安全保障法制については、平和主義の下、専守防衛に徹し、近くは現実的に、遠くは抑制的に、人道支援は積極的にとの方針で法整備を行っていくべきであると考えます。こうした点からすると、安倍内閣が集団的自衛権行使を認める武力行使の新三要件は、基準が曖昧であり、自衛隊の海外での活動の歯止めとはならず、危険が増し、容認できません。衆議院安保特別委員会でのごたごたを見ていると、法案を撤回された方がいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
他方、我が国の領海や離島などへの不法な侵入などへの対処について、政府は運用面の改善にとどめようとしておりますが、それでは不十分であり、我が党は新たな領域警備法案を提案することといたしておるところであります。
いずれにしても、戦後の安全保障の大転換を一国会の僅かな審議で強行することは、国民不在の国会軽視であり、絶対に認められません。政府・与党には、期限を切ることなく、しっかりと説明責任を果たし、十分な法案審議が行われることを強く申し上げたいと思います。
それでは、質問に入ります。
まず、安倍内閣の財政健全化に向けた取組についてお伺いいたします。
国及び地方の長期債務残高は、平成二十七年度末に千三十五兆円に達する見込みであり、対GDP比では二〇〇%を超え、主要先進国では最悪の水準となっているところであります。内閣府による試算では、中長期的に名目で三%、実質で二%の経済成長率を実現したとしても、二〇二〇年度時点で九・四兆円もの基礎的財政収支赤字が発生をいたします。
安倍内閣は、歳出歳入両面にわたる取組により、二〇二〇年度までに基礎的財政収支の黒字化を達成すると大見えを切っておりますが、しかしながら、高齢化の進展に伴い更なる増大が見込まれる社会保障関係費について、抜本的な改革案が示されていないほか、経済成長による税収増の予測も余りにも楽観的であり、実現性は願望に近く、本気で財政健全化を実現するという姿勢が見られません。
このような状況の下では、財政健全化目標の達成は到底不可能ではないでしょうか。また、六月末までに策定するとしている財政健全化計画は実効性あるものとなるのでしょうか。財政健全化に向けた政府の取組姿勢、目標の実現可能性について、本気度を麻生財務大臣にお伺いいたします。
安倍内閣の成長戦略、日本再興戦略の中身は、民主党政権時の日本再生戦略のアイデアが踏襲されているようでありますが、安倍内閣は経済に対する基本的な考え方が民主党政権と異なります。まさしく、地方に真摯に向き合い、国民一人一人の生活向上に取り組む理念、発想が非常に乏しい限りであります。
また、安倍内閣は、株価の引上げに血眼になり、国民へのアピール材料にするばかりか、公的年金の株式市場での運用割合を拡大し、リスクにさらそうとまでしております。しかし、株価が上昇したからといって一般の国民が豊かになったと言えるものではなく、そもそも株価が必ずしもそのときの実体経済の状況を反映するものではないことは、かつてのバブル経済で痛いほど経験したことではありませんか。
私も毎週地元に帰り福岡県民の声を聞いておりますが、地方経済はまだまだ厳しい厳しいとの話ばかりであります。株価ばかりを気にしていては、どうしても企業業績の向上に目が向いてしまい、地域で暮らす人々一人一人の生活の質を高めるという観点が欠如してまいります。
そこで、この際、経済運営で重視する指標を考え直してはどうでしょうか。ブータンの提唱により、国連は三月二十日を国際幸福デーに指定し、国民総幸福量、GNHに基づくランキングを発表しております。日本は、GDPこそ世界で三位でありますが、幸福度では四十六位と低い水準に甘んじております。こうした幸福度の考え方こそ大いに検討すべきではないでしょうか。
また、政府は、二〇六〇年に人口一億人程度を維持することを目標に様々な施策を展開しようとしているように見受けられますが、一億人という数字にどれだけの意味があり、本当に実現可能性があるのでしょうか。もちろん子供を産みたくても産めない状況を解消することは必要ですが、人口減少自体はマイナス面ばかりではありません。むしろ、生活の質を高めるチャンスであるということを考えるべきではないでしょうか。
我が国の幸福度についての現状認識と対策、そして、人口減少社会のポジティブな側面について、石破大臣の見解をお伺いしたいと思います。
地方行政に携わった経験も踏まえて、地方の活性化についてお伺いいたします。
地方の活性化は、歴代政権が取り組んできたものの、ことごとく十分な成果を上げることはできなかった重要で難しい課題であります。振り返ってみますと、竹下内閣による昭和六十二年からのふるさと創生における一億円交付税措置を一つの契機として、それまで国の方針に地方が従うだけだった上下主従関係が変わり始めました。地方も自ら考え行動するようになり、政府の地域政策も地域の主体性を重視するものが徐々に主流を占めるなど、地方分権、地域主権へと大きな流れが形成をされ始めたのであります。
しかし、残念ながら今日まで地方の活性化は思うように進んでいるとは言えません。昭和六十二年のふるさと創生の後、昭和六十三年に地域総合整備事業債、ふるさとづくり特別対策事業が創設され、平成十四年から地域活性化事業へと続きました。
また、この間、平成六年には、ガット・ウルグアイ・ラウンドの対策費といたしまして、何と六兆百億円ものお金が全国にばらまかれたのであります。これらの多くによって、結果的に必要以上の箱物が造られ、地方自治体の財政の悪化につながり、夕張ショックに象徴されるように、自治体の破綻をも招きました。
また、十一年から、三位一体の改革、政府主導の平成の大合併により、平成十七年前後をピークとして地方自治体の合併が進み、自治体数も三千二百三十二から千七百十八となりました。こうした政府主導による合併の推進は、お役所仕事が見直され、効率的な役所、職員の意識改革などの効果もある一方で、住民サービスや地域の自治の面から見て問題も多く残したのではないでしょうか。
過去の政府の取組についての評価、今後に向けた課題について、石破大臣の見解を求めます。
次に、農地転用についてお伺いいたします。
今回、農地転用許可に係る事務権限を都道府県へ移譲することが実現します。これにより、都市、農村を通じた総合的な町づくりの推進に地方が主体的に取り組むことが期待をされ、今回の権限移譲は一定の評価ができます。
しかしながら、この権限移譲については、長年にわたる地方からの強い要望があったにもかかわらず、なぜ今まで実現できなかったのか。これまで農林水産省が必要以上に地方への移譲に抵抗してきたということはないでしょうか。また、なぜ今回は移譲の実現に至ったのでしょうか。加えて、今後、基礎自治体への権限移譲の検討はなされるのでしょうか。林農林水産大臣の見解をお伺いいたします。
次に、地域再生法改正案についてお伺いいたします。
昨年末に閣議決定をした、まち・ひと・しごと創生総合戦略において、中山間地域等の現状について、人口減少に伴い、住民の生活に必要な生活サービス機能の提供に支障が生じているという認識が示されています。
実際に、地元を回っていると、小学校が統合をされ、農協が撤退をし、残っているのは郵便局だけという全国と同様の状況が生じておりますし、地域の商店街やスーパーも閉店し、生活用品の購入にさえ困るという買物難民が増えている現状であります。
総合戦略では、この中山間地域の対策として、基幹となる集落に機能、サービスを集約化し、周辺集落とのネットワークを持つ小さな拠点において各種の生活支援サービスを維持することとしており、今回の地域再生法の改正案で規定をされております。
私自身も、この小さな拠点のような考え方は、経験から、基本的には必要であると考えます。一方で、小さな拠点の中でも、機能、サービスが集約化される地域再生拠点から離れているところに住んでいる住民は、集約化されることで、自分の集落は逆に公共サービスが低下するのではないかという不安を多く抱いております。
行政としてこの不安を払う努力は欠かせません。そのためには丁寧な説明が必要であると考えますが、国としてどのような対応を考えていらっしゃるのか、石破大臣にお伺いしたいと思います。
また、今回の改正案は、企業の拠点が地方に移転、若しくは拡充することを支援するものであります。拠点が移転した時点では、一時的に地方の人口が増えるかもしれませんが、恒常的に東京から地方へと人が移動するような仕組みではありません。総合戦略の目標からすれば、今回の改正では目標達成には足らないと考えます。
加えまして、私は、今後国会においても、思い切って首都機能の移転、分散も含めて、大いに議論が必要であると考えるところであります。いかがお考えでしょうか、併せて石破大臣にお伺いいたします。
最後に、一極集中の是正を図るとともに、更なる地域主権改革を進め、魅力ある地方を再生することが喫緊の課題であります。